2gether日本配給のデメリットと怒り
私は今めちゃくちゃに苛立っている。オタクはすぐ切れるからだ。
支離滅裂でも許してほしい。オタクは切れてるからだ。
エゴサしたら顔面がバカデカ表示されてて泣いた。
のでヘッダーつけた。
「2gether」公式配信決定
どうやら”株式会社コンテンツセブン”という韓流、アジア系のドラマを配信している会社からの配給が決定したらしい。
今夏から展開を進めていくとのことだ。
この会社は台湾のBLドラマシリーズ「HIStory3」や中国のBL小説を原作としたブロマンスドラマ「陳情令」の日本配給もしている、実績ある会社のよう。
吹き替えはあるわけないので安心してほしい
一部で吹き替えはしないでほしい、という意見を見かけたが、おそらくそんなことにはならないので安心してほしい。
なぜなら、現在の日本においてタイ作品はそんな金を使うほど大きな市場ではないからだ。
韓国ドラマはファンの母数が桁違いに多く、おそらくそのファン層はF1~3まで幅広い。
そうなると、原作の雰囲気をなるべく損なわずに字幕で見たい人もいれば、字を追うのは大変だから吹き替えで見たい人もいる。
そして吹き替えを用意することにより作品を見てくれる人が増え、収益が増える見込みがあるから準備されるのだと思う。
しかしタイ作品には、声優に賃金を支払ってまで吹き替えを用意するメリットはない。
限られた層、しかも元から作品を知っている人が多い=今まで字幕で満足して見ていた人たちから、吹き替えを求められることは少ないだろう。
そしてわざわざこれから韓流ではなくタイ作品を見ようなんて思う人たちは吹き替えのあるなしに左右されるような人たちではない。
よって、吹き替えなんてものはつかないと思う。
というか今までタイ作品に吹き替えなんてついた試しがないし、「2gether」レベルでは到底そんなお金はでないだろう。
ただし、これは私の経験に基づく予想なので外れた場合の八つ当たりは各々自宅の壁にして欲しい。
よろしく頼む。
結局は金
未だかつてこんなに早く日本配給が決まった試しはない。
あの「SOTUS」ですら何年も何年もオタクが働きかけてやっと配信が決まった。
しかも、続編「SOTUSS」は配信されていないというなんとも不親切設計。
その点、「2gether」は最終回直後に版権が買われ、配信が決まった。
人気があり金が儲かるから、以外の何物でもない。
もちろん、それが仕事なのでお金儲けが出来なきゃ意味がないのは重々に理解している。
しかし、そこには愛がない。お金しか見えてない。それが悲しいのだ。
こうしてまた私たちの大好きなコンテンツが日本の「金至上主義」によって搾取されていく。
最大のデメリット
この公式配給における最大のデメリットは、YouTubeなどで無料配信されている公式動画が見られなくなることだ。
つくづくタイと日本は相性が悪いな、と思う。
以前のnoteでタイBLがここまで流行になった要因の一つとして、この無料配信のことを取り上げている。
しかし、どうやらもうすぐ日本からのアクセスはブロックされるらしい。
(見れる方法はいくらでもあるのだが、堂々と書くわけにもいかないので自己責任で ”Youtube 国 ブロック解除”なんかでググってくれ。自己責任で。)
新規参入において無料配信というのは本当に心強い味方だ。
展開が始まるのは今夏ということなので、少なくともあと1~2か月ほどの期間がある。
その期間中に今の勢いのまま新規を取り込むか、完全に動画を見られなくして数か月待たせるかでは非常に大きな違いだ。
このコンテンツが山のように溢れる世の中で、数か月も経てば興味は他に移ってしまうし、無料で見られないなら見なくていいや、という層は想像以上に多い。
ちょっと1話だけでも見てみてよ、というのが気軽に出来ないのは既存ファンにとっても新しくファンになるかもしれない層にとっても配給会社にとってもメリットなど一つもないのだ。
無料配信で掴んだファンは、必ず配給会社にも返ってくる。
そういえば、過去様々な会社にタイの作品を公式配信してください、という要望メールを界隈のオタクたちみんなで協力して送っていたことがある。
なぜなら、日本語字幕が欲しかったし、公式配信されたら日本のファンが増えてファンミーティングなども開催できると思っていたからだ。
まずは日本のプラットフォームで配信されて作品を知ってもらうこと、それが私たちの目標だった。
しかし、皮肉なことにファンが増えた今は、逆に公式配信が枷となってしまっている。
ポスト「おっさんずラブ」
あんまり関係ないとも言えるし関係あるとも言える話だが、何やら雑誌でタイBLが取り上げられていた記事に”ポスト「おっさんずラブ」”という文言が添えられてあった。
本当に馬鹿にしないで欲しい。
そもそも、男性同士の同性愛作品やそういった表現に対して、なんでもかんでも「おっさんずラブ」を結びつけばいいと思っているその価値感がまず古いし腹立つ。
私は「おっさんずラブ」短編も連ドラ1期も大好きだし、タイBLもこの通り大好きなのだが、どちらのファンに対しても失礼すぎると思った。
日本が「おっさんずラブ」によってやっと小さな小さな一歩を踏み出したか踏み出してないかとやっている数年前、既にタイでは「SOTUS」が大ヒットし、主演のSingtoKristは人気カップルとしてベストカップル賞を受賞している。
その他にもドラマシリーズで言えば「LoveSick」や「Make it Right」、「PuppyHoney」、「together with me」、「2moons」など「おっさんずラブ」以前に作られたヒット作品は数知れず。
むしろ私からすれば、やっとそのレベルに日本が追い付こうとし始めた、くらいの認識だ。
逆だ、逆。
既にポピュラーな作品として作られ続けているタイBL作品のことを何も知らないままに書いたことが、そのたった一文で読み取れる。
既存作品、既存ファンに対する愛があればそんな謳い文句には絶対にならないのだ。
数年前はあんなにタイBLの面白さを知ってほしかったし、みんなと楽しく共有したかったし、ファンが増えて欲しくてたくさん色んな活動をしてきたのに。
ただただ流行するということがこんなにも苦しいことだとは知らなかった。
タイの応援、日本の応援
タイと日本の相性が悪い、と書いたのは応援の仕方の違いにある。
タイの応援は俳優やドラマ内で広告を打たれたものを購入して応援するのに対し、日本はそのもの自体にお金を払って応援する。
例えば、タイはショッピングモールでのイベントは無料で参加できるが、そのイベントというのは大体が企業の宣伝イベントだ。
コスメもあればお洋服もあるし、食品やサプリの宣伝もお手の物。
彼らは基本、広告塔として活躍する。
そしてオタクは推しが宣伝したものを購入して応援するのだ。
一方、日本は自社の製品(多いのはCD、DVD、写真集など)を宣伝するために自分たちでイベントを開く。
そしてオタクは推しのグッズなどを買い応援する。
つまり、スポンサー制度ではないのだ。
あぁ、だんだん何が書きたかったのかわからなくなってきた。
とにかく、タイのお金の流れは”スポンサー→推し”で、日本のお金の流れは”オタク→推し”という図だ。
この日本式のお金の流れをタイ作品に導入してしまうと、私たちはお金を支払わないと推しが見れない(=タイ公式のやり方に背く)ということになり、公式動画もブロックされてしまう。
今までインターファンなりに、郷に入っては郷に従えで彼らを応援してきたのに、急にその応援方法が日本公式によって潰される。
悲しいことだ。
「2gether」に日本公式配信は必要なかった
極論を言ってしまえば、私が言いたいことはこれなのである。
今まではファンが、もっと色んな人に知って楽しんで欲しくて宣伝して、愛を持って慣れないなりに字幕を付け、みんなでなごやかに楽しんでいた所に、急にお金の匂いを嗅ぎつけた日本企業に割って入られた気分だ。
この作品が面白いからもっとみんなに知ってほしい、という純粋な気持ちではなく、今熱があるうちにファンからお金を搾取しようという魂胆が丸見えだな、と版権取得のニュースを見て私は思った。
なぜなら、日本配給なんてなくても十分にファンは増えたしみんな楽しんでいたからだ。
私が以前のnoteや今回のnoteを書くにあたって重要視していることは作品に対する”愛”。
例えば、いち早くアジアBLの配給を始めたアジアドラマチックTV(バラどら)なんかは、とにかくスタッフの宣伝文句から何からすべてが愛に溢れていた。
ツイッターの運営をしている方も実際にアジアBLが好きな方のようで、一人でも多くの日本にいるアジアBLファンに作品を楽しんでもらいたい、という気持ちが伝わってくる。
しかし、件の「配給権取得のお知らせ」という一連の記事などからは、残念ながら私は作品に対する”愛”もタイBLファンに対する”愛”も、まだ見ぬ視聴者への”愛”も感じられなかった。
唯一のメリットと言えば日本に呼びやすくなることだが、この配信がなくても全然余裕で日本に呼べる。
「2gether」流行前、つまりはオタクがとんでもなく少なかった時ですら色んなタイ俳優たちを呼んだ実績があるからだ。
ということで、私からすればこの日本公式配信には一切のメリットがない。
私たちの日々の楽しみを奪うのはやめてくれ。
ファンが増えれば増えるほど、お金の匂いにつられて企業がやってくる、悲しいな。
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