研究者を目指す君へ ~謙虚になろう~
4月から後輩が博士課程に進む。
そんな後輩に絶対に覚えていてほしい心構えがある。
それは、「謙虚になりなさい。変なプライドは捨てろ。命取りになる。」
はじめに
こんにちは、博士課程単位取得退学者のぴくむんです。
いつもは人生において役に立つ情報を発信していますが、
この記事はターゲットを絞って研究者を目指す人に絞って発信します。
私は研究者を目指して、物理科学系の大学院に進学し、博士課程まで進みましたが、D3で力尽き、単位取得退学という形でアカデミックの世界を去りました。
今ではだいぶ博士課程の情報は出回っていますが、
失敗した人の情報というのは負い目を感じて発信されないことが多いと思いますが、勇気を出して、アカデミックの世界で討死した側からの目線を発信したいと思います。
研究者を目指したい人の役に立てればこれほど嬉しいことはありません。
本文
博士課程に進む人間は、「謙虚になって、変なプライドは捨てた方がいい。」
別に君が安定したポジションにつけたら、いくらでも奢りたがぶっても構わないが、安定したポジションにつくまでは、決してこのマインドを忘れて欲しくない。
博士課程は不安定な道である。
時には、「明日なんてきて欲しくない。」っと真剣に願う日がくるだろう。
そんな時に、「変なプライド」というのはひたすら自分を苦しめることになる。
そんな状況に追い込まれた際に、しなければならないことは
素直に悲鳴を上げることである。
素直に人に頼ることである。
素直に自分の運命を受け入れることである。
残念ながら、「変なプライド」が邪魔をしてできないことがある。
ちょっと私の話をさせてほしい。
私は、自分では意識してなかったが、極限状況において、変なプライドが働いた。
指導教官に対して、悲鳴を上げられなかった。
「これ以上私をイジメたら、もう研究を辞めます」
と言えなかった。
私は指導教官に黙って、大手企業の締め切りが終わっている変な時期に就活を始めた。
さらに就活中も苦しんだ。
なんで学振も通って、国際論文も書いて、海外研究者と共同研究もこなしてきた私が、こんな5つも年下で某Fラン大学の勉強も全くしてこなかった人と同じ待遇で、よくわからんブラックじみた企業に就職しなければならないのだ。
っと本気で思ってた。
後輩は、ほぼ全員上場1部(プライム)の会社に入ってエリート街道を進んでいる中で、こんな目に会うのか。
という状況に陥った。
この状況を見て
「生きている限りいろんな選択肢があるから、別にそんなに苦しむ必要もないと思うし、博士課程というリスクをとった上に研究者になることしか考えずになんも準備もせずに就活にしている時点で自業自得だろ。」
っと言われても、なんも反論できないし、する気もない。
その通りである。
しかし、当時の私は本当に辛かったのである。
こんなに頑張ったのに、死ぬ思いをして研究したのに、結局行き着く先は、地獄かよ。
っと辛かった。本当に辛かった。
それでは、なぜこんなに辛い状況に陥ったのか。
それは、「変なプライド」を自分の中で消せなかったからである。
結局のところ、
指導教官にちゃんと悲鳴を上げていれば、なんとかなったのかも知れないし、
休学せずに、就活に逃げるぐらいなら、ちゃんと就活の準備をしておくべきだったし、
同期がそんなFラン大の人でも給料が20万でも、雇ってくれる環境があるだけで、感謝するべきだし、
そもそもまずは、大学の就活センターに相談に行くべきだったと思う。
しかし、私はそれができなかった。
「変なプライド」と緊急事態のことで視野が極限まで狭くなり、柔軟な対応を取ることができなかった。
博士課程が博士号と取れずに、就活をするのはよくある話である。
そして、企業側もある程度それを理解してくれる。
どんな企業も人も、一旦はちゃんと話は聞いてくれる。
そして、ちゃんと謙虚な姿勢で向き合ったのであれば、前向きな検討はしてもらえる。
しかし、それらの選択肢を消してしまうのは、こちらの「変なプライド」のせいである。
そんな私みたいに苦しまないためにも、
まずは「謙虚になろう。変なプライドは捨てよう。」
辛いときは、指導教官にちゃんと伝えよう。
もし指導教官が頼れないのであれば、大学の相談窓口に相談しよう。
それも難しいのであれば、ネットで誰かに頼ろう。
そうして、変なプライドを捨てて、いろんな人と話しながら、
ゆっくりと自分の足元を見てから行動しよう。
そうすればきっと、マシな未来が待っているさ。
あとがき
結果的に自分の就職先は、自分にとって納得いく企業に収まることができました。本当に感謝しております。
これからはweb業界でスキルを磨き、博士課程を中心とした大学院のためのwebインフラツールを開発しようと思っております。
少しでも、これから出てくる研究者の卵の支援ができればなと思います。
何かあれば、連絡してください。
私の陥った失敗を避けるぐらいのアドバイスはできます。
もし自分に興味があれば自己紹介noteがあるので読んでくれると嬉しいです。
自分が研究者を目指していたときに、もっと先輩の情報が欲しいという思いをきっかけに、「博士の口コミ」サイトを開発しています。現在アルファバージョンを公開中です。もしよろしければ、簡単に使っていただき要望など教えていただけると非常に助けになります。
Twitter : https://twitter.com/pikum55
フォローしてくれると嬉しいです。
ありがとうございました。
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