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Duolingoのフィンランド語が不思議すぎる

最近、日本の知人でハマる人が続出している、語学学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」
何がそんなに面白いのかなと、フィンランド語学習で試してみることにしました。
無料だと、1日5分程度のレッスンをスキマ時間に消化するだけなのですが、予習や復習が特になくともコンテンツ内で完結できる内容で、同じ言葉が記憶に定着するまで繰り返されるのが良く、進みは遅いですがゲーム性もあり、ストレスを感じず習慣化しやすいアプリだと評価できます。
しかし、どうしてこのアプリがそんなに流行っているかは、良くわからず把握出来ていません。
Duolingoが昨年発表した、世界で最も学習熱心な国1位に「日本」が輝いたことで注目されているのでしょうか。

Duolingoのフィンランド語の「こんにちは」がMoiじゃない件

ところで、新しい言語を学ぶと必ず最初に出てくる言葉は何だと思いますか?

そう、「こんにちは」です。
学習した事がない幾つかの言語で「こんにちは」だけなら分かるという人もいるのではないでしょうか。
新しいMacBookを買って起動すると各国の言葉で「こんにちは」が表示されますが、わたしでもおおかた分かるので、表示中は、これは你好!これはBonjour!とぼんやり読みながら眺めるのが恒例となっています。

Duolingoのフィンランド語レッスンでも「こんにちは」は当然のように最初に出題されています。
※フィンランド語を学ぶ場合は出題言語は英語を選択する必要があります。

フィンランドで一般的な「こんにちは(英語の出題はHello)」は、もちろん「Moi(モイ)」です。
しかし、DuolingoでMoiをHelloの訳として解答すると誤りになってしまいました。

Duolingoが求めるHelloはこちらです。

Moiじゃない!

アプリでは「Terve(テルヴェ)」と言う言葉だけがHelloの正解にあたります。
しかし、このTerve、フィンランドに住んでから出会った人が言うのをわたしは聞いた記憶がないのです。
フィンランド語で、Helloに代わる言葉をたくさん聞いていますがTerveにはまだ当たったことがないような、あるような。。
そこで、フィンランド人であるダンナにTerveについて聞いてみました。

わたし「Terveって知ってる?使ったことある?」
ダンナ「もちろん知ってるけど、使ったことはないな」
わたし「もし、誰かがTerveって挨拶して来たらどう思う?」
ダンナ「あれ?って一瞬思うかもしれないけど、不思議には思わないよ。でも、ぼくは生まれてこの方使ったことはない。本の中でよく使われるのかな。しらんけど。
Terveがフィンランド語で代表する“こんにちは”なのは不思議だけど、言葉の意味として間違いではないね。
日本語でも、“ご機嫌いかがですか?”がHow are you?の訳だけど、日本人は友達にそう言わないんでしょ?でも、外国人に言われても変だとは思わないよね。」

確かに、そう言われるとそれはそう。
それはそうなんだけど、実際に現地に住んでいると、複数の同義語がある中で、実際のコミュニケーションで使用頻度の少ない言葉を選んでアプリで教えているのがとても不思議です。
しかも、未学習者でも知ってそうな「こんにちは」で、です。

フィンランド語の「こんにちは」が多すぎる

これまでもフィンランドでは、たくさんの「こんにちは」に出会い混乱して来たので、一旦ここで知っているフィンランド語の「こんにちは」をまとめてみることにしました。
解釈についてはわたしの経験と、ダンナのコメントを交えています。

Tarve(テルヴェ)

今回の謎のあいさつ。しかし、気にして耳を澄ましてみると、お店に入った時に10〜20代のお兄ちゃんにいらっしゃいませのようにTerveと遠くから言われたのに気づきました。
そういえば、「いらっしゃいませ(Welcome)」は、「Tervetuloa(テルヴェトゥロア)」と言います。
店員さんはいらっしゃいませの短縮として使っていそうです。
しかしお店を除き、Terveが使われているのをわたしは聞いたことがありません。

Moi(モイ)

最も一般的な挨拶です。ビジネスでも友達同士でも誰とでもMoiです。
言いやすい言葉です。

Moikka(モイッカ)

Moiとほぼ同じです。
お店や近所の方に言われることが多いです。
友達同士で使われるのも聞きます。
バイバイの意味もあるので、すれ違いざまや、同じ空間にいる人に会釈する位置付けなのかと理解します。挨拶したけどそのあと会話を続けない場合です。

Hei(ヘイ)

Moiと同等に良く使われます。
ただ、ダンナ曰く「スウェーデン語では“Hej”、英語では“Hey”。スペルは違うけどみんな“ヘイ”の発音だから、グローバルな環境で初見の人にこれを言われると、どこの国の人なんだろうと一瞬思うし、どこの国出身かわからない人にとりあえずヘイと言って、次に発せられる言葉で推測する前にワンクッション置く時に使う」とのこと。

Morjens(モリエンス)

あまり聞かないですが、Terveに比べたら耳にする機会はあります。
パッと調べたところスウェーデン語やドイツ語にあるMorgen(モルゲン。朝)に由来するそうなのですが、フィンランドでは特に朝の挨拶ではないらしいです。

Morjesta(モリエスタ)

あまり聞かないですが、とてもカジュアルで元気?マッチョ?なイメージ。Morjensの仲間のようです。
日本語だと「オッス!」みたいなものだと勝手に思っています。(悟空?)
ダンナがコレを言うのはたまに聞きます。
これまでヘイ、だった相手とついにモリエスタできるようになったと言って最近も喜んでいました。
ダンナ曰く「仲の良い人には言うけど、顔見知り程度には言わない。面識の少ない人に言われると不審に思う。」とのこと。

Moro(モロ)

よく聞きます。ダンナが友達との電話で開口一番言う言葉です。
とても打ち解けた人に向けてのあいさつのようです。
「やほ!」的な感じ?なのでしょうか。
もともとはタンペレの方言のようなものだったらしいです。
日本語で東京の人がカジュアルに関西弁使うようなもんなのかな。「まいど!」みたいに。

以上、わたしの知っているフィンランド語のこんにちはシリーズでした。
少し理解があやふやなので、詳しい方がいたらご指摘ください。

こんにちわだけでTerve以外でもこれだけあるのに、今回、アプリで新たにTerveが出てきて、まだあるんかい!というのと、なぜMoiじゃないの?と言うので驚きました。
それにしても、ややこしい!

おわりに

Duolingoだけではなく語学アプリのコンテンツについては、まれに不自然に感じる内容もあるのですが、相手がAIだったり、多言語対応のため、ある程度自動化で生成されている内容だったりしそうなので、全信頼を置かない方が良いのかなと感じます。
まだ、Duolingoでわたしが学習している内容が初期すぎて今後どのような言葉を出題されるか分からないのですが、そういう不思議問題(実は他にも早々に見つけてしまったのですが)を探すのも楽しみにしばらく続けてみます。

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