第55回 菊水賞の予想
4/6(木) 園田10R
ダ1700m 16:15発走
今年の出走メンバーは過去を見渡してもかなり上位混戦の様相
スマイルミーシャ、ベラジオソノダラブ、ニシケンボブを3強として見るか
ビキニボーイとヒメツルイチモンジまでを加えた5頭の抜けた馬での争いと見るか
大波乱になるとは思いにくいもののどこからでも狙えそうなのでとにかく楽しみな一戦である
[参考レース①]
園田ジュニアカップ
2022/12/31
園田 ダ1700m 1.55.5(良)
1着⑪スマイルミーシャ
2着⑥ベラジオソノダラブ
3着②ヒメツルイチモンジ
壮絶な叩き合いを演じたスマイルミーシャとベラジオソノダラブのゴール前は迫力のある大接戦となったが、展開としては逃げたアルザードを番手のアズグレーターがそこまで追いかけなかったことで各馬が折り合いに苦労するかなりスローの流れとなった
勝敗を分けた1番のポイントはスタートを決めたスマイルミーシャがベラジオソノダラブを先に行かせてターゲットとしたことだろう
向こう正面の中ほどで一気にペースが上がった際にアルザードは程なく捕まったが2番手のアズグレーターが粘ってコーナーを迎えたことでベラジオソノダラブは自力で前を追うところにスマイルミーシャが一気に襲いかかった
この位置取りが逆だった場合やベラジオソノダラブの折り合いがスムーズなら結果は大きく変わった可能性もあるがマッチレースとなってから後続を突き放すばかりだった上位2頭はかなり抜けた存在であったと言える
一方で離れた3着となったヒメツルイチモンジはスタートで大きく立ち遅れたことで内枠も仇になった格好となったが、レースの展開を考えれば2周目3コーナーで後方3番手だったことを思えば上がりに向けて良い脚を使えていたので地力の高さは見せれたと考えて良い
[参考レース②]
兵庫ユースカップ
2023/3/2
姫路 ダ1400m 1.30.9(稍重)
1着⑤ベラジオソノダラブ
2着①ビキニボーイ
3着④ニシケンボブ
ディオスメッセージが楽に先手を取るとベラジオソノダラブも労せず2番手で隊列が決まる
入りの600mが超スローと言える40.4〜40.6程度のペースで入ったことで馬群はぎゅっと凝縮されて1コーナーの回りで後方にいたニシケンボブも楽に先団に取り付くことができた
600m過ぎからは一気にペースが上がり淡々と12秒台のラップが続き地力の高さでディオスメッセージをあっさり捕らえて先頭に立ったベラジオソノダラブが単騎で最後の直線へ向かい焦点は早くも2着争いに
前半で楽をした分の貯金が活きた形で逃げたディオスメッセージも大きく脚色が衰えることはなくニシケンボブに被されてもコーナーワークで再び抵抗して長く併せ馬の形が続く
3コーナー手前で吉村Jは最内から強襲を計るビキニボーイの姿を確認したことで更にアクションは派手になったが、終始外から追う展開で後半の速い流れに対応しつつ長く脚を使い続けたことで最終的に脚色はほぼ同じになってしまったディオスメッセージを何とか競り落としたものの最内をロスなく突っ込んだビキニボーイがラスト200mで最速の脚を使われて先着を許してしまった
ニシケンボブは内容的にはかなり強い競馬をしたものの悔しい3着となり内枠対応にかなりの課題を残す形となった
[参考レース③]
3歳A特別
2023/3/9
姫路 ダ1800m 2.01.2(良)
1着④ヒメツルイチモンジ
2着①グロリアドーロ
戦前から注目はこの2頭の一騎打ちがどうなるかという点だったが、スタートしてすぐにグロリアドーロの反応は鈍く大きく離れた最後方になってしまうが最初のコーナーを回ったあたりからグロリアドーロが進出開始で1コーナーを迎える頃には一気に先頭の外まで上がった
2コーナー過ぎで3番手のヒメツルイチモンジには5馬身以上の差をつけつつ鞍上の山本Jはゴーグルをかけ直す仕草もあり余裕の手応えかと思われたが、息を入れずに淡々と走った影響が祟ってかラストにかけてかなり失速するラップ構成となってしまう
4コーナーを回りヒメツルイチモンジとグロリアドーロのマッチレースになり、一時は外から2馬身ほどヒメツルイチモンジが抜けかけたがグロリアドーロも馬体を外に併せに行ってから再度盛り返してクビ差まで詰めたところがゴール
単純にどちらが強いレースをしたか?となるとかなり荒削りなレースをしたグロリアドーロの方だったが、グロリアドーロは長く脚を使う特徴を活かした一方でスタート後の出脚の鈍さ等若さも出してしまったので初コンタクトとなった山本Jが2戦目でどうレースを組み立てていくのか注目したい
一方で勝ったヒメツルイチモンジは休み明けからしっかり仕上げていた点は◯も、465kgでデビューした馬が休養明けで輸送減りがあったにしても444kgまで減ってしまった点が気がかりで反動が出ないことを祈りたい
少なくとも本番では+6kg以上には持って行ってほしい気はする
[参考レース④]
3歳A特別
2023/3/23
姫路ダ1500m 1.37.6(不良)
1着②ビキニボーイ
前半が特に速いペースでもなかったので時計に関しては特筆するものではないがこの日の1400,1500mは昼過ぎの大雨で5R以降は行った行ったばかりだった
このレースはスローで流れたので普通なら前残りの展開になるはずだが、勝利したビキニボーイは後方2番手から軽く気合をつけると3コーナー手前から一気に進出して逃げたカタラを楽に捕らえて4コーナーでは早くも先頭に立ち勝負所での反応の良さを兵庫ユースカップに続いて証明した一戦となった
1700mの対応に関しては未勝利勝ちと札幌2歳S6着が1800mで不安も無さそう
産駒データとしての父ビーチパトロールのデータは少なすぎるが、前走を見ても重馬場適性はこの馬自身はかなり高そうなのでベラジオソノダラブ目掛けてスマイルミーシャやニシケンボブが動く際にこの馬の末脚がハマる可能性を感じさせる内容だった
以上の参考レースから名前が出た6頭を中心に考えて良さそうで他の4頭は現状では力差が大きいと判断する
[各馬の寸評]
①ニシケンボブ 牡
56kg 廣瀬航/高本
3番人気想定
1/12の園田戦がとにかく強いの一言だったしポテンシャル自体は今回のメンバーでも一番高い可能性まであるが、間を割る器用さに関しては未知数で常に外を回しての競馬に終始している点から最大の鍵は最内枠の対応になりそう
内を捌くことに関しては現在の兵庫所属の騎手の中で随一の成績を誇る騎手起用でその辺りがカバーできるかというところ
もう一つの課題としては馬場がどこまで悪くなるかが気になるところで門別時代のレースを見ても明らかに良馬場向きの走りをしているので、馬場がそこまで悪くなることが無いことを祈るか常に自力で前を捕まえにいく役割を他の馬に任せられるかといったところもポイントになりそう
②サインポール 牡
56kg 杉浦健/南
9番人気想定
暮れの園田ジュニアカップは11着でそれまでもそれ以降も今回の上位メンバーには全く歯が立っていない
前回のJRA遠征でレベルの高い(高ければだが)メンバーとの走りを経験したことで1段階上のステージに進む馬もいるにはいるが、今回の相手関係で即通用か?となると厳しさは否めず
③スマイルミーシャ 牝
54kg 吉村智/飯田
2番人気想定
園田ジュニアカップではデッドヒートを繰り広げたベラジオソノダラブを4コーナーでは早めに交わしきった後に盛り返されてのマッチレースにこそなったものの追いつかれそうでどこまでも追いつかせない根性も見せた
レースセンスが高いので内枠も問題ないと思うし馬場を判断しながら運ぶ位置も決めるだろうから前を行くであろうベラジオソノダラブをどの位置から捕らえにかかるかは他馬の着順にも大いに関わってきそう
中央では芝血統の馬の割合が高いカレンブラックヒル産駒ではあるがオヌシナニモノやカズプレスト、ターニングアップをはじめとしてアザワクやナムラマホーホ等の中央・地方を問わず走れるダート馬を輩出しておりその多くが重馬場適性もかなり高いという共通点があるのはダイワメジャーから受け継がれたものもありそうで馬場が渋れば更に強みになりそう
問題は園田ジュニアカップ以来となる休養明け初戦がこの舞台となることだが3/20の能検時計の1.32.0からはきっちり仕上げてきた印象さえある
しかし能検の馬体重の480kgは500kg前後で4戦した同馬から考えれば減りすぎの印象もあるので能検からの2週間でどういう馬体にしてくるのか注目しておきたい
個人的には以前のパドックではまだまだ緩さが残る身体に見えていたので、485kg程度が現時点での適性体重だったということもあるかもしれないのでその辺りは馬体を見て判断してもらいたい
4月からは定量重量が牝馬は据え置きの54kgで牡馬は1kg増の56kgとなるのでこの1kg差はメリットとして作用する可能性もある
④アイアンストーン 牡
56kg 笹田知/田村
10番人気想定
道営時代を含めて最も走り慣れた距離であるが時計的な面もポジション取りもまだ上位とは相当な差がありそう
ある程度どんな相手でもまとめる魅力はあるがこの春はまだこの相手関係で馬券内を考えるまでは尚早かも
⑤ヒメツルイチモンジ 牝
54kg 下原理/新子
5番人気想定
ラッキードリームらのコンビで代表される黄金タッグで昨年のベルレフォーンに続きオーナーまで含めたチーム新子で菊水賞連覇を狙う
この馬に関しては本番までに一度叩けた点を是とするか非とするか判断が分かれそうで、参考レースでも触れた通り復帰明けの馬体はかなり寂しく感じたし55kgの斤量でも勝利できたのはこの馬の地力があればこそだが、グロリアドーロの自滅のようなレース運びに助けられたのも事実
常に良いラストの脚を発揮するものの常にスタートの不安が付き纏うタイプでもあり少なくとも5,6番手の中ほどの位置はとりきりたいし重賞でのこの陣営の異常なまでの勝負強さに期待する手はあって良い
ベラジオソノダラブとスマイルミーシャが早めから勝負を展開してくれてニシケンボブとビキニボーイの動きを封じながら迫るという難解なミッションは待っているが、最低でも馬体増でここ一番の仕上げを施せば通用する実力はある
⑥ビキニボーイ 牡
56kg 大山真/飯田
4番人気想定
2月の兵庫初見参から所属の園田から姫路への輸送続きの競馬を中1週→中1週→中2週と周囲の心配を他所にきっちりこなして見せたし、詰まった間隔を感じさせない馬体の維持と気配の良さに関しては見事という他ない
勝負どころでの反応の良さに関してもこれだけ間隔が詰まっても1走ごとにむしろ上がっている気さえするし、相手が一枚落ちたとは言え前走のパフォーマンスは個人的には非常に良かったと感じている
今回もまた中1周でのレースとなる点は心配ではあるものの体質がよほど強い馬なのは間違いなさそうで初の園田戦となるがむしろ流れが速くなりやすい園田の馬場の方がこの馬には合うかもしれない
前走の吉村Jとのコンビであれば言うことはなかったが、差し・追込脚質の馬なので鞍上の大山真Jの初騎乗も心配よりは楽しみの方が大きい
⑦グロリアドーロ 牡
56kg 山本咲/石橋
6番人気想定
前回の姫路戦は初コンタクトの山本Jも色々と確認しながらの競馬であったと仮定すれば負けて強しの内容だったと言えるが、少頭数向けでペースが上がりにくい姫路コースの適性の方が高いのかな?という気はする
2歳時は早い時期の入厩だったが一旦休養に出して10月にデビューした奥手なタイプだけにこの春の成長力は目を見張るものがあり、以前の園田戦を走った時とは馬の力がまるで違う可能性もあるがまだまだ先々に良くなる馬というイメージもあり馬券内への好走に向けてはハードルがまだ高そうではある
ベラジオソノダラブにとっては逃げや2番手で運んだ場合にこの馬に絡まれる危険性もあるのでベラジオソノダラブを嫌う人はこの馬がスタミナを奪っていくレース展開を望みたいところ
⑧タオロマイ 牡
56kg 永井孝/盛本
7番人気想定
前走の姫路戦では先手を取ってうまくペースをコントロールして後半に向けてお釣りを残しながら徐々にラップを速くしていく内容で圧勝したので逃げの手に出ればそれなりにやれてもというところはある
ただデビュー2戦目の1700mでも一気にヒメツルイチモンジに寄られて抵抗することが出来なかったように一気のペースアップにはかなりの課題を残すので、途中からハナを主張する形になったとしても踏ん張りが利くとは思いにくい
⑨ベラジオソノダラブ 牡
56kg 田中学/坂本
1番人気想定
前走は前有利のトラックバイアスもあったが2番手から難なく抜け出して長く脚を使って上がり最速タイと非の打ち所がないレースをした
休み明けであのレースをしているので上積みも含めれば4勝している1400m戦とは反対に2戦して勝ちのない1700m戦の対応しきればユースカップに続く3つ目のタイトルの戴冠の可能性も十分だろう
この外枠についてはメリットもデメリットもあるが無難にスタートが切れた場合には動きたい時に動けるポジションを難なく取れそうだが、この馬はゲートに課題を残しているのでスタートしてすぐに鋭角な3コーナーを迎える1700mのコース設定は距離適性以上に外枠でゲートを失敗すると外外を回る羽目になって流れに乗りにくい面があるので内の馬のゲートが速かった場合にはポジションを取りにいくロスが生じる可能性は考えておきたい
園田でデビューした3歳世代の牡馬ではまず間違いなくNo.1の存在なので今回はケアすべき相手がスマイルミーシャだけでなくこれまでと比較しても一番厳しい展開になる可能性もあるが、世代No.1牝馬への借りをここで返してほしいという思いもある
⑩アドワン 牝
54kg 田野豊/土屋
8番人気想定
この中では4頭しかいない重賞ホースの一角ではあるが能検時計からはここ一番の仕上げをしてきているとは思えず、休み明けで強敵揃いの今回はうまくハマって掲示板の下の方があればといったところかもしれない
いつも頑張る牝馬なので応援したいタイプではあるがここを叩いてグランダム路線や牝馬路線での活躍を目指してほしい
※寸評になってないというクレームは受け付けませんが書きたいことは書いたつもりです
[馬場水準]
今開催は先行有利で進んでおり後方からの追込みがハマったレースは2つだけという状況
心配された大雨という大雨は降らずレースの時間でも極端に渋った馬場になっている事はなさそうなので基本的に昨日までの馬場継続という見方でいて良いはず
今週は昨日にオープンの1870mの施行があった以外は先週の1700m戦を参考にすると逃げ絶対有利とは言えず、好位のインで溜めた馬の上位進出が目立ち極端な外からの追込みは効いていない
[まとめと予想]
◎③スマイルミーシャ
→課題は初めての内目の枠対応と休み明け
能検の動きが素晴らしいので休み明けそのものは問題ないと思うが馬体減りの影響による気配をパドックで確認して最終的な印を維持か落とすか決めたいが一番レースがしやすいのはこの馬と判断している
◯⑥ビキニボーイ
→課題はスタートと初の園田戦とローテ
遠征続きの中1,中2でこれだけ素晴らしい状態を保てるのは素晴らしく個人的には馬場がより渋れば本命に押し上げることも考えていた
⑥番枠ではあるが内を立ち回れる脚の使い方が園田1700mにはピタッとハマるイメージがあるのでむしろ頭で買いたいのはこちらではある
▲⑨ベラジオソノダラブ
→スタートと折り合いが課題
後手に回った1700m戦は57kgを背負った影響もあったが溜めるというよりは自分でレースを作りたいタイプであることも影響した感
既に57kgまで背負い済みの経験は活きそうだし上積みがあれば1700m戦でも期待
△△①ニシケンボブ
→課題は外からの差し込みタイプゆえの内枠
最初は馬場の渋化を懸念して切ることも考えたが良〜稍重程度でレースを迎えればこれまでに他場で戦ってきた面々からも決して侮れず、距離延長も間違いなくプラスに出る
兵庫ユースカップでは距離とトラックバイアスの懸念はあったものの本命にした馬だけに⑤番枠より外に入ってくれれば今回も本命に推したかったが内からの抜け出しのイメージがあまりにも湧かないために4番手評価とする
△⑤ヒメツルイチモンジ
→課題は馬体の増量とスタート
前回の休み明けが息保ちが良かったとは言えないしグロリアドーロの自滅によってという前置きはあるものの勝利したことを評価したい
スタートを五分に切れば展開が向いても不思議はないがこの馬も追い出しは外のイメージがあるのでこれ以上は評価は上げにくい
三連単
③→⑥→⑨
⑥→③→⑨
③⑥→⑨→③⑥
③⑥→③⑥⑨→①
※③⑥→①→③⑥⑨
※③⑥→③⑥⑨→⑤
ベースは※の無い10点で来てほしいとこだけは強めに買う予定、3着にヒメツルイチモンジを買うことになる場合はニシケンボブを買わないという選択まで決め込みたい
ニシケンボブの2着に関してはそれまでのレースを見ながら必要かどうか判断する
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