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TMR編集室月報23.11|意味よりも「音」だよね

Podcast「Temple Morning Radio(略称TMR)」編集・配信を担当する遠藤卓也の、お寺や音に関する活動月報

TMR/音の巡礼のこと

壽徳寺境内は落ち葉の絨毯

11月に録音できたのは、福島県・猪苗代町 真言宗智山派  壽徳寺 での松村妙仁さんの読経。もう磐梯山の上の方は雪で白くなっていて、風の強い午後、外での録音は難しそうだったので本堂内にマイクをたて、妙仁さんにもピンマイクをつけてもらった。本堂の戸を揺らすほどの風が印象的だった。

水原堂(みずもとどう)右手から水が湧き出ている

もう一つは大阪府・南河内郡 本門法華宗 法華寺 水原堂(みずもとどう)での庄司真人さんの読経を録らせていただいた。お堂自体が高い場所にあるため、周囲の木々から鳥の声が多く聞こえた。神聖な空気感と相俟って、良い音景色を収められたと思う。

と、言いながらも、諸業務や出張が多くまだ編集に取り掛かれていない状態、、、。年末にゆっくり編集する時間をとりたい。Temple Morning Radioは200週目が見えてきたところだし。


先月の月報でお知らせした、永観堂 放生池での池上法要のレポート記事が、Webメディア「お寺のじかん」にて公開となった。法要の音も聴けるようにしたので、是非、聴いて・読んでほしい。

このイベントに誘ってくださった、僧侶でありイラストレーターでもある中川学さんの『絵本 龍潭譚』刊行記念イベントが荻窪の書店titleで行われた。イベントの前に学さんと喫茶店でお話ししたことや、五所川原 法永寺の小山田和正さんと一緒にやっている素読み会「ぎきょくがよまさる」のことが繋がるような、気付きの時間となった。


お寺のこと

会津へ

壽徳寺

11/13〜14は、福島県・猪苗代町、壽徳寺の松村妙仁さんに「個別コーチング」のために呼んでいただき、念願の初訪問!
ぐるっと周辺環境をみさせてもらい、お寺でたくさんの情報をヒアリング。未来の住職塾NEXT R-5で作成されたお寺の事業計画書を一緒にブラッシュアップした。これまでいろんな機会に壽徳寺さんのことは聞いていたけど、当たり前ながら実際に見させていただくのでは情報量が段違いだなあと実感。おかげさまで勉強になった。

東山温泉

夜は東山温泉と会津の郷土料理など地元名物の素晴らしさも堪能させていただき、翌朝から妙仁さんが以前から行ってみたかったという会津若松の老舗仏具・仏壇メーカー「アルテマイスター」さんを見学。現代の生活スタイルにあうような新しいデザインを提案されながらも、徹底した品質管理や古い仏壇のリノベーションなど、本質的なことをしっかりなさっている企業風土に学びが多かった。

見学したら、みんなきっと仏壇や位牌のいいやつを欲しくなっちゃうだろうなあ。お寺の団体参拝の途中に立ち寄ったら楽しいかも。


大阪・南河内へ

霊水は飲用可。汲みに来る人もおられる

11/20〜21は取材で大阪へ。これまた念願だった、南河内にある本門法華宗 法華寺さんにお参りして、住職の庄司真人さんにインタビューさせてもらった。噂に聞いていた「霊水で打ったお蕎麦」をご馳走になり、山内の諸堂を巡りながら、さまざまなお話しを聞かせていただいた。
今までもオンラインなどで庄司さんのこれまでの活動について聞かせていただくことはあったが、とにかく「お参りのしやすさ」に拘り続けていて、そのためには法要時にお寺への急峻な坂をご高齢の方でも登れるようにタクシーをチャーターしてピストン輸送をしたり、コロナ禍においては法要のあり方を大胆に見直すなど、着々と工夫を尽くされてきた。そこまでするからこそ、法華寺には多くの人々が変わらず集い続けている。
今回のインタビューでは、庄司さんの活動のベクトルが「人」から「神仏」へと変化し始めているように感じた。法華寺で大切なのは、お寺の起源とされている「霊水」であると柱として捉える要素が決まっていると、強い。

妙見寺

翌日は、法華寺さんからもほど近い、太子町にある曹洞宗 妙見寺畑 辰昇さんを訪ねた。妙見寺は見晴らしがよく緑も豊か。蘇我馬子の創建とされ、古くからの妙見信仰、そしてなかなか古そうなご本尊の十一面観世音菩薩など。こういったお寺を畑さんのような若い方が住職をなさるのは、これからが楽しみだと感じる。眺望を活かした坐禅堂などに期待したい。

妙見寺 境内からの眺め

取材記事|星の信仰の聖地で、森を守り、森に眠るサステナブルな葬送を提案

地域寺院11月号では大阪府 日蓮宗 能勢妙見山 副住職の植田観肇さんにインタビュー。
久々の再会のよもやま話を経てお聞きした、これまでの活動の歩みすべてが、”誰かと出会い興味をもち・誰かのためにトライする”という流れの中にあり、古くからの信仰の場に立ち会っておられる植田さんならではのことであると感心しきりだった。
ケーブルカー廃線間際は人出が多かったという妙見山。関西の方は車でも快適にお参りできるし、素晴らしい景観と森林の気持ちよさを多くの方に味わっていただきたいと願う。


取材記事|深澤亮道さん(曹洞宗)

月刊住職 11月号は、曹洞宗の深澤亮道さんにインタビュー。お寺をもたない「フリーランス僧侶」として、YouTubeや企業での坐禅会やオンラインサロンなど、お坊さんの役割の幅を広げるご活躍をなさっている。
なぜYouTubeを?という問いに「スマホ一つで仏教に触れられるから」と答える深澤さん。しんどい人は外に出ることも難しい。ご自身の経験から、その意義をよくわかっていらっしゃるのだ。


お寺のWebサイト制作|大法輪寺(大分県・単立)

未来の住職塾2年目に「無宗派 大法輪寺」の田口学法なるお坊さんから申し込みがあり、サイトのTOPに掲げてあった仏教界への痛烈なメッセージに度肝を抜かれた。
あれから約10年が経ち、よもや自分がそのサイトのリニューアルをお手伝いすることになるとは思いもよらなかった。
デザインは変われどそのメッセージは今も、引き継がれている。

デザイン・制作は内山真菜美さん。遠藤はディレクションを担当。


味の巡礼

どん底(新宿三丁目)

手打ちそば うどん 三四郎(猪苗代町)

鶴我 本店(会津若松)

KASUYA(富田林)


音のこと

11/6 Yo La Tengo@恵比寿ガーデンホールへ。
quiet setとloud setの二部構成。前半4曲目で大好きな「Last Days of Disco」をとても美しく演奏してくれて、新譜中心のquiet set素晴らしかった。
インターバルを挟んでloud set一曲目「fall out」にガツンとやられた。イントロ一音目を突き刺すための、これまでの1時間だったのかではないかと思うほどに心が震えるアイラのギター、、、。
時折雄弁になるジョージアのドラムも良かったし、存在が安心そのもののジェームズ。この夜はなんか歌もすごく素敵だった。
後半は90sの名曲もloudかつnoisyにじゃんじゃんやって、絶妙なタイミングで「sugarcube」を投げ込んでくるという。
アンコールは、会場リクエストで「autumn sweater」。季節的にもナイスチョイス。
カバーはkinksとdoo-wopの古い曲で大団円でした。
あんなうるさい演奏しといて、最後は横並びでdoo-wopでしめるという、音楽性の豊かさよ。
3人でできるロックンロールの真髄を極めた人たち。まだまだこの調子で大いにやってほしい。

ジェームズのイラストTシャツ

「み空」のレコード再発うれしい。20年くらいずっと欲しかったアルバム。
届いた日のお昼はカップ麺。お湯を沸かしはじめて針を落として、食べて片付けまで終わったところでちょうどA面を聴き終えた。

金延幸子 - み空

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