セールス「&」マーケティング
一昨日登壇したイベントで、
「マーケティング一筋20数年」
との挨拶をした。
実際、20年以上にわたって、
マーケティングという名前を冠する
部門や職務に関わり続けているのは
事実である。
とはいえ、「一筋」というと、若干語弊が
あるかもしれない、と思わなくもない。
一時期、サプライチェーン(物流)に絡む
仕事にも携わったし、セールス(営業)の
仕事もしてきた(している)からだ。
私の個人的な思いとしては、
営業だろうと総務だろうと、
経理だろうと人事だろうと、
物流だろうとITだろうと、
みんなが「マーケティング」の
考え方をマスターし、
常に「マーケティング」を意識
した仕事をするようになれば、
会社はどこも元気になるはず!
そう思っている。
その意味では、自分は堂々と
「マーケティング一筋!」
と言い張っても良いのかもしれない。
外資系企業でたまに見かける部門名に、
「セールス&マーケティング」
というのがある。
セールスは「営業」とか「販売」であり、
マーケティングは「売れる仕組みづくり」
といったところ。
車の両輪だから、ということで、
同じ組織にしているのだと思われる。
しかし、実のところこれら二つの仕事に
求められるスキルやマインドは、
かなり異なると言って良い。
セールスは、やはり売ってなんぼの世界。
「クロージング」即ち販売を最終的に
完結できてこそ、評価される。
グイグイと押しが強いにもかかわらず、
それをあまり感じさせないほど、人との
コミュニケーション力に長けている。
そんな人間的魅力にあふれた人が、
「君が言うなら」とばかりに買って
もらえるイメージだ。
マーケティングにも、コミュニケーション
力はもちろん求められるが、
どちらかと言うと強いリーダーシップの
方がより求められる気がする。
プロデューサー的に、様々な部署の人を
動かして、売れる仕組みを着々と構築
できる人が成功するイメージである。
ここでも何度も引用した、経営学の泰斗、
ドラッカーの名言
にある通り、正しいマーケティングを
実践できれば、理想的にはセールスが
要らなくなるはずだ。
ところがどっこい、なかなかそんな理想に
たどり着けるものでもない、というのが
多くの会社組織にとっての現実だろう。
最終的には、霞を食べて生きるわけには
いかない会社にとって、それなりの売上を
上げることが至上命題となるわけで、
マーケティングだけでは売上が十分に
立たなかった穴を、セールスでカバーする
ことが必要になる。
正しいマーケティングを実践しつつ、
「&」の精神でセールスも実践する。
マーケティングの効果がじわりじわりと
効いてくれば、セールスの割合を減らす
ことができるだろう。
逆に、効き目が出ずに、苦しくなって
セールスの割合を増やしてしまう。
そんな落とし穴に陥らぬよう、
注意が必要だ。
「正しい」マーケティング、
基本のマーケティングを学びたい人
向けに、これまで2年続けてきた
私の主催セミナー。
4月より第5期を開講する。
セールスに逃げずに、売れる仕組みを
作っていきたい。
そんな人たちに、是非受講して欲しいと
思っている。