
あなたには面白い物語を書き上げるための秘策がありますか?
あなたが面白いストーリーを量産する上で最も重要なものとは何でしょうか?
次々に登場する個性的なキャラクターたち?
刺激的かつ斬新で珍しい世界観?
ところがそうではありません。
もちろん、あなたの物語を読んでもらうためには「魅力的な主人公」や「素敵な舞台設定」が非常に大切です。
しかし、一人で生み出す世界観はどうしても似通ってきますし、キャラクターを量産することにも限界があります。
「素晴らしい舞台」「魅力的な登場人物」「壮大な背景」などは、誰もが初めに考えつき、書きたがります。
しかし、それらを活かすための大きな構想がないと、思いついた時のインパクトを超えられなくなり、徐々に士気が下がり、結局出だしだけで終わってしまいかねない甘く危険な罠なのです。
そうなれば、次々に面白キャラを思いついても、最後までストーリーを書きあげることができず、モチベーションも上がらないまま終わってしまうでしょう。
実際、そんな方は多いのです。
そうならないためには、具体的にどのような創作技術が必要なのでしょうか?
実は、面白いストーリーを作るためには、良いキャラクターを考えるだけでなく、キャラクターが自然に湧き出てくる仕組づくりが不可欠なのです。
そのために必要な要素の一つは「サプライズ」です。特にものを言うのは「先の読めない意外な展開」のテクニックです。
このテクニックを使うことで、あなたのもとに「こんな展開にするので、こんな人物を登場させて欲しい」という物語からの要請が届くのです。
読者をアッと言わせる「どんでん返し」はエンタテインメントの醍醐味です。
ミステリーの犯人当てはほとんどが「どんでん返し」の祭典です。
それ以外のジャンルでも、『青い鳥』『あしながおじさん』や『アナ雪』から『スターウォーズ』『トイ・ストーリー』に至るまで、数えればキリがありません。古今東西の名作には、当たり前のように、キレの良い「どんでん返し」が入れられているのです。
そのどんでん返しのポイントは「Aだと思ったらBだった」というロジックにあります。
作者側から見れば「Aだと思わせておいて、Bを出す」というテクニックです。
泥棒の正体は、よそから来た目付きの悪い流れ者(A)だとばかり思っていたら、実はあなたの家の隣に昔から住んでいる優しいお爺さん(B)だった。
これがどんでん返しの典型的な形です。
うまく読者をだますためには、(A)にアリバイがなかったり、(B)がその盗難によって迷惑を被っていたりするとさらに効果的です。
つまり、いかに囮の(A)を疑わせ、いかに本命の(B)の姿を隠すか。これがどんでん返しのコツなのです。
そして、どれほど複雑なストーリー展開であろうと、全てをこのアイデアから逆算して組み立てていくことで、齟齬や矛盾を回避しつつ最後まで完成することができるのです。
なぜならば、あなたのたどり着くべきゴールがそこにはっきりと示されるからです。
これこそがストーリーテリングの中核となる技術なのであります。
エンターテインメントにおいては、読者をびっくりさせるために物語は語られると言っても過言ではないのです。
このどんでん返しの作り方をマスターしさえすれば、あなたの作るストーリーには強力な武器が組み込まれます。
それは、読者の心を打ち抜き、あっと悲鳴を上げさせ、驚きで動けないようにした挙句、なんとあなたの作品の虜にしてしまうのであります。
あなたの作品をもっと楽しく読んでもらいたいのなら「どんでん返し」は非常に有効なサプライズです。