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Chemin de Vézelay ヴェズレーの道 概要

2024年4月5日から5月10日まで、35日かけてサンティアゴ巡礼の道のひとつヴェズレーの道を歩いてきました。


ヴェズレーの道とは

ヴェズレーの道

キリスト教カトリックのサンティアゴ巡礼路のひとつで、パリ南東にあるVezelayの街からスタートして、ルピュイの道と合流するピレネーの麓の村Ostabatまでの約900キロの巡礼路です。OstabatからさらにSaint-Jean-Pied-de-Portを経由してフランス人の道を750キロ(Vezelayからだと約1700キロ)歩くとサンティアゴ巡礼路のゴール サンティアゴ・デ・コンポステーラに辿り着きます。
この巡礼路は前半にVzelayからBourges,Châteaurouxを通る北ルートと、Nevers,La Châtreを通る南ルートの2つに別れています。今回私が歩いたのは北ルートでした。北ルートは殆ど歩いている巡礼者がおらずVezelayからThizay(BourgesとChâteaurouxの間)までの1週間まったく他の巡礼者に出会いませんでした。南ルートとの合流後に出会った巡礼者に聞いたところ殆どの巡礼者は南ルートを歩いていたそうです。
さらに巡礼路の途中のPérigueuxからSainte-Foy-la-Grandeの区間にも、Bergeracを通る東ルートと、Mussidanを通る西ルートのふたつに別れています。私が歩いたルートは西側ルートでした、このルートには趣のある古城Giteや、ボルドー地方のブドウ畑の中を歩く道が続くなど素晴らしい景色が楽しめる巡礼路でした。
このヴェズレーの道は(ある一部の区間を除いて)ほぼ平坦で起伏がない歩きやすい道ですが(フランス人の道で例えるならブルゴスからレオンまでの区間のようです)唯一Bénévent-l'AbbayeからLimogesの区間は少しハードな山道でした(フランス人の道で例えるならO Cebreiro峠越えでしょうか)

ヴェズレーの道ルートMAP
Vezelay大聖堂

ヴェズレーの道宿泊施設について

今回の巡礼で私が泊まった宿泊施設は、Gite(民宿)、巡礼宿、修道院、ホテル、キャンプ場でした。
私営のGiteは日本のペンションと同じスタイルで基本的に2食付きのため予約しないとほぼ宿泊できません。宿泊費は2024年4月の時点で35~40ユーロでした。
また地元のお役所や教会等が管理している公営のGiteもあります。ただ宿に管理人が常駐しておらず、宿のカギを市庁舎や観光案内所に受け取りに行き料金を支払うスタイルです。食事提供は無いところが多くスペインのアルベルゲと同じスタイルです(2段ベッド相部屋キッチン付自炊可)宿泊費は10~15ユーロでした。
お勧めの宿として、ヴェズレー道巡礼友の会が管理する巡礼宿がルート上に5カ所あり2食付きでドナティーボ(寄付制)で宿泊させて頂けてました。寄付制なので宿泊料金は各自が決めますが、自分は30ユーロ程度を支払っていました。
Bourgesでは修道院に宿泊しました(しかも女子修道院!)この修道院ではヴェズレーの道を歩いている巡礼者であれば男性でも泊まることは出来ましたが、スペインでは男子修道院では男性のみ、女子修道院では女性のみしか宿泊出来ないところもあるので修道院に泊まる場合は事前に異性でも宿泊可能か調べておく必要があります。宿泊費は2食付きで30ユーロでした。
 Giteや民宿に泊まれなかった場合の代替手段として、キャンプ場のバンガローでの宿泊もあります。宿泊料金は(15~20ユーロ)キッチン付きで自炊も可能でした。キャンプ場によってはレストランも併設されていました。

私は以前にルピュイの道も歩いたことがありますが、今回歩いたヴェスレーの道はルピュイの道に比べて宿泊施設が少なく、しかも宿泊定員が少ない宿(4~8人)ばかりで、事前に予約しないと宿泊することが非常に難しかったです。 とある巡礼宿ではベッドに空きがあるのに、予約していなかったので宿泊を断られそうになりました。その時はなんとか頼み込んで素泊まりで泊まらせてもらいました。(後で宿の管理人さんに聞いたら、この日は久しぶりに予約の宿泊者がいなかったので休日にしたかったそうです  → 管理人さんせっかくの休日を奪ってゴメンナサイ)
そのためヴェズレーの道ではスペインの巡礼路のように予約なしの飛び込み宿泊を期待して歩くと宿泊が出来なくなる可能性があります。

Giteの予約は(私営&公営ともに)地元のフランス人が経営管理していることもあってほぼフランス語での予約しか受け付けていません。(極まれに英語を話してくれるフランス人もいましたが、あまり期待しない方が宜しいかと、、、) 現地フランス人やフランス語を話せる巡礼者たちは電話で予約していましたが、フランス語が苦手な私はメールで宿泊予約をしていました。ただしヴェズレーの道友の会が管理している巡礼宿はヨーロッパ各国から来ているボランティアスタッフが管理しているのでほぼ確実に英語を話してくれました。したがって英語での電話予約も可能でした。

Vezelayの巡礼宿
Flavignacのキャンプ場で泊まったバンガロー
Roquefort巡礼友の会の巡礼宿で

宿泊予約で利用した本とWebサイト

Mian Mian Dodo
フランスの巡礼路ガイドブックといえばこの本です。残念ながら英語で書かれてはいませんが、地図と宿の情報のみで巡礼路についての文章は無いので問題ありませんでした。宿の連絡先(電話番号、電子メールアドレス)、住所、宿泊費、使用言語の情報が記載されています。


Tracé de la Voie Historique de Vézelay (ヴェズレーの道宿泊リスト)

地図上に宿のアイコンが置かれていて、アイコンをクリックすれば宿の場所が判る。デフォルトはフランス語だが英語も選択できる。


ヴェズレーの道巡礼友の会の巡礼宿

ヴェズレーの道ルート上に5カ所ある。2食付きドナティーボ(寄付)、事前に(宿泊予定の3日前から)予約が必要です。英語が通じるスタッフがいるので英語での電話予約も可能。ただし施設の規模はあまり大きくないので(定員4~8人)混雑する時期の宿泊は期待できそうにありません。


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