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会社にとって利益とは何か

こちらのnoteで頻繁に取り上げ
させていただいている、
伊那食品工業の塚越寛名誉顧問。
その塚越さんは、会社にとっての
利益を「ウンチ」だと言う。

『青天を衝け』の主人公である
渋沢栄一翁は、利益のことを
「カス」だと言った。
その「カス」に対して、
塚越さんは「ウンチ」である。

但し、両者いずれも、
「健全な経営を行った結果として
生じるもの」

という意味でこのような比喩を
用いた。
決して、汚いとか、意味がないとか
いうことを意味するものではない。

酒を造ればカスが出る。
人が生きていれば必ず排便する。
そのように、何らかの活動を全うした
結果として必ず出て来るもの
だという
ニュアンスなのだ。

この比喩と同じ位、あるいは
それ以上に的確な比喩がある。
オムロンの創業者、立石一真さんに
よるものだ。

立石さんは、利益は「息」のような
ものだ
、と言う。
生きていく上で、息をしないという
選択はない。

必ず息をする、しなければ死んで
しまう。

それと同じで、会社は利益をあげ
なければ生きていけない。

必ず利益をあげなければならない、
そうしないと倒産の憂き目にあう。

しかし、同時に、会社は利益を
あげる目的で活動しているのでは
ないこともまた、明白
なのだ。
それはあたかも、人が息を吸う
ために生きているのではない、
ということと同じである。

朝起きて、
「さぁ、今日も息を吸うぞ!」
と活動し始める人はいないだろう。
ひたすら惰性で生きている、
究極のへそ曲がりもいるのかも
しれないが、それは極端な例外。
あくまでも、人生の目的は別に
あり、生きる上での手段として
息を吸うと考える方が妥当。

これは、思わず膝を打ちたくなる
絶妙な比喩である、そのように
感じるのだ。

こんな素晴らしい比喩があり、
逸話があるにも関わらず、
いまだに多くの会社が、
利益をあげることが至上命題で
あるかのように振る舞っている
ように感じられる。
一体なぜだろうか。

あくまで今思い付いた仮説に
すぎないが、これはおそらく、
株式市場が利益中心に会社を
評価する傾向にある
ことが
大きな要因なのだろう。
株主の言うことに逆らうのは
難しい。
自ずと、利益をあげることが
経営の関心事の上位を占める
ようになり、いつのまにか
それこそが至上命題であるかの
ように意識も行動も変容して
しまう、そんなからくりなの
ではなかろうか。

マーケティングはあくまで経営の
下位概念である。
なので、経営にとって利益が
「カス」「ウンチ」「息」だ
ということであれば、
マーケティングにとっても勿論
利益の存在は「カス」であり、
「ウンチ」であり、「息」である
と考えることになるだろう。

実際、マーケティングの施策に
よくある目的は、
・認知度を上げる
・好意度を上げる
・コンバージョンを改善する
・購入客数を増やす
・購入点数を増やす
といった感じだ。
売上を上げることを目指すことは
多くても、利益を確保することを
直接目的にする施策というのは
あまり聞かないように思う。

いずれにせよ、利益というのは
大切であることに変わりはない。
企業が永続的に活動するための
ガソリンのようなもの
だから。
と同時に、もっと大切なことが
沢山ある
、ということも、頭の
中にしっかり、ハッキリと刻み
込んで置くべきであろう。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。