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きょうのできごと

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2019年の立冬から書き始めた日記をまとめています。おおむね翌日6時更新。
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#本

2020/06/17 「モノ」としての本の楽しみ

2020/06/17 「モノ」としての本の楽しみ

ここ数年、初回の授業では自己紹介として、自分の略歴と好きなものについて話をして、本を紹介するという型が定着している。

今年度生徒達に紹介したのは2冊。筒井康隆『残像に口紅を』(中公文庫)と泡坂妻夫『生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術』(新潮文庫)だ。今年度担当するのは日常の学習ツールとしてタブレット端末を使っている学年で、電子書籍で読書をする生徒もいるので、あえて「モノ」としての本を楽しむこ

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2020/02/19 集めたい/本の森で迷子

2020/02/19 集めたい/本の森で迷子

昔から蒐集癖がある。
シリーズで出ているものであれば、すべて揃っていると嬉しい。子供の時分から続いているのは、本とペンギン、CDだろうか。大人になってから、ここにわずかな美術作品が加わる。

特に、本は全集が好きで、幼い頃、自宅には『ディズニー名作絵話』全24巻(講談社)、祖父の家には『世界の童話』全50巻(小学館)があって、いつでも好きなものを選んで読めることが嬉しかった。文字も読めない頃から、

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2020/02/17 図書館のはしご/意欲と段取りの問題

2020/02/17 図書館のはしご/意欲と段取りの問題

昨日の続き。

「ヴァレリーの詩」と言われるもので、新聞で言及されているものが実際にどのようなものだったのかを確かめるために、勤務校系列大学の図書館へ向かう。予約した筑摩書房版『ヴァレリー全集』も受け取る。

ところが、中高教員ではデータベース検索はできないと言われてしまう。契約の都合だとか。そもそもこの図書館には一台も検索用の端末が設置されていない。利用者は自分の端末でOPACの検索をする。学生

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2020/02/16 引用と出典/ポール・ヴァレリー(1)

2020/02/16 引用と出典/ポール・ヴァレリー(1)

「『人は後退りするように未来へ進む』みたいな言葉、誰が言ってたのだったかな」――きっかけはそんなものだ。

有名な箴言ならすぐに分かるだろうと踏んで、ネットで検索してみる。案の定、フランスの作家ポール・ヴァレリー(Ambroise Paul Toussaint Jules Valéry, 1871 - 1945)のものらしいと出た。ただし、ボートの比喩は記憶になない。ざっと検索する限りでは、「ポー

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2020/01/16 ある複製本の思い出

2020/01/16 ある複製本の思い出

今年から、ここ10年ほどできなかった自分の勉強を再開することにした。先日そのために必要となりそうな本を古書店でまとめて購入した。

その中のひとつが今日届いた複製本だ。貴重な古典籍は実物そのままの姿を再現した複製本が作られることがある。ただしその数は決して多くない。限定部数で発行されるのが常だ。

手許に届いたものは、上中下三巻を収める帙こそ少し褪色しているものの、大きな傷みはない。解説も付属して

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2020/01/02 本読む暮らし

2020/01/02 本読む暮らし

昼にかけて、箱根駅伝(往路)をテレビ観戦する。ここ数年の勢力図が大きく変わる展開にはらはらする。万全を期しても、思い通りにいかないことがあると改めて思う。人の走る姿は格好いい。

初詣も済んでいるので、ずっと家にいる。昨夜録画した細野晴臣さんの「イエローマジックショー 3」を途中まで見た。途中で母の見たい番組が始まるというので、残りはダビングしたものを家で見ることにする。

夕食後、千葉雅也『デッ

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2019/12/16 経験のつみたて

2019/12/16 経験のつみたて

司書のKさんとの話。

Kさんはその職業柄もあれど、個人としても「かたい本」にも「やわらかい本」にも通じているので、話していてとても楽しい。出会ってまだ半年余りだけれど、わたしの好みそうな本が入ってきたらすぐに教えてくれるのもありがたい。お仕事の邪魔をしない程度にKさんのところへ話をしに行く。

登録待ちの本の山を前にして「仕事の本もそうだけれど、個人的な読書もここのところできていなかった」とKさ

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2019/12/11 挨拶はむづかしい

2019/12/11 挨拶はむづかしい

期末考査後、高3の生徒が数日ぶりに登校する。答案返却とホームルームの午前。すべきことをまとめて片付けようと予定を入れるので、何かと慌ただしい。あっというまに時間が過ぎる。

4限は学年全体で体育館に集まった。主任によれば、学年全クラスが揃ってゆっくり時間をとって話をする機会は最後なのだそうだ。3学期にも数日の登校日があるし、卒業式の予行もある。でも、それぞれに予定と段取りがあるので、話をするための

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