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2021広島大学/国語/第二問/解答解説

【21広大国語/第二問/解答解説】

〈本文理解〉
出典は温又柔の小説「好去好来歌」。前書きに「父親の仕事の都合により、三歳で台湾から日本へ移り住んだ女性・楊縁珠は、もうすぐ十九歳になる。以下は、日本人の恋人と会った夜に、自宅に戻ってきた場面である」とある。
1️⃣  家に着いたときはもう、玄関の電灯は消えていた。…グラスを探そうと、冷蔵庫を開け放したまま、流しを手で探った。グラスに指が触れたとたん、どうして電気を開"け"ないの、という日本語が聞こえた。…「ママ、まだ起きていたの?」。寝巻きの上にガウンを羽織った母が、縁珠を見ていた。縁珠は母に笑いかけてみるが、母は笑わなかった。母にとって馴染みのない匂いが、自分の服や髪や皮膚にしみ込んでいるのだろうと思ったとたん、逃げ出したくなった。「どうして電気を開けないの?」母は繰り返した。…電気の点いていない暗がりで母娘は向き合っていた。母ときたらいつも、電気を点ける、を、電気を開ける、と言い違える。…こうした言い違いをしっちゅう母はしている。いちいち訂正していてはきりがないと縁珠は諦めている。何が正しくて、何が間違っているかなんて、母にとってあまり重要なことではないのだ。

2️⃣ 「ユミちゃん? ミユちゃん? 」母は友だちの名前もなかなか覚えなかった。「ミユちゃんよ、ママ。何度も言ったじゃない。ユミ、なんて子はいない」小学生の縁珠がじれったい思いで文句を言っても(傍線部(1))、母はそんなの大して問題じゃないと言わんばかりに笑いながら、「ごめん、ごめん。でも、日本人の名前って、覚えにくいね」と言い放っていた…と縁珠は思い出す。日本語ではなく、台湾語で、母はそう言い放っていたのだった。
3️⃣  縁珠の母は、台湾語の他に中国語も話した。縁珠の父もそうだった。1950年代の台湾で生まれ育った縁珠の両親は、小学校に上がると、母語である台湾語の代わりに中国語を遣った。…学校に通う限り、台湾の子どもたちは、どんなにいやでも、中国語を話さなくてはならなかった。それでも、家に帰れば、親や祖父母たちとは、台湾語を喋り続けた。…母語を話すことを禁じられながら、国語を厳しく叩き込まれた子どもたちは、そのうち、国語と母語を状況に応じて使い分けるようになる。…子ども時代に国語を話す努力を強いられた多くの台湾人が、身につけた国語と、忘れなかった母語とを、適当に、鷹揚に、繋ぎ合わせて話すようになった。彼らにとってはそれが、最も自然な喋り方だった。やがて赤ん坊が生まれてくれば、彼らは彼らの言葉で、赤ん坊に話しかけた。縁珠もそんな親たちから生まれた台湾の赤ん坊だった。
4️⃣「ミユちゃんなのか、ユミちゃんなのか。ほんとうに、日本人の名前って、ややこしい」母が台湾語でちっとも深刻そうではなくそう言うので、「このあいだなんて、マユちゃんって言ってた」縁珠は、日本語で母を咎めた。台湾生まれだったが縁珠は、三歳のときからずっと、日本に住んでいる。最初のうちは、母と同じように中国語と台湾語も喋っていたが、小学校に通いだすと学校で日本語しか話さないせいか、家にいるときも日本語だけで話すようになった。娘が日本語しか話さなくなってからも、縁珠の母は台湾語と中国語を混ぜ込むーー日本に来てからは時々日本語も加わるーーという、彼女にとって最も楽であろうと思われるやり方で、縁珠と話した。「母の口からでてくる限り、台湾語だろうと中国語だろうとそれらが混合したものであろうと、縁珠は聞き取ることができる」(傍線部(2))ので、ふだんはまったく問題なかった。困るのは友だちが遊びに来たときだった。
5️⃣「おばちゃん、今、何て言ったの?」ミユちゃんは遊びに来ると、縁珠の母が何か言うたび、目を輝かせて縁珠にたずねた。縁珠は、今からおやつを持ってくると言ったのよ、と母の言ったことをミユちゃんに分かるように「通訳」した。…母の言葉を日本語に直すことは、大して難しいことではなかった。「難しいことではないけれど、母の言葉をミユちゃんに「通訳」するのが縁珠は好きではなかった。させられている、とすら感じていた」(傍線部(3))。縁珠にそうさせているのはミユちゃんのはずだったが、縁珠は、母がいけないのだと思う。母が、ミユちゃんの分からない言葉を話すせいなのだ。…縁珠の母は、日本語以外の、ミユちゃんには分からない言葉をたくさん話す。だから縁珠がいちいち、ミユちゃんに分かるように直してあげないといけないのだ。
6️⃣「いい子ね…」母は、感心している。…母はミユちゃんのことを、リップン・チャボギャア、とまた、台湾語で、日本人の女の子、と言う。日本の女の子は本当に可愛いわね。「ミユちゃんは、日本の女の子、じゃなくて、あたしの友だちよ、と縁珠は思うのだが黙っている」(傍線部(4))。
7️⃣ 母がリップン・チャボギャアと呼ぶミユちゃんが、あるとき、縁珠に質問をしたことがあった。「縁珠ちゃんのママが話しているのって、何語なの?」。えっ、と縁珠は顔をあげた。「なにごなの?」ミユちゃんが繰り返す。なにご? 縁珠は戸惑った。なんと答えたらいいのか分からなかった。そんな縁珠を急かすようにミユちゃんは質問を重ねた。「英語?」。えいご、なら、縁珠も知っている。ちがう、英語じゃない。縁珠はだから、すぐにそう答えることができた。すると、「じゃあ、中国語?」クイズを当てる調子で、ミユちゃんは続けた。「中国語…」縁珠は思わず、復唱した。縁珠が、自分の言ったことを繰り返したからか、ミユちゃんは目を輝かせながら身を乗り出し、「中国語?」最初よりも確信した口調で言った。キラキラ光るミユちゃんの大きな目から早く逃れたくて、縁珠は力なく頷いた。そのとたん、「中国語!」ミユちゃんは感嘆の声をあげた。「縁珠ちゃんのママ、ちゅうごくごをしゃべるのね!」。中国語、とは少し違う。母が話すのは、中国語、というよりは中国語と台湾語を断片的に繋ぎ合わせたものだ…と縁珠は思った。「中国語!」ミユちゃんが昂奮したように繰り返していたのを覚えている。「それを聞きながら、嘘をついてしまったと後ろめたかったのも覚えている」(傍線部(5))。あれから、もう十年以上が経ったのだ。ーー厳密には中国語ではない。

8️⃣ 母の、話す言葉。十九歳になろうとしている縁珠の目の前に、その母がいた。暗がりの中、寝巻き姿で、終電で帰ってきた縁珠を見つめていた。縁珠は、自分の服や、髪や、皮膚に沁みついているであろう匂いのことを思い、電気を点'け'なくてよかった、と心底思う。明るい中で、母の視線にさらされなくてよかった。「さっさとお風呂に入って寝なさい…」母は台湾語で呟くと背を向けた。両親の寝室の戸が閉まる音を聞き届けてから縁珠は水滴のついた唇を手の甲で拭った。


〈設問解説〉
問一 この文章は、十九歳の縁珠が帰宅した現在の部分、縁珠が十年以上前の過去を回想する部分、再び現在に戻る部分の三つで構成されている。過去を回想する部分が始まるのはどこからか。冒頭の五字を抜き出せ(句読点や記号は含めない)。

〈解〉ユミちゃん
※ 1️⃣と8️⃣が現在、間が回想部となる。


問二「小学生の縁珠がじれったい思いで文句を言っても」(傍線部(1))とある。小学生の縁珠が母親に対して抱いた「じれったい思い」とはどのようなものか。説明せよ。

心情説明問題。「じれったい」とは語義的に「物事が思うように進まず(A)/気持ちがじりじりする状態」である。ここでAに相当するのは「(母が)何度訂正しても/友だちの名前を覚えない」ことである。そんな母に対してか「じりじり」する、ここに含まれる気持ちは、まずは戸惑い(どうして?)であり、それに付随する苛立ち(ユミ、なんて子はいない)であろう。「何度訂正しても/友だちの名前を覚えない母に対する/困惑と/苛立ち」とした。

〈GV解答例〉
何度訂正しても友だちの名前を覚えない母に対する困惑と苛立ち。(30)

〈参考 K塾解答例〉
何度言っても友だちの名前をなかなか覚えてくれない母に対するもどかしい思い。(37)


問三「母の口からでてくる限り、台湾語だろうと中国語だろうとそれらが混合したものであろうと、縁珠には聞き取ることができる」(傍線部(2))とある。縁珠の母の使う言葉の特徴を示したうえで、縁珠が「母の口からでてくる限り」において聞き取ることができる理由を説明せよ。

理由説明問題。母の使う言葉の特徴(A)と、縁珠が母の口から出る言葉を理解できる理由(B)を答える。傍線部は4️⃣パートにあるが、主な解答根拠はABともに母の特殊な言葉づかいの背景を説明した3️⃣パートにある(4️⃣はその言葉づかいと縁珠(小学生)との関係)。Aについては、学校では中国語を話さねばならなかったこと、家では台湾語を話し続けたこと、その結果中国語と台湾語を繋ぎ合わせて喋るのが自然になったこと、さらに日本に来てからは時々日本語も加わること(4️⃣)、を踏まえて「子ども時代に公の場で強いられた中国語と/私的な場で使った台湾語//時々日本語とを/混ぜて話す」とした。そして、縁珠はその母から生まれ、その母の言葉を聞いて育ったのである(3️⃣末)。このことがBに相当する理由となる。

〈GV解答例〉
子ども時代に公の場で強いられた中国語と私的な場で使った台湾語、時々日本語とを自然に混ぜて話す母の言葉を聞いて育ったから。(60)

〈参考 K塾解答例〉
母の使う言葉は、中国語と台湾語を断片的に繋ぎ合わせたような独特のものであるが、その母から生まれ生活をともにしてきた縁珠には自然に理解できるものであったから。(78)


問四「難しいことではないけれど、母の言葉をミユちゃんに「通訳」するのが縁珠は好きではなかった。させられている、とすら感じていた」(傍線部(3))とある。縁珠の母の言葉を友だちに「通訳」することを「させられている、とすら」感じるのはなぜか。説明せよ。

理由説明問題(心情)。傍線部の元の構文は「縁珠は/「通訳」するのが好きでない(X)//させられている(Y)/とすら感じていた」である。「すら」には〈極端な事例を挙げ他を類推させる働き〉がある。すなわちYの事例が説明できるならば、Xは自明ということになる。設問では、傍線から「Yとすら」感じる、という要素だけを切り取り、その理由を聞いているわけだから、その説明のみに集中すればよい。その理由が言えるならXの理由は言うまでもないということだ。
根拠となるのは5️⃣パートの傍線部に続く部分「縁珠にそうさせているのはミユちゃんのはずだったが、縁珠は、母がいけないのだと思う。…縁珠の母は、日本語以外の、ミユちゃんには分からない言葉をたくさん話す。だから縁珠がいちいち、ミユちゃんに分かるように直してあげないといけないのだ」。縁珠は「通訳」が難しいから嫌なのではない。母がミユちゃんに分からない言葉で話して、それをいちいちミユちゃんに分かるように直してあげないといけないから、嫌なのである。しかし、これではまだXの理由までしかカバーできていない。ここからYの理由に進むには、母が日本語を話すことができる(ただ母は自分に「もっとも楽であろうやり方で」話す(4️⃣))、という要素を加える必要がある。つまり「母は/友だちに伝える要件を(←傍線直前の例)/日本語を話すこともできるくせに/友だちに分からない(→縁珠にしか分からない)/言葉(→台湾語や中国語の混じった言葉)で話したから」、「通訳」をさせられている、とすら感じたのである(「通訳」が好きでないのは言うまでもない)。

〈GV解答例〉
母は友だちに伝える要件を、日本語で話すこともできるくせに、縁珠にしか分からない台湾語や中国語の混じった言葉で話したから。(60)

〈参考 K塾解答例〉
日本に住んでいながら、母が友だちにはわからない言葉を話すせいで、自分がいちいち「通訳」することが苦痛であるばかりか、母にそうした役割を強制されているように感じているから。(85)


問五「ミユちゃんは、日本の女の子、じゃなくて、あたしの友だちよ、と縁珠は思うのだが黙っている」(傍線部(4))とある。縁珠が「黙っている」のはなぜか。説明せよ。

理由説明問題(心情)。「思うが黙っている」のは言っても無駄だからである。ここまで読んで直観的に導かなければならない。書いてないから分かりませんでは人の心は理解できるようにならない。私たちのコミュケーションの多くは言葉にならない余白から成り立っているのだから。むしろ言葉は往々にして心を裏切るのだ。もちろん言葉になくても、その場の状況であったり相手の身振りであったりが雄弁に語ってくれる。小説で登場人物の心情を読み解くとき、まずは〈状況〉を整理せよとは半ばマニュアル化されているが、人間理解の基本にすぎない。初学においてその意識づけは必要だが、現代文解法の真理でも発見したかのように大仰に語る輩はたいてい山師である。
補助線となるのは問二で既に考察した部分。傍線部(1)の直前に「ミユちゃんよ、ママ、何度も言ったじゃない」とあり、小学生の縁珠はじれったい思いをするのであった。その後に「母はそんなの大した問題じゃないと言わんばかりに笑いながら」(a)と続くのも参考になる(もう一つ、時間軸は後になるが、1️⃣の末「(母の言い違いに)いちいち訂正してはきりがないと縁珠は諦めている」を踏まえてもよいだろう)。答えは「ミユちゃんを自分の友だちとして個別に認識してほしいが(←傍線内容の抽象化)/その名前を覚えようともしない鷹揚な母に/言っても無駄な気がしたから」。「鷹揚」とは鷹が悠然と空を飛ぶように「ゆったりとして小さなことにこだわらない様」であり、aの性格を表すものとして使った。3️⃣でも1950年代に生まれ育った台湾人(縁珠の母も含む)の言葉づかいの形容として使われているが、その言葉づかいは性格にも作用しているのだろう。

〈GV解答例〉
ミユちゃんを自分の友だちとして個別に識別してほしいが、その名前を覚えようともしない鷹揚な母に言っても無駄な気がしたから。(60)

〈参考 K塾解答例〉
日本の小学校に通う縁珠は、ミユちゃんを「日本人」として意識することはないが、日本に移住してもなお台湾人として生きる母にはそうしたことが理解できないと思っているから。(82)


問六「それを聞きながら、嘘をついてしまったと後ろめたかったのも覚えている」(傍線部(5))とある。
1.縁珠が後ろめたく感じたのはなぜか。説明せよ。
2.後ろめたく感じたことを、縁珠が十年以上たった今思い出しているのはなぜか。母との関係をふまえて、説明せよ。

1.理由説明問題(心情)。〈状況〉としてはミユちゃんに母の話す言葉を縁珠が問われた場面である(a)。ミユちゃんは初め「英語?」と聞き、それが否定されると今度は「中国語?」と聞いた。縁珠はそれを思わず復唱してしまい、それで確信を得たのかミユちゃんが再び「中国語?」と聞いたとき、縁珠は「キラキラ光るミユちゃんの大きな目から早く逃れたくて…力なく頷いた」のである(b)。感嘆の声をあげるミユちゃんに対して「母が話すのは、中国語、というよりは中国語と台湾語を断片的に繋ぎ合わせたものだ…」と縁珠は思った(c)のだが、それも後の祭り。「中国語!」とミユちゃんが「昂奮したように繰り返していたのを覚えている」(d)。傍線部の「後ろめたさ」はそれに続くのである。以上より「友だちに母の話す言葉を問われた時(a)/複雑な説明を避け(c)/誤魔化してしまい(b)/答えを得たと興奮する友だちを(d)/裏切る結果になったから(→後ろめたい)」となる。

〈GV解答例〉
1.友だちに母の話す言葉を問われた時、複雑な説明を避け誤魔化してしまい、答えを得たと昂奮する友だちを裏切る結果になったから。(60)

〈参考 K塾解答例〉
1.母が話すのは厳密には中国語ではないのに、ミユちゃんにそれが中国語であると誤解させてしまっただけでなく、彼女に自分の答えが正解だったと大喜びさせてしまったから。(79)


2.理由説明問題(回想のトリガー)。回想を考える際の重要な着眼は、視点人物の心情が現在から過去の時空へ飛翔するとき、現在の中に過去と重なり回想を促すようなトリガーがあるということだ。ここではそれが答えに直結する。1️⃣(現在)から2️⃣(過去)への境界で発見されるトリガーの一つは「母の日本語の誤用」(電気を開'け'ないの→ユミちゃん?)。それともう一つ、2️⃣の時点では読者は気づかないが、7️⃣(過去)から8️⃣(現在)へ戻る地点で気づくことがある。それは「友だちへの後ろめたさ/母への後ろめたさ」である。
ただ注意すべきは、読者の立場では「友だちへの後ろめたさ」→「母への後ろめたさ」の順で気づくのが自然だとしても、視点人物(回想の主体)においてはあくまで現在の「母への後ろめたさ」が回想へのトリガーでなければならないということだ。視点人物は1️⃣の段階で「母への後ろめたさ」を感じているか。冒頭部でもうすぐ19歳になる縁珠は、日本人の恋人と会い、夜遅く帰宅する。電気を消したままのダイニング、そこに寝巻き姿の母が入ってくる。「どうして電気を開けないの?」。縁珠は母に笑いかけるが、母は笑わない。「母にとって馴染みのない匂いが、自分の服や髪や皮膚にしみ込んでいるのだろうと思ったとたん、逃げ出したくなった」(1️⃣)。この表現を8️⃣でも「縁珠は、自分の服や、髪や、皮膚に沁みついているであろう匂いのことを思い、電気を点'け'なくてよかった、と心底思う」と重ねていることが示唆的だ。7️⃣→8️⃣とつなぎ、8️⃣を1️⃣と響かせることによって、1️⃣→7️⃣を導く。1️⃣での「日本語の誤用」トリガーは、むしろ「後ろめたさ」(修羅場)トリガーに付随してあり、それらが母が「ユミちゃん」と繰り返し言い違えたミユちゃんへの「後ろめたい」過去を想起させたのである。以上より「母の日本語の誤用を機に/小学生時の母の言い違いを想起した上//今の母への後ろめたい状況が/当時の友だちへの心情と重なったから」。あえて解説に加えなかったが、設問文の「母との関係をふまえて」は大きなヒントとなっている。

〈GV解答例〉
2.母の日本語の誤用を機に小学生時の母の言い違いを想起した上、今の母への後ろめたい状況が当時の友だちへの心情と重なったから。(60)

〈参考 K塾解答例〉
2.日本で台湾人として生きる母と、人生の大半を日本で生きてきた自分との間には抜きがたい隔たりがあり、その母に日本人の恋人と会ってきたことを告げない自分にやましさを感じたから。(85)


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