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本棚

私の本棚は、母がいつかのクリスマスに買ってくれた棚である。本棚として使っているだけで本当は棚なので、文庫本だと2列で入る。淡い水色と白のシャービックな可愛い棚。少しずつ集めて、今では同じシリーズの箪笥とテーブルと食器棚がある。

私は文庫本を読むことが多い。買うときはいつも装丁が好きなものを選んで、裏表紙の文章を読む。読みたかったら手に持って次を探す。大体いつも5冊くらいまとめて買う。平穏な日常なんか過ごしていないので、なるべく穏やかなものを探す。登場人物が可哀そうになっているものはダメ。せめて味方がいないと。どんな状況でも、登場人物が幸せであればそれでいい。例えば病気でも、お金がなくても、夫に彼氏がいても。

サスペンスや嫌な人間が出てくる小説が好きな人は、日常が平穏なんだと勝手に思っている。それか、まったく感情移入しないか。

私の本棚は作家の五十音順に本が並んでいる。本屋さんのように出版社は分けていないけれど、番号順は守る。私の本棚は2列になっているので、最近だとタ行あたりまでの作家の本を買うとしまうのが大変になっている。ほとんど空きスペースがない本棚は、1冊入れるとなると何冊も本を動かさないといけない。ア行は1番上の奥の列、ナ行から手前の列、ヤ行になると別のスペースに移動になる。私にとって特別な江國香織さんの本は別スペースに分けてあるけれど、こちらも2列になっている。この話を友人にしたら「かなちゃんらしいね」と笑われた。

いつか、この家を出ることになったら、
天井まで届く大きい本棚を買うかも知れないけれど
今はこの可愛い不便な本棚で大満足している。

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