半笑いのポッキーゲーム【毎週ショートショートnote】
素敵企画参加させていただきます!
400字って意外とすぐきてしまうな〜
お題:半笑いのポッキーゲーム
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『ほら、やるぞ』
「え、この画面越しに?」
『うん。ちゃんと買ってあるよな?』
「買ったけどさあ」
就活で落ち込む俺に、ポッキーを買っておけと言った親友。突然何かと思えば、オンラインでポッキーゲームをするとのこと。何だよそれ、前代未聞だ。仕方なく封を開け口に咥えた。
顔を上げるとスマホの画面目一杯に広がっていたのは、唇を窄めてポッキーをこちらへ差し出す親友の姿だった。かなり馬鹿馬鹿しい絵面に、思わず口の端が緩む。コイツとはいつも馬鹿なことばかりしていたんだった。なんだかこういうのは久々だ。お互いが部屋で一人、咥えたポッキーをニヤけながらスマホへ押し付けている。こんな姿、誰かに見られたら頭がおかしくなったと思われるだろうな。そんな事を考えた時、不意に部屋のドアが開いた。弟の純だ。
「ねえ、ちょっと漫画貸し……うわ! お母さーん、兄ちゃんがおかしくなったー!」
……ああ、完全に終わった。そんな俺を見て親友は満足そうだった。(411字)
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