『苺飴には毒がある』/1.26

本を読むのが好きな人間として、今まで書いてみたかった「感想記事」というものを書いてみようと思う。
『苺飴には毒がある』という作品について、今日は話してみたい。
主人公は、沢田寿美子という高校2年生。当時彼女には「れいちゃん」と呼んでいる友達がいる。「れいちゃん」は他人の悪口を寿美子によく話して、寿美子は彼女が陰で自分の悪口を言っているのではないかと過ごしている…そんな小説だ。
読み終わった今では、すごくおもしろい本だと思う。ただ前半、寿美子がれいちゃんとの関係に悩む場面が、読んでいてほんの少し辛い気持ちになった。悪口を陰で言われているのではないかと悩む寿美子の姿が、いつかの、そして今の自分に重なるようだった。悪口ってタイトルの通り、日常の中に潜んでいる毒のようなものだ。あの人が言っていたら。それを聞いてしまったら。悪口って言われていなくても、日常の中に流布されている「毒」のようなものだ。そして僕らはそれを恐れて生きていくしかないのだ……。
この本は、きっと僕らにとって「共感できる」より深いところではっと気づかせてくれる本だ。そんな本に出会えたこと、書いてくださった砂村かいりさんに感謝したい。

拙文失礼いたしました。


いいなと思ったら応援しよう!