2020/02/21 純喫茶/親戚のような
朝、大阪に戻る。
映画館でモーニングショウを1本を観た後、少し遅めの朝食を「純喫茶アメリカン」でとる。ケチャップ味のホットサンド。子供の時分によく食べた、祖父がバウルーで焼いてくれたものに似ているような気がした。そんな懐かしい味。一緒に飲むのはホットミルク。
普段の生活の中では家や職場で簡単に済ませてしまって、朝食を外でゆったりととる機会はなかなかない。だから、たまにやってくるこういう機会は楽しみたい。
作家・柴崎友香さんが以前大阪の素敵な建物を紹介する中で「純喫茶アメリカン」を取り上げていたのを思い出して訪ねることにした。絨毯を敷いた階段、シャンデリア、花の形を模した電灯、波打つ壁と目玉模様。ずっと気になっていた店なので、訪ねる機会ができてよかった。
夜は、この間も会った友人M氏と約4年ぶりに会うF氏と3人で食事をする。F氏もM氏と同じく、前任校で4年間一緒に働いた元同僚だ。
懐かしい話もたくさん、今の楽しい話もたくさん、おいしいものを食べながら色々な話をした。F氏は年賀状くらいしか近況報告をしていなかったのに、話し出したら昨日も会っていたかのようになった。それが嬉しかった。それなりに年を重ねていくと、数年の隔たりはたいした隔たりだと感じなくなるのかもしれない。
食事のあとも話は続いて、場所を変える。夜の喫茶は「純喫茶スワン」を訪ね、好みの甘味を頼んで話し続ける。先の店でも聞いたけれど、この店でもM氏とわたしとのやりとりを「親戚みたいだ」とF氏は言った。わたしからすれば、彼とM氏との様子も同じく親戚のようだ。それもなんだか嬉しかった。仕事で知り合った人へそこまで親しみを持つことができる質ではないと自分自身は思っていたので、そんなふうな付き合いが彼らとできていることが、少し照れくさいけれど、嬉しかった。
この気持ち、たっぷりのホイップが添えられたプリンやアイスを食べたときに感じる親しみや懐かしさに近いのかも。