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オリンピック バドミントン:フクヒロの廣田選手は膝の怪我

いよいよオリンピックがスタートしました。

柔道、スケボー、卓球など様々な競技で
日本のメダルラッシュが続いています。

そんな中
バトミントンの日本代表で

現在、世界ランキング1位
先日の女子ダブルス予選リーグで2連勝した
フクヒロの廣田選手が
膝の前十字靭帯を断裂していることを公表されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210725/k10013159861000.html

オリンピック直前の合宿での怪我ということで
今後も思うように動けない中での戦いを強いられることになります。


前十字靭帯の断裂が
今でもスポーツ界で
大怪我に分類されている理由は2つです。


理由1:
必ず手術しないと完全にパフォーマンスを戻す事ができない

前十字靭帯が切れたままでプレーすると起こるのが
ギヴィングウェイ(膝崩れ)という現象です。

特に踏ん張るような動作をする時に
膝の中で上の骨と下の骨がズレることで
ガクっと膝がズレます。

膝がズレる事で膝の中にある半月板を痛めることもあり、
二次災害的なことが起こりやすいという状況です。

このギヴィングウェイはいくら筋肉を鍛えても
起こる可能性があります。

今回の廣田選手の場合も

怪我の後の練習の中や
日常生活動作の中で、

このギヴィングウェイを経験しているかも知れません。

一度ギヴィングウェイを経験すると
恐怖心0(ゼロ)で本気で前に踏み込んだり
ジャンプして片足で着地することが難しくなります。

そんなギリギリの状況の中で
オリンピックの舞台で
2試合とも勝利していることは

奇跡と言ってもいいぐらい
すごいことです。

廣田選手の頑張りはもちろんのこと
代表チームのトレーナーさん、ドクターをはじめとした医療サポートスタッフ
そして、ペアの福島選手とのチームワークが
あってこその勝利だと思います。

理由2:
手術をすると競技復帰までに8ヶ月かかる

理由1でお話しした通り
廣田選手もオリンピック終了後に手術をされると思います。

復帰するまでに時間がかかるのは

1可動域(膝の曲げ伸ばし角度)を戻す
2筋量・筋力を戻す
3神経系の回復を待つ
4再建した靭帯の回復を待つ
5運動パフォーマンスを一つづつ戻していく

とやることがたくさんあり
そのどれもに時間が必要だからです。

細かく期限が区切られ
この期間はこれぐらいの角度まで
と制限した中で
リハビリも進めていきます。

そこまで慎重になるのは
術後に再断裂が多いからです。

リハビリは地味でしんどいことを積み重ねる必要があり
スポーツが大好きな選手にとっては
「思うように動けない」
「早く練習がしたいのできない」
心理的ストレスが大きくのしかかります。

また、
「決まっている大きな試合に間に合うのか?」
「出場枠に入れるか?」などの
プレッシャーから焦ってしまうことが多くあり

リハビリが中途半端な状態で復帰することが本当に多く
結果的に再受傷が多くなります。

この、選手の心理的ストレスをしっかりとケアしながらも
地味でしんどいリハビリを積み重ねるようにサポートするのが
トレーナーの役割です。

暴走(無理やり動こうと)しそうなタイミングも
選手の様子を見ながら事前に察知する能力が必要です。

もちろん、動きの専門家なので
姿勢や動きの特徴から
改善点を見出しそれを改善させていくプログラムを組むのは当たり前のことですが

この目に見えにくい
メンタル面のサポートが
前十字靭帯再建後の再断裂を防ぐには
重要になるなと思っています。


廣田選手の次の試合は
本日です!

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