スイス🇨🇭で楽ちん半日登山と古都ルツェルンを巡る1日

2024年10月8日 22:24

スイスといえばアイガーやマッターホルンなど熟練の登山者が行く山が有名で富士山もビックリの4000m超えの山がいくつも連なります。
チューリッヒでちょっと1日空いたからと言って、早起きもせず、予約もなく、スイスって山が有名だから今日行ってみよ！なんて思いつきで言うのは無謀です。

そんな印象だったのですが、某SNSで「チューリッヒからふらっと行ける良いところ無いかなぁ」と呟いたところ、旅行に詳しい方に「あるよ」と教えてもらったのが、リギ山とルツェルンでした。
風光明媚なスイスアルプスの景色と、歴史的な街並みを1日で楽しめると言うのです。
スイス国内の旅行には割引や乗り放題のできるスイストラベルパスがありますが、山を越える山岳鉄道は含まれていない事が多い中、リギ山の山頂付近まで行く山岳鉄道はこのパスの対象内というのもありがたいですね。

チューリッヒを出発

チューリッヒ中央駅を出発したのは11時過ぎ。
山に行くのにこんなのんびりで良いのかという時間です（少し寝坊しました）。
もう１時間早く出発すると充実した１日になりそうです。
今回の列車は以下です。

ZurichHB 11:05 → Arth Goldau 11:45（スイス連邦鉄道）
Arth Goldau 12:08 → Rigi Kulm 12:48（山岳鉄道）

アルトゴルダウから山岳列車でリギ山山頂へ

Arth-Goldauから山岳鉄道に乗り換えます。

リギ山山頂に到着

山頂駅のRigi Kulm駅に着くと目の前に広がるのは緑の丘、少しオレンジや黄色みがかった樹々、遠方には白く雪化粧をした青い山脈。
なんと色鮮やかなのでしょう！

実際の山頂は駅から数分上に登ったところです。
山頂の展望台からは四方の絶景を眺めることができます。

気ままに散策！気分はアルプスの少女

あまりちゃんとした登山という気持ちでは来なかったので、当初は帰りもそのまま山頂から山岳鉄道で戻ろうと思っていたのですが、せっかくなので鉄道の線路沿いに下りながら少し歩くことにしました。
散策しながら降りて気が済んだら最寄りの駅から電車に乗るプランです。
ちなみに、線路に近いせいかスマホの通信状況は常に良好です。

鉄道駅と山頂付近以外は普通の装備では歩き回るには危ないのかなと思ってましたが、実際来てみるとメインになる線路沿いのルートは整備がされていて歩きやすそうです。
他にもトレランの方やしっかりした登山装備の方が楽しめそうなルートもありました。

わたしは普段トレイルランをしていてAllTrailという世界中のトレイルルートが表示されるアプリがスマホに入っていたので、みてみるとリギ山から山岳鉄道の路線を途中までなぞっていくルートがあったためそれを参考にすることに。
地図上にルートが表示され、自分の位置がルート通りに通れているか確認ができるので迷わず便利です。

わたしが実際に歩いたルートはYamapでも確認できます。

Rigi Kulmから地上駅のArth-Goldauまでは７駅ありますが今回は以下の３駅ぶんを降りてきました。
電車の風景も良かったですが、自分の足で歩き触れる大自然は他に代え難いものがあります。
駅の区間ごとに風景が全く違うのが面白かったです。

Rigi Kulm → Rigi Staffel → Rigi Wölfertschen-First → Rigi Klösterli

Rigi Kulm → Rigi Staffelへは遠方の景色を楽しめる、急だけど歩きやすいか整備がされた道です。

Rigi Staffel → Rigi Wölfertschen-Firstへは草原や首のベルをこだまさせながら草を食む羊や牛に出会う牧草地。
まるでハイジの世界です。
あの雲はなぜわたしを待っているのかおじいさんに問いたくなります。
この辺りからだんだん道が山っぽくなってきます。

途中、前を歩いていたスイス人のご夫婦の婦人の方がドレミの歌をドイツ語(たぶん？)で歌っていて、わたしも被せて日本語で歌って合唱になりました。
彼女は喜んでくれて「日本でも有名でうれしいわ！うちのダンナはスイス人のくせにこの歌知らないのよ！？あのサウンドオブミュージックよ！？」と憤っていたのが可笑しかったです。

Rigi Wölfertschen-First → Rigi Klösterliへはより森林を通る道になり、木の根や石でガタガタしていたり、湧水が道の上を通っていたりと、足元に注意が必要です。
普段、フィンランドの森にお世話になっていますがスイスの森は雰囲気が違い、そうした変化を楽しめて良かったです。

Wölfertschen-First駅でおトイレをお借りします。無料なのがありがたい

山道になってきました。トレッキングシューズで良かった。スニーカーでも行けなくはないけど

山頂からRigi Klösterliの駅まで約４km、いろんなんところで道草していたので2時間程度かかりました。

ここから電車に乗ってルツェルンの街へ向かいます！

Rigi Klösterli 15:32 → Arth Goldau 16:05（山岳鉄道）
Arth Goldau 16:15 → Luzern 16:41（スイス連邦鉄道）

Arth Goldauに戻ってきた時点でもう16時すぎだったので、これからルツェルンに行くのはどうかなぁ、とか、それならせめてもう１〜２時間早く朝チューリッヒを出るか、山歩きを諦めて山頂から電車のってルツェルンに行けばよかったかもと、一緒にいたダンナとルツェルン行きを少し相談したのですが、まぁせっかくここまで来たし電車も20分程度なんだから行くだけ行こうよ、となんだかんだ行きたいわたしが押し切ったかたちに。

普段運動をあまりしない彼は特に疲れていたし、本当はチューリッヒに戻りたかったと思いますが、いつもわたしの無茶になんの小言もなく付き合ってくれて（諦められてる？）感謝しています。

それにしても、あんなに遅くチューリッヒを出て、大自然を満喫して降りてきてもまだ4時というのはすごいことではありませんか？！（懲りてない）

ルツェルン到着

ルツェルンは8世紀から存在を確認されている歴史ある街。
14世紀に建てられたルツェルンのシンボル、カペル橋のほか重要な建築物がたくさんあります。

ルツェルン駅に到着し、構内を出たところで、大きな門がお出迎え。
ちょっとお疲れモードだった二人もテンションが上がります。

チューリッヒの街並みも綺麗だと思っていたのに、ルツェルンはまた全然表情がちがう！
城壁の一部だったカペル橋からロイス川を渡り旧市街を散策しました。

旧市街の終点で同じく城壁の一部であったシュプロイヤー橋を渡って戻り、荘厳なイエズス会教会へ。
中ではミサの途中で素晴らしいパイプオルガンの音色が響いていました。

ミサのパイプオルガンの演奏の様子はこちら
知ってる曲だったけどタイトルがわからない！

夕食をチューリッヒでとることにしていて、ルツェルンでお茶だけしていこう、何かローカルの甘いものでも、と思ったのですが、時刻はすでに18時近く。
18時閉店のカフェが多く、あまり探し回るのもなんなので駅のパン屋さんでスイーツを買って電車の中でいただきました。

疲れていたのかこんなにファンシーなカップケーキを買っていました。美味しかったです。

ちょっと心残りは、ルツェルンの名物料理である、ルツェルナー・クーゲリ・パシュテーテ（Luzerner Chügelipastete 子牛のクリーム煮パイ包み焼）を味わえなかったこと。
リギ山の道中でパンを食べすぎたのとルツェルンに着いたのが微妙な時間で食事ができなかったんですよね。
また遊びにきたいなぁ！

先にリギ山に登っておいてよかったなと思うのは、ルツェルンの街並みの向こうに常にリギ山の山頂が見えていて、街の風景だけではなく遠方まで含めて親しみが持てたことで、視界が広がったことです。

Luzern 18:09 → Zurich 18:50（スイス連邦鉄道）

ホテルには19時ごろ戻りました。
おつかれ山でした！

リギ山での服装や靴

山に行ったら気候や服装を記録しておいて、今後同じ山や近い条件の場所に来る時に、用途によってアイテムの足し算や引き算が出来るかなと思っています。

リギ山の2024年9月30日は晴れ、気温は８度前後だったと思います。風はほとんどありませんでした。
前後の日程が雨だったので日中は晴れていたけど空気は冷たかったです。

晴れて日差しがあったのと頭の防寒のため、キャップを被りました。
服は、綿のTシャツの上にパーカーを２枚重ねていました。
正確にいうと、トレランで使うサロモンというメーカーの薄手の防風防寒用ジャケットに、普段着用の裏起毛のパーカーです。

ボトムスはウーヴンパンツと言われる柔らかくて動きやすいパンツです。
もう少し厚手でもよかったかなとも思いますが、この日はこれで困らなかったです。

靴はトレッキング用なのですが、山用だけにしているものではなくて、軽くて普段の街や公園の散策もできるような靴にしています。
ゴアテックスでソールも滑りにくく足首ををホールドして水や土が中に入らないので普段の雨の街歩きでも愛用しています。
（私のは以下の靴ですがadidas TERREX FREE HIKERで新しいのが出ています。）

もともと、列車で登って帰ってくるつもりだったので服装は有りモノで気楽に見積もっていましたね。
今回は予定外で散策しましたが天候と足場も悪くなかったので問題なかったです。

おわりに

リギ山は1797mと4,000m級の山が連なるスイスの中では低山ですが、遠方に見える山々や周囲の環境を含めると著名な高山にも引けを取らない素晴らしい景色のある山です。

スキー場を夏に開放している山肌ばかりが広がる殺風景な山とは違い、起伏に富んで緑豊かで牛や羊の姿も見えます。
アクセスが良く、山頂から数分のところまで電車があるので歩き回らないのであれば重厚な装備は要りません。

この体験をしていると、次は有名な氷河鉄道やユングフラウ鉄道にちゃんとスケジュールを立てて行こうかな〜と夢が膨らみますね。
ツェルマトに高山ハイキングに行きたくなるかもしれません。

リギの近くには有名な旧市街ルツェルンがあり、１日でスイスアルプスと歴史探索ができるのも贅沢な体験でした！

もし少しでも誰かの旅のヒントになれば幸いです。