2019/12/13 分かち合うもの
同僚のS先生から贈物をいただく。
彼女が言うには「しばらく前から渡そう渡そうと思いながら、渡せてなかったんです」とのこと。気になるので、その場で開けさせてもらった。中身は、スターバックス製のペンギンコースター。雛っぽいペンギンはマグネットで氷に見立てたコースターの上に立たせることができる。そして、お便り。素敵な贈物に、思わず声が出る。
学校というところも(おそらく)他のところと変わらず、様々な人が関わり合って成り立っている。成長段階にある中高生が多くいるいうことで、関わりかたは大人だけのコミュニティよりも、距離は近く、密なものであることが多いと思う。(他業種のことは知らないので、なんとも言えませんが。)近く密な関わりの分、嬉しいことも多いが、やはり大変なことも多い。
先のコースターは、S先生が買物をするのにあれこれ見ているときに、偶然見つけたのだそうだ。「ペンギンということは、すなわち……!」と思い出してもらえるのが嬉しい。少し前、S先生が仕事上のことでかなり大変だったとき、クッキーの差し入れをしたことがある。もちろん差出人の名前は書いたけれど、彼女の机にそっと置いておいただけだ。今回のペンギンコースターはそのお礼だという。
もちろんペンギンの贈物は嬉しい。でも、じーんとしたのは、添えられたお便りだ。その文面から、以前の差し入れを彼女が喜んでいてくれたことが分かったのはもちろんだけれど、「おやつにどうぞ」のメモくらいしか添えていないクッキーを置いたときのこちらの気持ちが想像以上に伝わっていたことが嬉しかった。これは、同じ仕事をしているが故にできる共有のおかげだろう。
つきあいの長い同僚の言葉で印象的だったものがある。昔わたしが仕事の上で困り事を抱えているときにかけてもらって、嬉しかった言葉だ。
「つらさを分け合えば半分になるし、うれしさを分け合えば倍になる」
理屈としてはおかしいのに、でも妙に納得してしまう実感があって、今でも時々ふと頭をよぎる。S先生のことで言えば、半分なんてとても言えないし、ほんの少しでも彼女のつらさを紛らわせる助けになっていたのなら、それで十分。