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生涯現役貫くプロレスラー

 徳島出身のプロレスラー・拳王選手の凱旋試合を観戦するために、徳島市のとくぎんトモニプラザへ行きました。会場に足を踏み入れると、1321人の大観衆。地方大会では珍しい選手入場時の赤や青のカクテル光線とスモークの演出。観客のボルテージは第1試合から最高潮へと達しました。
 この日は試合だけでなく、特別ゲストの格闘王・前田日明氏のトークショー、徳島市出身のキックボクサーのノブ・ハヤシ氏のテンカウント引退セレモニーもあり、見どころ満載の3時間でした。
 その中で特に関心を持ったのが、75歳となった今もなお現役のプロレスラーの藤原喜明選手の存在です。故アントニオ猪木選手のスパーリングパートナーを長年務めた実力者ながら、縁の下の力持ちに徹し、所属する団体の屋台骨を支えてきました。
 藤原選手は以前に胃がんを患い万全の体調ではないのは一目瞭然でした。しかし、リング上では自分の役割を熟知し、若手選手を相手に得意の関節技や一本足頭突きで場内を沸かせました。まさに、いぶし銀の輝き。今の自分を受け入れた上で、さらに可能性を信じて前進し、生涯現役を貫く、これが彼の生き方なのです。体調には気をつけられて来年もまた、その雄姿をリング上で見たいものです。
2024年7月27日 徳島新聞「読者の手紙」掲載

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