桜ばあちゃん
週に一度程、団子を買いに来るおばちゃんがいる。
84歳になる。息子さんと二人で暮らしてみえるらしい。可愛く明るいものが好きで、着たり身に着けたりして楽しんでいる。
春先に店に来てくださったときには、細かいギンガム・チェックの明るいトップスのいで立ちで杖を突いてみえた。
杖の枝は明るいグレーのベースに、薄ピンクの桜の花が小さくアレンジしてあり、ギンガム・チェックとあわせて春を織りなしていた。
高価なものではないようたが、素敵な春を演出していた。
30分程話をして帰って行った。
その日から「桜ばあちゃん」と心の中だけで名付けている。