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(*本編は最後まで無料でお読みいただけます) 「ねぇ中澤さん、友達にならない?」 そう後ろの席の中田さんから言われたのは、高校に入学したての春だった。 澄んだ清らかな声だった。 友達というのは、そんな風にしてなるものだったろうか? すこし違和感をおぼえたけれど、私は中田さんと友達になってみたくなった。 見るからに可憐で、育ちの良さそうな中田さんと、じぶんが合うとは思えなかったけれど、憧れがまさった。 * 中田さんの後ろの席には、中田さんが私立の中学から一緒で仲の良
今、新しい漫画について考えていて、やっと1話描いてみました。今度担当さんに見ていただこうと思っているネーム(設計図)です。今後打ち合わせしていい作品に育てていきたい漫画です。ピン留めの惑星マガジン購読者限定で公開します。感想などコメントいただけるとうれしいです。
(*本編は最後まで無料でお読みいただけます) 隣のデスクでうたた寝を始めてしまった小田島さんを起こさないように、分厚いASKULのページをそっとめくった。寝息がここまで聞こえてくる。 ひとが本当に寝入ったかどうかは、だいたいは呼気でわかる。 「すう」と深めに吸ったあと、「すっ」と息が勢いよく吐き出されると、そのひとは眠りに落ちている。 私はそれを、こんな風に隣で居眠りをする小田島さんの寝息で知った。 今日もオフィスは午前中から人が出払っていて、この空間には小田島さんと私