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Chemin de Vézelay ヴェズレーの道  14日目Benevent l‘Abbaye → Les Billanges

フランス広域MAP
Benevent l‘Abbaye から Les Billanges まで
この日の標高差MAP
なんですか、、、この標高差は。

前の日に巡礼路で出会った膝を痛めたオランダ人の女の子、残念ながら昨日はBenevent l‘Abbayeまで辿り着くことが出来なかったみたい。彼女の名前で予約が入ってたのにGiteに到着出来なかったので管理人さんが心配して彼女に電話した所、膝の痛みがひどくてBenevent l‘Abbayeまで歩くことは出来なかったとのこと。結局彼女は最後に自分と別れた(休憩した)村のGiteに急遽変更したそう。巡礼路の途中で行き倒れにならなかったことは安心したけど、そんなに痛がってたことが判らずに痛み止めの消炎鎮痛剤を彼女に渡さなかったことを後悔しました。

この日は(この日も?)宿泊地の選択を誤ったみたいです。同じ宿に泊まっていたオランダ人巡礼者マダムたちは18キロ先の村 Chatelus le Marcheix に泊まると言ってましたが、たった18キロじゃ一日の移動距離としては短すぎだよな~? と思ってこの日の目的地をその先のLes Billangesにしました。しかしマダムたちがあえてChatelus le Marcheixに留めていた理由は実際に歩いてみて判明。さらにChatelus le Marcheixの方には綺麗なレストランやカフェなどもありましたが、自分の宿泊地のLes Billanges村にはなにも無い寂れた村。完全な選択ミスでした。

今日は29kmの移動ということでまだ暗い6時半に出発、隣村のMarsacまでは快適な巡礼路であっという間に到着、この村では朝早くからパン屋さんが営業していたのでお昼ごはん用のパンを購入しました。

まだ薄暗いBenevent l‘Abbayeの町を出発
あまりの寒さに路上で凍えていたトカゲさん
牧場の先に雲海
霧にかすむ Marsac 村が見えてきた
昔の洗濯場
Marsac 村のメインストリート

Marsac 村でお買い物と休憩を終えると、進路の先にはそそり立つような山が迫ってきました。え、そんなハナシ聞いてないんですが。。。ヴェズレーの道はずっと平坦な道で楽だと聞いていたのに。この山越えるの??? 
やがて交通量の多い車道沿いの道を離れて田舎の細い道に入ると巡礼路は上り坂に。車道から田舎道への分岐点の手前でフランス人の熟年カップルが道を探していたので「MapsmeのGPSログによるとここで曲がるみたいだよ!」と教えてあげました。そしてこの時に出会った二人がこの先3週間ずっと一緒に歩くザビエル&ダニエラ夫妻でした。

真正面に山が
山が迫ってきた
Arrènes 村が見えてきた
Arrènes 村の教会

Arrènes 村を過ぎると道はいっそう険しくなり、アスファルトの道も終わって登山道に。

ここから激坂が始まった
前を進むザビエル
ふかふかの落ち葉の道
きのこ

今回の巡礼に行く前の情報収集ではヴェズレーの道はル・ピュイの道に比べてアップダウンが少ないはず。確かに前日までの行程はなだらかな坂はあっても息をつくような急坂はなかった。しかしこの日の行程はこれまでとは打って変わって急な坂道の連続(フランス人の道で例えるとオ・セブレイロ峠みたい?)。昨晩同じ宿に泊まってたマダムたちはきっとこの坂の事を事前に知っていてあえて18キロに留めたんでしょうね。。。ただすでに自分は29km先の宿を予約してしまっているのでもう歩くしかない。事前の情報収集が足らなかった自分を呪いました。
凍えるような霧雨の中の急な坂道を必死で登りきり峠のてっぺんに辿り着いたけど霧で真っ白で何も見えませんでした。しかし教会の先にバルがあったのでコーヒーブレイク。寒さに震えた身体に温かいカフェオレが沁みました。

霧につつまれた Saint Goussaud 峠のモニュメント
Saint Goussaud 峠の教会

峠を登りきった後は、こんどは逆に膝が笑うような下り坂の連続、Chatelus le Marcheix 村が見えてきたと思ったら、急にコンペイトウくらいの大きさの雹が降ってきたのであわてて村の入り口にあったバルに避難、地元の常連さんと思われる人たちに温かい歓迎をうけました。

苔の石垣に囲まれた石畳の巡礼路
果てしなく続く急な下り坂
Châtelus-le-Marcheix 村のバルで 地元の常連さんたち

やがて雹が止んで天気が回復したのでバルを出発、Chatelus le Marcheix 村から先は楽な車道歩きでしたが、やがて巡礼路は車道を離れて草ボーボーの道へ、草むらの道を抜けると家が3軒だけの小さな集落へ、集落の路地を歩いていたら、民家の庭にいた地元の男性から突然英語で「ここで休んでいかない?」とお誘いの声が。英語で話しかけられるなんて(英語嫌いの)フランスの田舎ではありえないことだったのでとても驚きました。しかしフランス人は実はとても親日の人が多くこれまでにも日本が大好きな人に出会っていたので怪しい人だとは思わずに素直にお庭のベンチに招かれ、コーヒーを頂き巡礼路での話や日本の写真をお見せしたりと国際交流&コーヒーブレイクを楽しみました。民家での休憩の後、牧草地の一本道を歩き、やがてこの日の目的地Les Billangesに到着。

コーヒーを頂いた民家の集落を振り返る
谷へ向かって下る
小さな川を渡り また上り坂
Les Billanges 村に到着

この日の目的の Les Billanges 村に到着し、この日の宿を探したんですがなかなか見つけられず、まさかコレじゃないよね?という感じの The 廃墟 !な建物が今宵の宿でした。ドアが傾いていて窓ガラスも割れたドアを開けて建物の中に入り、埃が堆積した椅子に座って宿に到着したことをオーナーに電話したところ、実はこの廃墟の建物は以前に宿として使っていた古い建物で、現在の宿泊棟は隣にあった小さな建物の方でした。一安心。
到着したオーナーに「よくこんな汚い建物に入れたね?」と感心されたので、実は3日前にもっと凄い宿に泊まったのでボロ宿耐性がついてたことを話したら大笑いされました。

旧館?のリビングルームだったと思われる部屋
旧館のキッチンにあった絵
この人が宿のオーナーのマダム
旧館のキッチンにあったロバの人形

オーナーに案内されて、新しい?宿泊棟に行くと、小さな平屋建ての建物がありました。新しい宿泊棟は宿泊人数(4人)に比べてかなりだだっ広い部屋、ここ連日の冷え込みが厳しかったので、夜と朝はかなり寒そうな予感がしました。ベッドの上に荷物を広げていたら、朝分岐点で道を教えたザビエル&ダニエラ夫妻が同じ宿に到着。な~んだ同じ宿だったんだ。
てっきり彼らは手前のChatelus le Marcheix 村に泊まると思ってたので、予想外の自分以外の宿泊客の到着に驚きました。
夕食まで時間があったので、自己紹介とこれまで歩いてきた巡礼路のお話などをしましたが、なんと彼らは(も?)自分と同じレベルの重症カミーノ病患者でスペインのほぼ全ての巡礼路を制覇していて、前年の2023年はカミーノで最も過酷な巡礼路と言われる銀の道を歩いてきたとのことでお互いの巡礼路での苦労話を話していたらあっという間に夕食の時間に。
新しい宿泊棟にはキッチンがなかったので何処かに行って(オーナーの家で?)夕食をとるのかな?と思っていたら、熱々の鍋とワインボトルを3人分持ってきたオーナーが登場、なんと自宅で料理をしたお料理を部屋まで持ってきてくれました。さらに夕食後はオーナー自らギターをひいてのシャンソンの生演奏サービスがありました。

こちらが新しい宿泊棟
新しい宿泊棟の室内
この暖炉が無かったら凍死してたかも
夕食後にはオーナーの生演奏が

Les Billanges Gite情報 
宿の名前 : Gîte d'étape et de séjour Chez Françoise
 宿代  : 30ユーロ(2食付き)
E-mail  : francoisevillegoureix@orange.fr
Phone  : +33 5 55 56 85 39
Website : https://www.gites-refuges.com/www/detail-4136.htm

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