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鹿児島再訪の旅-③-前編

鹿児島の旅もいよいよ最終日。
2泊3日なんてあっという間だ。
ひと月くらいゆっくり旅がしてみたい。

ゲストハウスのリビングのテーブルが素敵

今回朝食はコンビニで済ませた。
朝早くからやっているお店もないし、朝早くに出かけてしまうから、ちゃんとした食事が出来ないのは仕方ない。
あと節約ね。

今回は一度も乗らなかった鹿児島市電
ゲストハウスのお隣は天然温泉の銭湯

初日は佐多岬、2日目は犬の白浜と、割とシンプルなプランだったけど、最終日のこの日はいろんな場所に行く盛りだくさんな内容だ。
薩摩川内市やさつま町や霧島市の内陸部を巡るドライブだったのだけど、朝チェックアウトする時にオーナーの明美さんとちょっと話し込んで出発が遅れたのと、行き先を急遽変更したりで、予定通りには周らなかった。
決めた予定に縛られないで気ままに行動することの方が大切だと思う。
敷かれたレールを走る青春なんてごめんだぜ(笑)

最初の行き先は薩摩川内市にある入来麓(いりきふもと)武家屋敷群。
鹿児島をルーツにする友人から鹿児島に行くなら知覧の武家屋敷がおすすめだよと教えてもらい、いろいろ調べたら鹿児島にはいくつかの武家屋敷があることが判った。
その中からこの日のルートでちょうど良かったこちらを選んでみたのだ。

穏やかな秋晴れ(気温的には夏だけど)の桜島

入来麓武家屋敷群に行くには市内のゲストハウスからほぼ北にまっすぐ走れば最短距離なんだけど、東に逸れて海岸沿いに姶良市から迂回するルートを選んだ。
海が見たかったし、前回ここの海岸線を走って気持ちよかったからだ。
これが結果的に良かった。
桜島も観れたけど、それ以上に姶良市に出来たばかりの日帰り温泉の福如雲(ふくぐも)を見つけることが出来たので、気まぐれは功を奏したわけだ。
かなり迂回なのに遠回りの割には15分くらいしか余計にかからない。

入来麓武家屋敷群の付近の飲食店を探した時に2軒の気になるお店を見つけた。
どちらも捨てがたい魅力のあるお店で迷ったんだけど、そして郷土料理のお店より台湾のお店を選ぶ意味が分からないのだけど、何故か敢えて「台湾屋台×カフェ みのり」を選んでしまった。
武家屋敷に行く前にランチすることにしてそちらに向かった。

魯肉飯
豆花
阿里山金萱茶

お店に入るとチャイナドレスを着た若い女子がいた。
オーナーなのかバイトなのかはわからない。
写真の3点をオーダーする。
台湾で散々食べた魯肉飯はお気に入りの台湾料理だ。
最近は時々コンビニでも売っているけど、これじゃない感が甚だしくて悲しい。
しかし、ここのは割と現地に近いもので美味しかった。
豆花は現地では食べなかったので比較は出来ないけどかなり濃厚な味だった。
お茶はポットサービスとメニューにあったけど、まさかの冷たいお茶までポットで出てくるとは思わなかった。
それにしても謎のお店だ。
営業時間は10時から22時で昼夜通しで、しかも定休日は月に1回くらいしかない。
何人かスタッフがいるんだろうか?
店内に落書きコーナーみたいな壁面があってそこに店内BGMのリクエスト曲が書いてあったけど、そこには今時なJ-POPとかの曲が並んでいた。
台湾っぽさないなー(笑)
台湾ポップスの曲をリクエストしてくれば良かったな。
メニューも台湾のものだけじゃなくて普通のものの方が多い。
そもそもチャイナドレスって台湾じゃなくて大陸のものでは?
近くには入来温泉とか高校とかあるけど、決して周辺人口の多い地域じゃないのに、不思議なお店ではある。
夜はお酒も出すので、地元の酒好きが居酒屋感覚で利用するのかな。
当たりとは言い難いけど、されどハズレとも言い難い微妙なお店だった。
久しぶりに台湾料理を食べれたから良しとしよう。
ランチした後は近くの武家屋敷に向かう。
無料の駐車場にラパンを停めて案内所でパンフレットをもらったりアドバイスを受ける。

玉石垣
石造りの蔵
かやぶき門
民家の庭先に可愛いうさちゃんが
旧増田家住宅
石敢當
旧増田家
こちらは「うちざ」と呼ばれる接客の間
囲炉裏とお魚の自在鉤
向かって左の棟は天井がなくて吹き抜け
壁は隙間だらけ
左右の棟の間には竹の樋が渡されている
その室内側
ここは雨が漏ることがあるので床は板敷になっている
釘隠し
釘隠し
茅葺屋根の断面
五右衛門風呂
なんとお洒落な和式便器!
でも便器なんだよね〜
でも汲み取り式なんだよね〜
名残の百日紅

旧増田家にはガイドさんが常駐していて案内してくれた。
ここの武家は武家と言っても普段は農民で生粋の武士ではないそうだ。
増田家は眼科医だそうでここで診察を行なっていたとのこと。
連接した2つの棟は向かって右が「おもて」で左が「なかえ」となり、「おもて」は主人が生活する場であり接客の間で、「なかえ」よりも一段高くなり天井も張られてる。
それに対して「なかえ」は竃のある土間と囲炉裏のある畳の部屋で、こちらは女性や子供の居住空間になる。
天井はなく吹き抜けになり畳の下も簡素な造りになっていて、今ならジェンダーギャップで明確な性差別ではあるけど、時代性の問題なのでそれは仕方ないことだ。
しかも九州、特にこの地方は男尊女卑の本場だからね。
他に誰も来なかったので写真も撮り放題だったし、ガイドのおじさまからいろいろお話を聞くことが出来て充実した滞在になった。

石敢當を実は知らなくてスマホで撮った画像を見せて尋ねたら、道の丁字路などに置いて魔除けにする物だと教えてくれた。
読み方は「せっかんとう」と教えてくれたが、Wiki先生によると「いしがんとう」「いしがんどう」「せきかんとう」など様々な読み方があるそうだ。
中国福建省南部が発祥の地とのこと。

ここの武家屋敷に関しては案内所で概要を把握した時にがっかりした。
武家屋敷がずらっと並んでいる景色を想像していたからだ。
なんとなく金沢や京都や鎌倉のイメージ。
だけど純然たる武家屋敷でもないし、旧増田家くらいしか保存されている建物はないし、後はかやぶき門だとか玉石垣とか清色城跡くらいしか見るべきものがない。
予定を変更したこともあり、ここで余り時間を費やすわけにいかないこともあって、旧増田家を見学してこちらはおしまいにすることにした。

でも、旧増田家は明治期の民家の様子が良く解るし、歴史の重みも感じられたので、わざわざプランに入れたことを後悔はしなかった。
ここに来るまでは全く知らなかった場所だし、ちょっとした偶然で少し知識と経験が増えることは嬉しい。
何より実地で得た知識は書物やネットで知った時より重みが違うと思う。
恐らく知覧の武家屋敷の方が見どころはたくさんあるのだろうけど、ここはここでしかない魅力があるはず。
安易にがっかり観光地などと無責任なレッテルを貼ることだけは慎みたい。
犬の白浜だって勝手に映えスポットとして期待しすぎたからこそ、初めはがっかりしたけど、それなのに午後に予定を変えてまで再び訪れてるし(笑)

長くなりそうなので、この後のことは後編にする。

後編に続く。

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