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いまだに間違いだらけの各国政府のコロナ対応

世界のコロナウイルスによる死者数が、ついに100万人を超えてしまいました。ウイルスの性質が少しずつわかってきて、治療法が確立されてきたことによって死亡率は減少傾向にあるようですが、まだまだ油断はできません。

各国のコロナ対策については、全面的ロックダウンをする国、しない国さまざまです。結局、どの国の政府対応が正しいのでしょうか。

「保守的な人々は、経済と自由を優先してウイルスは拡大するに任せているかに見えるスウェーデンを称賛している。だがスウェーデンでは、10万人当たりの死者数が58.1人にのぼり、GDPも第2四半期だけで8.3%も落ち込み、死亡率もGDPも、デンマーク、フィンランド、ノルウェイより悪い数字になった。進歩的な考え方をする人々は、人命を優先してシャットダウンを実施したニュージーランドをほめたたえている。ニュージーランドは10万人当たりの死者数はわずか0.5人にまで抑えたが、第2四半期の経済は12.2%も落ち込んでしまった。これとは対照的に、台湾ではほとんどシャットダウンを実施していないのにもかかわらず、10万人当たりの死者数は0.03人、GDPの落ち込みは1.4%だ。」
"The right lauds Sweden for supposedly letting the virus rip while it makes a priority of the economy and liberty. But Sweden has a fatality rate of 58.1 per 100,000 and saw GDP fall by 8.3% in the second quarter alone, worse on both counts than Denmark, Finland and Norway. The left lauds New Zealand, which has shut down to save lives. It has suffered only 0.5 deaths per 100,000, but in the second quarter its economy shrank by 12.2%. By contrast, Taiwan remained more open but has seen 0.03 deaths per 100,000 and a 1.4% fall in GDP."(英エコノミスト 2020年9月26日号 "Why governments get it wrong"より。以下引用同じ)

シャットダウンか経済か、そのトレードオフが困難で各国政府の対応が迷走しがちなようです。アメリカとイギリスは感染者数が世界の1、2位を争っていますが、アメリカはトランピズム、イギリスはブレグジットで政局が混乱しています。ウイルスはカオスが大好物なのかもしれませんね。

「各国政府は、経済的にも社会的にも最も筋の通った妥協点を見極める必要がある。」
"Governments must identify the trade-offs that make most economic and social sense."

この一言に尽きますね。

ところで、感染者が多数出て拡大の原因になった場所のことを日本では「クラスター」と言っていますが、英語ではこのような言い方はしないようです。

"Countries like Germany, South Korea and Taiwan have used fine-grained testing and tracing to spot individual super-spreading venues and slow the spread using quarantines." 
「ドイツ、韓国、そして台湾といった国々は、きめ細かい検査と追跡を行って、感染が拡大した場所を個別に特定し、隔離によって感染拡大のスピードを抑えてきた。」

このように、感染が拡大した場所のことは英語では「super-spreading venue」と言っています。トランプ大統領のように周囲の人をたくさん感染させてしまった人は「super-spreader」です(笑)。トランプ大統領のせいでホワイトハウスがsuper-spreading venueになってしまいましたね。

さて、コロナウイルスのワクチンはいつできるのでしょうか。また新技術の開発も着々と進みつつあるようです。

"Monoclonal antibodies, which disable the virus, could be available by the end of the year. Although they are expensive, they promise to be useful after someone is infected or, for the high-risk, prophylactically. Vaccines will almost certainly follow, possibly very soon."
「ウイルスを無効化するモノクロナール抗体が、今年の末までに実用化される見込みだ。この薬は高価だが、死亡リスクの高い感染者に対する予防的な効果が期待できる。もう間もなくワクチンができることも、ほぼ間違いない。」

医療界の新技術、人工的な抗体であるモノクロナール抗体の開発が進んでいます。ワクチンも来年の夏ごろには、優先度の高い人から接種が始まるのではないかと言われています。

コロナウイルス対策はまだまだ前途多難ですが、収束するその日まで各国政府にはもっとしっかりしてもらうとして(笑)、私たち個人はマスクや手洗い、ソーシャルディスタンスなどの対策を取りつつ、これからも健康に気をつけていきましょう。

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