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レストラン紹介#2 「八ヶ岳えさき」

おすすめ度:5/5

鮎のすりながし

レストラン「八ヶ岳えさき」は、ただの食事の場ではなく、日本料理の真髄を味わうための聖地です。店主江崎新太郎氏は、東京青山で7年連続ミシュラン三ツ星を獲得した後、山梨県北杜市大泉町にこのレストランを開店しました。この移転は、単なる場所の変更以上の意味を持ちます。それは、日本料理の伝統を継承しながらも、新たな境地を切り開く試みであり、その中で生まれる料理は、ただお腹を満たす以上の感動を提供してくれます。

レストランは、自然豊かな八ヶ岳の麓に位置し、その静寂と緑豊かな環境が食体験を一層引き立てます。山道を進んでいくと、突如として現れるこのレストランは、まるで隠れ家のような雰囲気を漂わせています。そこには江㟢氏の情熱が息づいており、彼の料理哲学とゲストへの深い敬意が表現されています。

店舗の設計は、建築家の福田世志弥氏によって手がけられており、料理人と客のために特別に設計された空間は、贅沢で独特の体験を提供します。ここでは、江崎氏一人が最大6人のゲストのために料理を提供し、その細やかな配慮とプロフェッショナリズムが随所に見られます。

「八ヶ岳えさき」の料理は、季節感を重視し、旬の素材を生かした献立を提供しています。中でも夏のスペシャリテ「鮎のすりながし」は、特筆すべき一品です。この料理は、和歌山紀ノ川産の鮎を使用し、内臓と骨を含む全体を潰してスープにするという、非常に繊細で独創的な調理法を用いています。このスープは濃厚でありながら生臭さを感じさせず、一口食べると川のせせらぎを感じるような爽快な体験をもたらします。

江崎氏は、日本料理の伝統を守りながらも、常に革新的なアプローチを取り入れています。彼の料理は、単なる食事を超えた芸術作品であり、食べることの喜びと感動を深く掘り下げています。ここでの食体験は、心に残る感動とともに、日本料理の真の美しさを実感させてくれることでしょう。


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