受け継ぐということ
昨日は南青山のジマジンというお店でやっていた、廣木光一バンドのライブに行ってきました。私は2001年から廣木光一さんにギターを習っているので、かれこれ四半世紀近くの弟子ということになる。
コロナ禍を挟んでの久々のライブ。たっぷり音の洪水を浴びて、帰宅してから、なんとなく頭に浮かんだフレーズをギターで弾いてみた。そしてぼんやりと、「受け継ぐ」ということについて考えてみた。
私のギターは下手の横好きレベルで、廣木さんからしてみれば不肖の弟子以外の何者でもないと思うのだけど、それでも、廣木さんのライブに行き、何かを受け取っている。受け取っているからこそ、なにがしかのフレーズを思いついたり、ギターを弾いたりするわけだ。
このことは、音楽だけではない。仕事でも、スポーツでも、勉強でも、あらゆる分野で、人は何かに触れ、何かを受け継いでいる。そのことの大きさに比べれば、遺伝子の受け渡しなんていうのは些細なことに過ぎないとも感じる。
自分が担当した書籍。自分が編集した動画。そうしたものを読んだ人、見た人が、それによって刺激を受け、行動を変える。そういうことが、人が生きるということそのものなのかもしれない。
そうそう。受け継ぐといえば、僕の仕事人生は、この人から始まったといっても過言ではない。
医学書院の編集者、白石正明さんが、この春に定年を迎える。
それを記念して発行されるのが、雑誌『精神看護』の特集号だ。
精神看護2024年3月号 白石正明さん(編集担当)が主観で解説する シリーズ「ケアをひらく」全43冊
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編集者の名前が雑誌の特集タイトルになるのは「普通ではない」のだけど、それは白石さんが「普通ではない」編集者なのだから仕方がない。
僕の編集者人生が、白石さんの近くで始まったことは、本当に幸運だった。願わくば、僕の仕事が、次の誰かにとって、何かの刺激になればいいのだけど。
アイデアを形にする教室
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