君は文明の当事者である 超訳:学問のススメ 福沢諭吉著
世間というのは、急流や台風の様だ。この勢いに対抗してしっかり立っているのは、もちろん容易なことではない。強い勇気がなければ、知らず知らずのうちに、流され、なびかされ、もしかするとその足を失う恐れもあるだろう。
はじめに
こんにちわ。ぴくむんです。
私は、自身の才能のなさからプレイヤーとして研究に関わるのを諦め、未来の研究者を支援をする活動を通じて、学問の世界に貢献しようとしている情報発信者になります。
活動としては、
・研究者を目指す方に役に立つような情報発信
・研究に関わりのない人が研究に興味を持ってもらうような記事の作成
・博士課程のための口コミサイト開発
をメインでやっております。
超訳:学問のススメは、明治時代に超ベストセラーになった福沢諭吉の「学問のススメ」を超訳して、現代に落して書き直したシリーズになります。現代でも十二分に使えるエッセンスだらけだと思います。
この記事は、学問のススメ第五編 「明治七年一月一日の詞」を取り扱っています。
この記事を通じて、少しでも学問というものに興味を持っていただけたら嬉しいです。
では、よろしくお願いします。
本文
近年、太平洋戦争が終わり、ボロボロだった日本は何とか立て直し先進国としてなんとか地位を維持しているが、皆様が感じる様に何となく、他国との研究力の差や経済力、そして竹島をはじめとして尖閣諸島の領土問題を考えると、我が国の独立が、薄弱なことを感じる。
これらを解決するためにはどうすればいいのか、
今日は、そのことについて考えていこうと思う。
まずは、文明というテーマから入っていこうと思う。
文明は2つモノから構成される
文明とは、形のあるものと形のないものに分けられる。
形のあるものとして、挙げられるには学校とか工業とか軍隊である。
形のない文明として考えられるのは「人民独立の気概」である。
これは、目に見えなく、売り買いもできなく、貸し借りもできない。
しかし、これは国民全員が持っていて、その作用はたいへん強い。
この「独立の気概」がないことには、形ある文明を上手く使いこなせず、意味のないものになってしまう。
あくまで、学校で学ぶのは他国と対等に議論できる様になるためだし、工業で働くのは他国との貿易戦争で戦うためであり、軍隊に関しては言うまでもない。
だから、「独立の気概」をもってないことには、たとえ、何か自分で得ることがあったとしても、世界で戦う際には何の役にも立たない。
結局は風潮が原因
そもそもなんでこんなに国民が無気力な原因を追求してみると、何となく風潮で学校に行って、何となく風潮で働いているからである。
自分の人生を、何となく社会という大きい流れが決められている気分になっている。これでは、自分の国のことを仮の宿のように考え、深く切実に思うことなく、またその気力を表す機会も持たないことになる。
この様な風潮が、何となく海外移住でいいよね。日本は終わり日本脱出したいわ。みたいなことを言いだす輩を育ててしまったのだと思う。
大体のこの世の物事は、進歩しないものは必ず衰退する。
名言として、「現状維持は衰退」という言葉があるぐらいだ。
今の日本を見えていると、形としての文明は、何となく他国に追付いできているが、文明の精神は日に日に衰退している様にしか見えない。
一般的に、国の文明というのは、上流である政府から生まれるものではなく、下流である無学の国民からうまれるものでもない。
必ずその間の中流から生まれるものである。歴史的発明である蒸気機関車の発明者ワット、世界で始めて経済の法則を論じたアダムスミスはみな中流の人間である。
各々の役割を全うしなければならない
よって、文明を進めるのは、学がある国民であり、それを保護するのが政府の役割である。
このように、文明を進めるのが自分自身の役割であるように考えることができれば、互いに競い合い、互いに羨み、互いに誇り、自分の国に何か褒めるべきことがあれば、全国民で祝福をして、他国に先を越されるのを恐れる様になる。
この様になって始めて、学校とか工業とか軍隊が生き生きとし始め、国の独立へと繋がるのだ。今の日本を見ていると、やはり国民の文明への当事者意識が皆無に等しい。これでは、何のための教育か工業かわからない。まるで植民地の様だ。
この文章を読んでくれてる人へ
さて最後に今の学者に向けて愚痴を言ってから、〆る。
先ほども言った通り、学のある国民の重要性は極めて高い。
しかし、今の学者は大学機関に任期付なしで就職することで頭がいっぱいになっている。そして、その様な機関でポストを手に入れても、そのことに満足せずに大学教授や機関長のような上の地位を目指そうとして、意味のない事務仕事に奔走して、無駄に心身を疲れさせている。
とてもバカバカしいことに思えるが、彼らはそれで満足しているし、まわりもまたそれを不審に思わない。
文明を育てる立場にある学者として、その文明の精神が日に日に衰えているのをただ傍観しているのみで、これを真剣に心配するものがいないのは、実に嘆かわしいことであり、非常に残念なことである。
しかし、そんな中、私の文章を読んで、何か行動しようと思ってくれる人がいるかも知れない。そんな君にメッセージを送る。
世間というのは、急流や台風の様だ。この勢いに対抗してしっかり立っているのは、もちろん容易なことではない。強い勇気がなければ、知らず知らずのうちに、流され、なびかされ、もしかするとその足を失う恐れもあるだろう。
そもそも勇気というのは読書して得られるものではない。読書は学問の技術であって、学問は物事をなすための技術に過ぎない。実地で物事に挑戦した経験がなければ、勇気は決して生まれない。
このことに留意して、君たちは、その方針をしっかり定めて、覚悟を決めて挑むことだ。
あとがき
1章あたりの文量はそこまでありませんが、非常に力強さを感じます。
自分は、
のあたりは、めちゃくちゃビビりました。
確かに、自国のことを仮の宿と考えている人があまりにも多い気がします。
これでは諭吉先生は激おこぷんぷん丸になってしまいそうですね。
微力ながらもみんなで頑張って、諭吉先生に「オケマル水産」と言ってもらえるように努力しましょう(笑)
現代で使えるようなエッセンスばかり詰まっていると本当に感心します。
偉人は凄いですね。
他の章の超訳は以下のマガジンに纏めているので、興味があれば是非ご覧ください。
原作の学問のススメは著作権が切れているので、無料で読めます!
自分が参考にした現代語訳はこちらになります。
次回は、福沢諭吉の考えるカリスマ論にてお会いしましょう。
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実学 ビジネス編
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最後まで読んでいただきありがとうございました。