Chemin de Vézelay ヴェズレーの道 27日目 La Reole → Bazas
昨晩泊まったLaReole のHostelのシエスタ明けが16時だった理由が夕食時に判明、宿の管理人がスペイン北部ビルバオ出身のバスク人だったからでした。とはいえシエスタの時間帯までバスクタイムをフランスに持ち込まないで欲しいです。ただ夕食をリクエストしたら美味しいバスク料理を提供してくれたので許します。
これから初めてのサンティアゴ巡礼路に行く人へ配慮して欲しいこと。スペインには過去に各地方に民族的な問題があって、スペイン人と一括りにされる事をいまだに嫌がる地域の人達がいます。バルセロナ周辺のカタルーニャ地方、サンティアゴ周辺のガリシア地方、そしてスペイン東北部とフランス南西部にまたがっているバスク地方、この地方の人は50年以上前のフランコ独裁政権の時代に強制的に標準スペイン語を習わされ、各地方の文化や言語を否定されてきた過去があります。これらの地域の人たちには一括りにスペイン人と呼ばずに、各地方の出身ということを尊重してあげてください。
今日の行程、計画時のミスで自転車用のルートと歩行者用のルートの2種類あることに気が付かず、安直に短い方(自転車用)のルートで目的地を選定してしまい、昨日ダニエルからの情報で現実を知り愕然としました。直線的な車道を走る自転車用ルートは約25キロなのに対して、グネグネ折れ曲がった道を歩く歩行者用のルートはなんと37キロもあり、しかも登り下りも厳しい。今の自分がこの歩行者用の巡礼路を歩いたら確実に足を壊します。
さらにホームステイのホストファミリーが迎えに来る17時までにはBAZASに辿り着けなかったでしょう。今回は残念ですが歩行者用の巡礼路を歩くのは諦めて短い自転車用のルートを歩きました。
後日、真面目にこのルートを歩いた巡礼者に聞いたところ、La Reoleから Bazasまでは2日に分けて歩いていたそうです。
今日は10時頃までは薄暗い雨雲のお天気の中を歩いてましたが、10時過ぎからは霧雨と小雨の繰り返しの天気、ただ車道歩きなので雨でも泥でぬかるんだ道を歩くことなく快適な道でした。
La Reole から3時間ほど歩き中間地点の町Aurosに到着。雨が降っていたので教会前にあったアーケードの屋根の下で早めのお昼ご飯、La Reole の朝市で買ったパンを食べました。
Bazasまであと約10キロ、なんとか約束の時間までには辿り着けそうで一安心。
予想では15時までには目的地に到着出来ればいいなと思ってましたが、車道歩きでめぼしい被写体もなく雨でカメラを出すのも憚れたので、ひたすら黙々と歩き続けたお陰で14時には目的地に到着。バザスの大聖堂の撮影をした後に祝日でも開店していた唯一のカフェに入ったら、一昨日坂道で颯爽と追い越していったオランダ人のマリアがお昼ご飯を食べていました。
彼女は昨晩はLa Reoleには泊まらずに前日に40キロ歩き、途中のPondauratの修道院に泊まったと聞きました。凄すぎる。
今晩の宿泊先は17時に大聖堂前でホームステイ先の人が巡礼者をピックアップするとのことだったので、同じ様にホームステイをする他の巡礼者と大聖堂で待っていたら、クルマから降りてきたフランス人のマダムが自分の名前を呼んでくれました。マダムの運転するクルマに乗るとバザスの町を離れて郊外の住宅街へ、やがて道路から門に入り両側に高い木が立つ並木道を抜けると広大な庭の大きなお屋敷に到着。まさかこんな豪華なお屋敷に案内されるなんて思ってもいなかったので恐縮してしまいました。
家に案内されると完璧な英語を話すご主人が出迎えてくれて部屋まで案内されました。とりあえず今日一日中雨の中を歩いて汗臭いのでシャワーを浴びさせてもらい、濡れた服を綺麗な服に着替えて一段落してから、マダムとご主人の待つリビングへ行き自己紹介やこれまでの巡礼の話、日本での仕事や家族の話などをしました。
巡礼者を自宅に受け入れてることについてお話を伺ったところ、なんとご夫妻はバブル全盛期の1980年代にお仕事で日本に長期駐在をされていたそうです。そしてお仕事を引退した現在またいつか日本を訪れたいと思っていた所に、今回偶然日本人巡礼者 ( 自分 ) がバザスで民家への宿泊希望を出していることを知って、率先して我が家への招待をしたとのことでした。ただ残念ながらご夫妻は日本駐在が50年以上前になるとのことで当時覚えた日本語はほぼ忘れてしまったそうで、お互いの会話は英語になりました。
今回フランスへの渡航に際して、現地で知り合った巡礼者や地元のフランス人にお見せするために、日本の観光地の写真や各地のお祭りの写真、四季折々の写真(桜、紅葉)をスマートフォンに入れてきていたので、ご夫妻にこの日本の写真をお見せしたらところ大変喜んでくれたので持ってきた甲斐がありました。
この日に出された夕食はきっとマダムが手によりをかけて作られたであろう豪華な夕食、今回の巡礼で食べた食事の中でも最高の夕食でした。お二人からは食事をしながら50年前の懐かしい日本駐在時代のお話を聞かせて頂き楽しい時間を過ごさせてもらいました。
Bazas Homestay 情報
ホームステイ斡旋団体名 : Accueil Pelerin dans Familles bazadaises
宿代 : 寄付(30ユーロ寄付しました。)
E-mail : なし(電話予約のみ)
Phone : +33 5 56 25 97 76