【活動報告】#ピルコンルームno.25「みんなで考えよう! #LGBTQ+と共に生きる社会って?」
こんにちは!ピルコンインターンのゆきこです!
ピルコンnoteを開いて頂き、ありがとうございます。
今回はイベントレポートをお届けします!参加できなかった方も、ぜひ読んでみてくださいね👀
さて、ピルコンでは、5月6日(金)20時より、 #ピルコンルーム no.25「みんなで考えよう! #LGBTQ +と共に生きる社会って?」を開催しました!今回のゲストは、セクシュアリティやジェンダーを中心としたさまざまな生き方や人権について、漫画や記事でわかりやすく紹介するメディア・パレットーク編集長の合田文さん。
イベントでは、みんなが生きやすい社会や環境をつくるにはどうすればよいか、「LGBTQ+を支援したい」と思っている人に伝えたいこと、をゲストの合田さんにお話していただいた後、参加者同士でディスカッションをしました。
それでは、早速イベントの様子をお伝えします~!
Talk1 LGBTについて考える
まずは、合田さんのゲストトークから見ていきましょう!ここでは、セクシュアリティだけではなくて、マイノリティ全体に関わる2つの考え方を学びました。
一つ目は、マイノリティである「個人」が変わる社会。
たとえば、車いすユーザーがマジョリティで、歩行する人がマイノリティの町があると想像してみましょう。
この世界では、コンセントの位置、机の高さ、ドアの取っ手の位置など、全てが車いすユーザー向けに配置されています。つまり、マイノリティの立って歩行する人たちにとっては使いにくいですよね。
こういう社会において、一つ目の考え方を当てはめると、変わるべきは「立って歩行する人」であって、「普段使わないかもだけど、車いすを使って生活してね」と言われるかもしれませんよね。これはつまるところ、自己責任社会へと繋がっていきます。
二つ目は、マジョリティや社会が変わる社会。
つまり、社会の仕組みやルールを、マイノリティにも使いやすいものに変えていく、という考え方です。マイノリティが使いやすい、ということは選択の幅が広がることなので、みんなにとって使いやすいものにもなります。
そのためには、会社や政治、学校などの大きな組織が今のルールを見直していく必要があります。
この二つの中で、今日は二つ目の「マジョリティや社会が変わる社会」を中心に考えていきます。
ここで、改めてLGBTという言葉についての意味を確認しておきましょう。
ポイントはこの2つ!
「誰を好きになるか」
「自分の性をどう認識しているか」
これに当てはめると、
L(レズビアン)・・・女性として、女性に対して恋愛感情や性的欲求を持つ人
G(ゲイ)・・・男性として、男性に対して恋愛感情や性的欲求を持つ人
B(バイセクシュアル)・・・女性に対しても、男性に対しても恋愛感情や性的欲求を持つ人
T(トランスジェンダー)・・・生まれたときに割り当てられた性別とは違う性自認を持つ人
と説明することができますね!
そして、その人の持ってる性の要素を全部まとめて「セクシュアリティ」と呼びます。
さらに!最近では「LGBTQ+」という言葉もよく聞くかもしれません。
「Q」は
Queer(クィア)・・・セクシュアルマイノリティを全て包括する言葉
Questioning(クエスチョニング)・・・セクシュアリティが定まっていない人
を表していて、
「+」はLGBTに含まれないその他様々なセクシュアリティのことを意味しています!
LGBTは、大体11人に1人、つまり1つのクラスに3人くらいいると言われています。思ったより多く感じませんか?
Talk2 SOGI(ソジ)について考える
次に、「SOGI(ソジ)」という言葉について見ていきましょう!
これは、
Sexual Orientation(性的指向)
Gender Identity(性自認)
の頭文字をとったものです。
また、「SOGIE」と表記されることもありますが、これは
Expression(性表現)
を意味しています。
これをもとに考えてみると、セクシュアルマイノリティじゃなくても、自分のセクシュアリティを説明しやすくなります!
たとえば
レズビアンの人だと
SO 「恋愛対象は女性かな~」
GI 「自分のことは女性だと思っているよ」
と説明するかもしれないし、
自分の性別を男だと思っている異性愛の人は
SO 「恋愛対象は女性だよ」
GI 「自分のことを男性だと思っているよ」
と説明することができますね。
「LGBTQ+」は性的少数者の総称で、「SOGI(E)」は性のあり方を表していて、誰でももっているもの。こう考えると、「LGBTQ+」と「それ以外」という分け方がなんだか不自然に感じられるのではないでしょうか。
性のあり方はグラデーション。マイノリティは100パーセント他人、なんてことはありません。
Talk3 Ally(アライ)としてできること・気を付けること
LGBTQ+の支援者のことをAlly(アライ)といいます。
ここでは、アライとしてできることを紹介します。
①SNSでLGBTQ+に関する記事をシェアする
②正しい知識が書かれた本を読んでシェアする
③レインボーグッズを身に付けたり、アライのイベントに参加する
④日常会話でも「男らしさ」「女らしさ」を押し付ける言葉を使わない
ここでは、④に関連して、アンコンシャス・バイアス(隠れた偏見)について考えてみましょう。次の会話を見てください。
「○○さんって彼氏いないって言ってたよね?よかったら来週、友達とごはん行くから来ない?フリーの男の子紹介するよ。」
ここには
「女性だから」⇒男性が好きだろう
「独身だから」⇒出会いを求めているだろう
という隠れた偏見が読み取れますね。
ここで一番問題になるのは、良かれと思って言っている言葉なので、自分のバイアスを肯定するのに抵抗がある、ということです。
それでもアライとしてできることは、そのバイアスを「自覚」することです。
さらに、アライとして生きる中で気を付けないといけないことに「アウティング」があります。
カミングアウト⇒自分の性のあり方について告白すること
アウティング⇒第三者の性のあり方について勝手に暴露してしまうこと
アウティングは、絶対にやってはいけないことで、当事者の心を大きく傷つけてしまいます。自分で抱えきれなくなったときは、秘密を守ってくれる相談窓口に話を聞いてもらいましょう。
では、カミングアウトされたら、あなたはどのように反応すれば良いのでしょうか。
✓最初の対応は?
✓その情報を今後どう扱う?
✓職場として配慮できることは?
正解はないけれど、周りの人と話し合ってみたりして、自分なりに考えてみましょう。
その他にも、LGBTQ+の人たちはさまざまな場面で困りごとに遭遇しています。
①「透明化」・・・「まさか自分の周りにLGBTQ+なんているはずがない」と思い込むこと。
②「ステレオタイプ」・・・それぞれのセクシュアリティを過度な偏見の枠に押し込めて「面白い存在」「素敵な存在」「ゲイだからオシャレ」と扱うこと。
③「マイクロアグレッション(小さな攻撃性)」・・・1つ1つは大した攻撃力を持たなくても、積み重なるととても大きな傷を負わせてしまう行動や言葉です。
たとえば
・望まない代名詞で呼ぶ(「彼」「彼女」「お父さん」「お母さん」)
・見た目や服装について「性別にふさわしくない」と指摘する
などなど、たくさんありますね。
次の2つのグラフからは、LGBTQ+の人たちはマイクロアグレッションに苦しむ割合が高かったり、差別的言動やマイクロアグレッションの多い職場は心理的安全性が低い、ということがわかりますね。
個人でアライとして行動しようとするのはもちろん、その仲間を増やしながら組織として取り組んでいくことがいかに大事か、というのがよくわかるデータになっていると思います。
フェローの体験談
ここからは、ピルコンのフェロー3人が、アライとして行動する中で体験したことをお話しました。
無理解な反応、課題としては、
・友達が配慮のない発言をしていたとき、「それはあまり良くないんじゃない?」と伝えても理解してもらえなかったこと
・セクシュアルマイノリティの友達と話すときに電車の中で話題を深掘りしてしまい、不特定多数の人がいる中で話させてしまったこと
また、パンセクシュアル(好きになる性別を問わないセクシュアリティ)を自認しているフェローからは、
・「彼氏いるの?」という聞き方
⇒どんな性別の人と付き合っているかを決めつけていて、まさにセクシュアルマイノリティが「透明化」されていますね。
・カミングアウトをしたら、「ああパンセクね、知ってる知ってるー」とパンセク(=パンセクシュアルの略)として、ひとまとめにされたと感じたこと
してもらえて助かったこととしては、
・アライである自分も、周りにアライであるという意思表示をしてくれる人がいるだけで勇気を貰える
・分からないことを素直に質問してくれたこと
・カミングアウトしたことに対してありがとう、と言われたこと
・秘密は守るよ、と言ってくれたこと
・恋人、パートナーという言い方をしてくれたこと
などについてお話しいただきました。
ぜひこれを参考にして、皆さんもアライとしての行動に活かしてみるのはいかがでしょうか!
ディスカッション
最後に、参加者のみなさんでディスカッションをしました。
今回のテーマはこちら!
アライとして行動する中で、どうしたら驕らずに行動できるか、
どうやってアライの輪を広げていくか、など、具体的な方法を話し合いました。
私が改めて思うのは、LGBTQ+の支援者、アライとしての行動に正解はないということ。人がそれぞれ違うように、してほしい対応や行動もその人によって変わってくるはずですよね。わからないことがあったら素直に相手に聞いてみたり、もし自分の行動で傷つけてしまったら、すぐに謝ってそれ以降の行動に活かしたり、コミュニケーションを通じてヘルシーな人間関係を築いていけるように心がけていきましょう!
参加者アンケート
参加者のみなさまから、講演後にアンケートを記入していただいたので、
その結果を少しだけシェアさせてもらいます!
Q. 講座を通して初めて知ることはありましたか?
全ての人が「とてもそう思う」「そう思う」と回答してくださいました!
Q. 講座はあなたの役に立つと思いましたか?
71.4%の方が「とてもそう思う」、28.6%の方が「そう思う」と回答してくださいました!
みなさまからは、
✓私たちの想いを共有し、課題を再認識することができたので、これからも一緒に頑張っていければと思います!
✓パレットークの漫画がとてもよかったです!読みたいと思いました〜
✓どうしたらアライだということを表明するだけではなく、安全性も伝えていけるのか、答えはまだ出ませんでしたが考えることができたことはとてもいい機会でした。
などなど、素敵な感想を頂きました!本当にありがとうございます!
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それでは次回もお楽しみに!
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この記事を書いた人⇒ゆきこ💛
早稲田大学の3年生で、ピルコンのインターンとして活動に参加中。「性について気軽に語れる場をつくっていきたい!」という気持ちから性教育に興味を持つ。最近は、世界の性教育に興味あり🌏