最遊記と歌劇伝の話
高校3年の夏、大学受験を控える高校生にとってとても大事な期間。わたしは最遊記にどハマりしてしまった。きっかけは約10年ぶりにアニメ化されたアニメ「最遊記RELOAD BLAST」。好きな声優と主題歌のアーティスト目当て、そして有名な作品だということは知っていたので前シリーズやストーリーは全く知らなかったがひとまずアニメを見てみた。
気づいたときには最遊記が大好きになった。周りの受験生が勉強しているであろう時間は全て最遊記のこれまでのアニメシリーズの視聴に充てた。
初めのアニメは2000年に放送されていたらしい。わたしは1999年生まれ。ほぼ同期だなあ。
そんなこんなで原作を読みあさり、新シリーズのコミックスを買い集めた。アニメの劇場版ももちろん見た。イベントのDVDも見た。
どうやら舞台化もされているらしく、好きなキャラである八戒を、好きな俳優さんが演じていることを知った。ので、もちろん見た。
漫画原作作品の実写化の舞台を見たのはこれが初めてだった。あ、これは昔のものを見ました。最近ではよく2.5次元舞台というが、当時はあまりなかったらしい。それにわたしも初めてこの舞台を見たときは「2.5あるの?」なんて思わなかった。
舞台の沼にもどっぷり浸かってしまった。のちに生でその舞台を目にすることになるとは、このときは思ってもみなかった。
大学受験のために東京に行った際は銀座の香水のお店で最遊記のキャラクターたちの香水のテスターを嗅いだ。また別の大学の受験の際は受験の前日にもかかわらず、神田明神の隣のカフェに行ってコラボメニューを堪能した。受験生とは。
無事に大学に合格し、数年が経った。最遊記の舞台「最遊記歌劇伝」Darknessを生で観た。当時はあまり精神的に体調が芳しくなく、閉鎖空間が苦手ではあったけれど念願の舞台を生で観られたことに感動した。大好きな曲を生で聴くことができて嬉しかった。キャラクター生きてるなあ、と思った。そしてその1年後くらいに続編のOasisを観た。
2023年秋、現在。大学を卒業し、なんやかんやありながらもようやく社会人になった。
大学生のころは関東に住んでいたがいまは地元の名古屋に住んでいる。
最後の最遊記歌劇伝を生で観たくて遠征した。
正直ずっと続くと思っていた。まだ原作は続いているし、ストックが溜まればまたやるだろうとたかを括っていた。けれど公式からこれが最後だとアナウンスがあった。最後は絶対にこの目で見届けなければ、と思った。
当初観劇予定の公演は機材トラブルで中止となってしまった。とても残念だったけれど、すぐさま明日のチケットをスマホのインターネット経由でゲットした。サイド席しか取れなかったため見づらい部分はあるだろうけれど、生で観られるならそれでいい。
次の日、ふたたび会場の品川ステラボールへ。2日連続でダッシュでコンビニにチケットを発券しに走り、出口を間違えたため逆走して会場へと走った。落ち着け。
会場に入って席についた。舞台装置で「あ、本当に外伝だ……」と思った。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、最高だった。三蔵一行と天界組は同じキャスト、当たり前かもしれないけれど全く役が違った。俳優さんすごいなあ。
あとは個人的な話だけど、初めてまともな体調・精神状態で観られたので観劇中の体調の不安が全くなくてニュートラルな気持ちで観ることができて本当によかった。
ずっと長く続いていた最遊記の舞台シリーズが終わってしまうのは寂しい。舞台で好きになった部分もたくさんある。
とにかく、どうかこのまま東京、大阪の大千秋楽まで無事に駆け抜けて欲しい。