連載 読みたくなる!パワーポイントの作り方 第四回

パワポ屋 ふくみんです。
ブログの連載も四回目になりました。
書こうと思えば続くものですね(笑)

これまでの四回の連載で、資料の「読みやすさ」について考えてきました。前回は、どんな資料でも、読み手にとって「内容に即してレイアウトされている」ことが何よりも大切だというこで、「内容に即してレイアウトされている」には、以下の3つの要素が満たされていることが必要だと述べました。
①視線の流れが意識されている
②情報の要素を揃えた配置がなされている
③レイアウトに統一感がある

この中でもとりわけ①視線の流れが意識されている、すなわち「読み手の視線の動きを設計すること」が重要であり、これを満たすための手法として、資料が横書きなら視線の流れは左上から右下に、縦書きなら右上から左下に動く原則にならい、資料の書き手が伝えたい情報を順に配置していくことを紹介しました。

今回は、この大原則をふまえて、「視線の動き」を導くコツとして、そのなかでももっとも大切で、すぐに効果が出ると私が考えている4つのテクニックについて書いていきたいと思います。

これらのテクニックは、ひとつひとつはとても地味で、決して目新しいものでもありません。しかし、これらを忠実に実行することで、単に読みやすさを向上させるだけでなく、伝えたい情報をどのように配置するかによって、伝わりやすさから、もしかすると伝えたいメッセージの内容まで、ガラッと変わってしまうくらいの可能性を秘めているプロセスであるともいえます。決して大げさでなく、資料の書き手の情報の配置次第で読み手のその後の影響が大きく変わる、そんなエキサイティングな作業ともいえます。

4つのテクニックとは以下のものたちです。

テクニック1「そろえる」
要素を「そろえる」、整列させることはデザインにおいてもっとも重要なポイントです。読み手の視線は文章の流れとともに移動しますが、視線が次の要素にジャンプするとき、同レベルの要素が流れに沿って整列しているかどうかで、読みやすさ(視線の動き方)がガラッと変わってきます。また逆に、意味がそこで区切れている場合、あえてずらしてみることで視線の引っ掛かりを作り、読み手にストーリーの切り替わりを自然に伝えることもできます。つまり、「そろえる」か「そろえない」かで、メッセージの伝わり方までコントロールできることになります。

たとえば、段落が切り替わった時に「行頭一字下げ」をすることがありますね。これは、1文字分のインデントによる視線の引っ掛かりを設けることで、段落が変わったことをより明瞭にする効果があります。かわりに記号などを入れるアプローチもあります。これらはアプローチが違うだけで、目指している効果は同じものです。

要素をそろえることはすべての基本です。意味内容に沿って視線が流れるように、要素の頭や幅などをそろえてあげましょう。これに気をつけるだけで、かなり意味が読み取れるようになります。大事なことは、人間の目で見た時にきちんとそろってみえるかどうか。パワポの機能を信じすぎずに自分の目でよく見て確かめるようにしましょう。

図版やキャプションなどを本文の頭に揃えるだけで、ぐっと整った感じに見えてきますが、それもこのテクニックの効果によるものです。視線の動きが泳がず整えられることで、自然な印象が得られます。

次回はテクニック2「まとめる」について、続きを書きます。お楽しみに♪

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