2020/05/20 視点の転換/思いがけない展開
仕事の話。
気心知れた先輩と話していたとき、はっとする言葉を彼は言った。それは「責任ある仕事を任されるのはしんどいけど、この職場で大事に思われているということなんやと思う」というものだ。
さすがに自分の仕事を日々「やらされる」ものだと考えてこなしているわけではないけれど、先輩のように捉えることもなかった。
非常勤講師だったときも含めて、ここ10年ほどはずっと高3の授業を担当してきた。中高それぞれの学年には発達段階に応じてそれぞれに必要なこととそれに対するスキルがあるので、どの学年を担当したからといって優劣がつくわけではない。しかし、生徒の重要な節目である進路選択に関わることとしては当然のことながら、私立学校だからこそ余計に重要な進学実績に関わる高3の受験指導を任せてもらうことの意味はそれなりにある。だから自分が長い間高3を担当したことは、自分が多少なりとも頼りにされているのだという自信にはなった。けれど、それを「大事に思われている」というふうに考えたことはなかったので、驚いた。
日々仕事をしていれば、色々腑に落ちないこともあるし、釈然としないまま仕事をすることだってある。しかもそれは結構多い。それでも続けているのは、目の前の生徒のためだったり、職場が学校として今よりもよくなればいいと思う気持ちがあったりするからだ。教員として救ってもらった恩義のようなものも個人的にはある。そういう自分の思いはあくまで自分のもので、自分がどう思われているかは考えたことがなかったと、今日の先輩との会話で気がついた。
そんな話になったのは、(詳しくは書けないのだけれど)わたしにとっては思いがけない展開があったから。本当に自分がこれからどういうふうに教員として働くのかまじめに考えねばなあと、大きな宿題を一つ与えられた感じだ。とはいえ、目の前にある日々の一つずつに誠実に向き合うしかないのだけれど。