「マーケティング5.0」が何かを予想する
「マーケティングの神様」の異名を
とる、フィリップ・コトラー。
そのコトラー教授が、来月開催の
オンライン展示会において、
基調講演をするらしい。
そのテーマが、こちら。
マーケティング5.0 ‐ 新時代のマーケティング ‐
そもそも、
「マーケティング1.0」とは何か?
「2.0」「3.0」「4.0」の方は?
ということが分からないと、
「5.0」が何なのか、
さっぱり見当もつかない。
コトラーの原著にあたるまでもなく、
ネット上にこの辺の話をまとめて
くれている人も多いが、
私の手元にあるこちらの本から
エッセンスだけ少し拝借する。
【マーケティング1.0】
製品中心。
マーケティングという言葉が使われ
始めた初期の頃の、需要を満たす
ために製品を作って供給するという
シンプルな考え方。
【マーケティング2.0】
消費者志向。
売り手が売りたいものを作るのでは
なく、買い手の欲求に合わせて、
彼らが買いたいものを作って売る、
という消費者中心の考え方。
【マーケティング3.0】
価値主導。
大抵のモノはお金を出せば買える時代
となり、消費者は製品そのものに加え、
例えばどんなビジョンで作られたか、
環境に対する影響はどうか、といった
社会的価値や企業姿勢にまで注目する
ようになったことを踏まえた考え方。
【マーケティング4.0】
接続性の時代。
ネットの常時接続が当たり前となり、
SNSが社会に深く浸透した今、
オンラインとオフラインを自在に
行き来する消費者が、自分らしさ、
自己実現を目指して消費活動を
行うことを踏まえた考え方。
3.0までは比較的理解しやすいが、
3.0と4.0の境目が少々曖昧な感じが
個人的にはしている。
そのため、実は上記「4.0」の説明に
関しては、「1.0」~「4.0」の区分を
マズローの欲求5段階説にあてはめて
解説をしている下記サイトの発想を
援用させてもらった。
そして、このサイトの分析を
要すれば、
「1.0」と「2.0」は物質的欲求に、
「3.0」と「4.0」は精神的欲求に、
それぞれ相当するということだ。
なるほど、非常にすっきりと
理解しやすい。
となると、である。
「5.0」の行き場がない。
さて、コトラーさんは一体どんな
理屈をもってして「5.0」を語る
つもりなのだろうか。
「1.0」から「5.0」という発展段階を
語る、全く別ジャンルの議論として、
内閣府のサイトにこんなものがある
のを発見した。
「Society」は「社会」である。
冒頭の文章をそのまま引用する。
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
サイバー空間と現実空間がハッキリと
分離されている情報社会(4.0)の
現実を踏まえつつ、既に始まっている
両者の融合が高度化した状態を指して
「5.0」と呼ぶようである。
この内閣府の議論に着想を得て、
今回の話に援用すると考えるならば、
【マーケティング5.0】
常時接続のその先へ
オンラインとオフラインの垣根が
より一層あいまいになり、
ビッグデータやAIによる便益を
世の中が広く享受できることで、
消費スタイルが新しい次元を
迎えること。
という感じになるだろうか。
自分で書いておきながら言うのも
なんだが、まだこれでは抽象的に
過ぎて、今ひとつピンとこない。
コトラーさんがどこまで具体的な
話を展開してくださるのか、
今から興味深いところである。