音のない雷

昨日はあまりにも仕事で面倒ごとが降ってきて病んで死んでいた。

虚ろな意識の中,かろうじて煙草を吸いに外へ出ると,分厚くひろがった雲の中に稲妻が光っていた。

それを眺めながらぼーっと煙草を吸った。

その間も雲は瞬き続け,雲のしわをなぞるように光の脈が見えた。

不思議なことにこの稲妻には雷鳴がない。ゴロゴロとすら言わない。ストレスで耳がいかれたかと思ったがそうではない。

一雨来るかと思ったがそんなこともない。そのピカピカ光る雲以外に大した雲がなく,むしろ晴れ空に近づいている。

今抱えている面倒ごとも,あの雷の様だったらいいなぁと思った。見てくれだけ大層で,大した被害もなく去っていく感じであれば。

今日,実際にその面倒ごとを片付けてみるとあっさり片付いた。

昨日の思いが届いたかと思った。

のもつかの間。片付けた先のフェーズでまた更に面倒ごとが出てきた。

関係ないが上司のあの面倒ごとを言う時に,うっすら控えめにぼやかしながら言う感じが嫌いだ。どうせ頼むならはっきりと言いやがれ。それも社内営業ってか。

さておきとして,

「雷は雷雲がある限りどこにでも落ちるから,落ちた音が遠いから安心できるわけではない」という知識を思い出した1日だった。


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