欧州では、電気代が高騰して家計を脅かしています。冬期停電の恐れもありましたが、今のところ比較的暖冬で、なんとかもっているようです。
どうやら夏の間の天然ガスの備蓄不足が原因の一つのようですが、このエネルギー危機には、他にもさまざまな要因が複雑に絡んでいるようです。
欧州のエネルギー供給がロシア頼みになっているのは不安要素ですし、ロシアがウクライナ問題で揺れている今、人道的にも問題がありますね。
欧州では、環境に配慮して炭素税を課し、再生可能エネルギーへの転換を進めていますが、早急すぎる再エネへの転換政策がエネルギー危機の一因ではないか、という見方もあります。
ドイツでは、一度は止めた原子力発電所に再度目が向けられてもいるようです。
原発がエネルギー危機を救ってくれる? 石炭に戻るよりは原発? 世界が二酸化炭素排出に敏感になっている中、経済界では、そのような声も大きくなってきているようです。
私は経済畑の人間ではないので、原発が必要だなんて全然思いませんけど--と、つい個人的意見を口にしてしまいましたが、さまざまな意見を出して話し合うことは、とても大切なことです。
エコノミストの当記事にも、このエネルギー危機による混乱は、民主主義社会ゆえの混乱であると書かれています。
何か問題が起きたとき、独裁者の一声で解決策を決定したほうが、すみやかに問題が解決することは確かにあります。だからこそ、大衆は「強いリーダー」を求める気持ちを常に持っています。
民主主義は、みんなで話し合って決める、という制度ですから、問題への対処は遅れがちです。だからといって、民主主義を捨ててよいはずはありません。
エネルギー危機の問題も、地球環境にも配慮しながら皆でよりよい落としどころを見つけていくしかなさそうですね。手っ取り早い解決策よりも、50年後、100年後の世界を見据えて、議論が尽くされるべきだと思います。