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販売促進はマーケティングか?

昨日は、6ヶ月にわたって実施して
きた主催セミナー(第3期)の最終回。
テーマは「Promotion」だった。

「Promotion」を直訳すると、
「販売促進」となる。
お客様に、購入の最後の一押しを
するイメージが一番近い。
例えば、「今だけ〇〇円オフ!」
とか、「2つ買うと1つおまけ!」
のような販促は、直接購入を後押し
する分かりやすい「Promotion」
だ。

実際には、お客様の直接購入の場面
のみに限らず、購入に至るまでの
パーチェスファネルの各段階に
おいて、お客様が次の行動に移る
率を高めたり、ファネルそのものの
幅を広げようとすることはすべて
「Promotion」に該当する。

より具体的に言うと、
より多くの人の認知度を高めたり、
より多くの人の興味を喚起する、
他社との比較をするにあたって
自社に有利な情報を提供する、
そういったこともすべて
「Promotion」だと言える。

前者の「Promotion」、すなわち
直接購入を後押しするタイプの
ものは、「マーケティング」と
いうよりも、「販売」「Sales」の
意味合いがかなり濃い。
そうなると、
「マーケティングとは、
 販売を不要にすること」

というドラッカーの有名な言葉と
何だか相容れない。

実際のところ、販売促進などせずに
購入してもらえるビジネスが、
美しいビジネス
だと言える。
そして、そのようなビジネスこそ、
マーケティングが本領を発揮した
姿だと言ってよい。

お客様の心を理解し、
口に出してくれているニーズを
満たすのはもちろんのこと、
口に出さない潜在的なニーズをも
汲み取って、それを満たそうと
チャレンジすることが、
マーケティングの目指すべき
ところ。

ニーズを満たせると気付いた
お客様が、喜んで対価を払って
買ってくれる
、そんな状況を
つくること。
そういう状況を、長期継続的に
維持できる仕組みをつくりあげる

こと。

そういった、マーケティングの
王道的なことを全うした上で、
最後の手段として販売促進を
行うことは、マーケティングとは
言えないのだろうか?
いや、決してそんなことはない。

確かに、買わなくても良かったのに
店員に促されてつい買ってしまった
とか、安かったからつい余計に
買ってしまったとか、そんなことも
あるだろう。
しかし、最後にお金を払うところで
「どうしよう、どうしよう?!」
迷っている子羊の背中を、優しく
ポンッと押してあげるのは、場合に
よっては親切
だろうと思うのだ。

その「親切」によって、お客様は
何らかの嬉しいことを手に入れる
からであり、お客様の幸せに
少なからず貢献するからである。

逆の言い方をするならば、
お客様に嬉しさを提供できない、
お客様の幸せに貢献しない、
そんな販売促進だとしたら、
それはマーケティングと呼んでは
いけない
のだ。

少なくとも、自分が手塩にかけた
製品・サービスが、お客様を満足
させ、嬉しさをもたらし、幸せに
つながる、そのことを心底信じて
いるのなら、販売促進万歳!
なのである。

青臭い話に聞こえるかもしれない。
今どき流行らないかもしれない。
それでも、このような倫理的な
態度を伴ってこそ、マーケティング
は真の価値を発揮するはず

そのように考えるのだ。

マーケティングで、
世の中をより素敵な場所へ。

セミナーで、学んだことを活かすぞ!
と抱負を述べてくださる皆さんの
顔を見ながら、一人でも多くの方に
マーケティングの魅力と価値を
伝え続けていきたいものだと
しみじみ感じた秋の夜だった。



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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。