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2019/12/19 「ニ」の擬態
文字や言葉のことが気になる。
学生の頃は、中古・中世の漢字や片仮名を中心とした表記の問題に取り組んでいたこともあり、文字の話が好きだ。古今を問わず文字の話は気になって仕方がない。街中や本の中で、珍しい言葉や文字を見つけるのも楽しい。
今日見つけたのは「ニ」の擬態。冒頭の写真はおしゃれ重箱(三段重)の紹介文の抜粋です。本来ならば、「一の重・二の重・三の重」となるはずが、「ニの重」になっている。「ニ」が片仮名になっている。
片仮名「ニ」と漢数字「二」は、書体によっては本当に見分けにくい。見分けがつかないこともある。それはそうだ。だって、片仮名「ニ」の字母が「仁」だといっても、片仮名「ニ」になった「仁」のおしまい2画は漢数字「二」なのだから。
わたし自身も学生の頃に同じ変換ミスをしたことがある。そのとき以来、漢数字を表示したいときにはあえて算用数字から変換するようにしている。もっとも、最近のワープロソフトでは文字種の違いだけでなく、「全角・半角」の字幅の違いも変換時に教えてくれる。だから、慌てさえしなければ問題ないはずだけれど、変換の仕方は染みついた癖だ。
店頭の商品説明を熟読する人などあまりいないだろうし、説明文の意図することは通じるから別に構わない。問題は、わたしはこの店にプレゼントのための、かわいいアイシングクッキー(クリスマス仕様)を買いに行ったのに、「『ニ』の擬態! おもしろい!」とにわかに一人で盛り上がってしまい、本来の目的を忘れて店を出てしまったことだ。むむむ。
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