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2021広大国語/第三問/解答速報

【21広大国語/第三問/解答速報】

出典はアーサー・ビナードの随想「笑いの効能」

問一「男はもの悲しそうな目でじっと医者を見つめ、ひとこともいわずに席を立ち、出口のほうへ歩き出した」(傍線部(1))とある。なぜ、男はこのような態度をとったのか。簡潔に説明せよ。

〈GV解答例〉
精神の病に医者が処方とした笑いの提供者が男自身であったから。(30)

〈参考 K塾解答例〉
自分の悩みを、自分を笑うことで解消するように助言されたから。(30)


問二「英語で語り継がれてきたこの話は、プロットの必要もあってピエロが主人公となっている」(傍線部(2))とある。ここでの「プロットの必要」とはどのようなことか。説明せよ。

〈GV解答例〉
精神を病んで診療所に駆け込む笑いの提供者が、医者や周りの人から正体に気づかれず悩みを打ち明け、笑いの効能を説かれること。(60)

〈参考 K塾解答例〉
医者に助言を求めにやってきた男の素性を話の聞き手に気づかれないようにすること。(39)


問三「上質な笑い」(傍線部(3))とある。本文中から「上質な笑い」とそうでない笑いの例を挙げて、それぞれの違いがわかるように説明せよ。

〈GV解答例〉
(上質な笑い) 鈴本演芸場の演者の技術に裏打ちされた芸術的な笑い。(25)
(そうでない笑い) チェリー・シスターズの技術の伴わない単発的な笑い。(25)

〈参考 K塾解答例〉
(上質な笑い) 芸術の域に達した鈴本演芸場の寄席の笑い。(20)
(そうでない笑い) 観客の鬱憤を晴らすだけのボードビルでのショーの笑い。(26)

問四「「くじ」が外れても、噺の落ちは当たる」(傍線部(4))とある。ここで見られる表現の工夫について、説明せよ。

〈GV解答例〉
噺の内容自体と内容に伴う効果を、くじが「外れ」るという慣用的表現に合わせて「当たる」という表現を用い、対比的に配している。(60)

〈参考 K塾解答例〉
「外れ」「当たる」という「くじ」に掛けた対句的な語を交え印象深く表現している。(39)


問五「鈴本演芸場が二百周年を迎えるころには、ぼくが九十歳になり、できることなら、お邪魔に上がりたいと思う」(傍線部(5))とある。「お邪魔に上がりたい」という表現には、筆者のどのような態度がうかがえるか。簡潔に説明せよ。

〈GV解答例〉
演芸場の二百年に比べて自分の九十という歳は若輩だとする謙遜。(30)

〈参考 K塾解答例〉
洗練された芸が受け継がれていく鈴本演芸場に対して敬意を払う態度。(32)


問六「あんなに隆盛したハリウッドがなぜ廃れて全滅したのかについて、そのとき考えたりしていなければ、いいんだが……」(傍線部(6))とある。ここには筆者の「ハリウッド」に対するどのような見方が存在するのか。説明せよ。

〈GV解答例〉
ハリウッドの現状は商業主義に毒されその技芸の質管理が不十分なので、五十年後には全滅していることもありうると危惧する見方。(60)

〈参考 K塾解答例〉
ハリウッドが、歴史に培われた芸本来のあり方を欠き単なるショービジネスと化して消えていったボードビルと同じ末路を辿るのではないかという見方。(69)

#アーサービナード #笑いの効能 #広島大学 #国語 #解答速報

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