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楳図かずお先生
小さい頃から本を読むのが好きで、幼稚園でも友達と遊ばずに教室にある本を片っ端から読み、幼稚園の先生が心配して「もっとお友達と遊ぶように」と母親に言ってきたレベルです。
小学校に入っても中学校に入っても同じでした。
私が絵や漫画を描くきっかけになったのは手塚治虫先生で、そのあとありきたりな少女漫画にはまったり、いろんなジャンルに手を出す始末で、やはりボーントゥービーOTAKUだったのでしょう。これは業。
中学時代に知り合った今でいうサブカル仲間に、「楳図かずおの漫画が好きなんだよね」と漂流教室を貸してもらってからドはまり。
まことちゃんは聞いた事はあるけど未読でした。
それから、「わたしは真悟」や「おろち」「洗礼」…あらゆる作品を買って読みました。
ただの恐怖漫画の作家さんじゃないんだ、こんなに深い愛情、憎悪を描写できる作家さんなんだ…と目から鱗でした。
のめりこむタイプの私は、楳図先生が建てたあの赤白ボーダーのまことちゃんハウスの新築祝いだ!とかってに見学に行き、先生が行きつけのお店とやらに行き、楳図先生に会ったらサインしてもらおうと「14歳」をバッグに忍ばせて吉祥寺をぶらぶらしたのにお会いできず。
なぜか関東のオタク仲間は「一度会ったことあるよ」「小さい頃追いかけられた」などうらやましい事を教えてくれて、キィーーー!お前らより私のほうがファンなのに!とギギギ…となったのを覚えています。
ストーカーか。
楳図先生が、「子供ってすごいんですよ」と、とあるテレビ番組で仰っていたんですが、それをたまに思い出します。
「子供って、可能性の固まりなんです。だって、もしかしたらすごい人になるかもしれないでしょ、大人になって。この世界を変えるかもしれないんです。だから、子供は大事にしないといけないんです!」
至極当然の事なんだけど、子供に未来を託す…っていう部分。
「漂流教室」の彼らの事だなあって思いました。
未来に行ってしまった翔達、子供たちがこの世界をきっと救ってくれるっていうあの絶望に満ちた世界観。
子供だって大人だって平等に絶望に打ちひしがれ、死ぬ描写に胸を打たれたアレです。
ネタバレになるのであまりここでは言いません。是非読んでください。
「怖い」という感情は自分の身を守ってくれるんです、という一言も。
「わたしは真悟」のラスト。
あの2人の純真なきもち、踏みつける大人たち、いやもう、こんな描写ができる作家さんっているだろうか。
私が知らないだけでしょうか。
昔からメンタルを抉る作品を描く作家さんが好きです。
その一人が楳図かずお先生でした。
自分の人生観を抉ってくれた方、感情を揺り動かして揺さぶってくれた方です。
ご冥福を心からお祈りします。
そして、ずっとずっと大好きです。