見出し画像

【あと460日】東京都港区に開園するプリスクールが重視する『遊びからの学び』と親の苦悩。

こんにちは!2025年春、東京都港区に『こども、親、教職員の三方よし』をコンセプトに掲げた英語環境のピッカス インターナショナルプリスクール(認可外保育施設)を開園するワンオペ起業家ママ、中川早智子です。

年始から悲しい出来事が続きました。北陸は大好きなところで、友人も暮らしている何度も訪れた場所です。復興を祈ること、小さな支援をすることしかできませんが、まずは自分がきちんと前を向いていきたいと思います。被災された皆さんの暮らしが一日も早く落ち着きますように。

2024年もnoteでは新規開園に向けて深く幼児教育への想いを綴っていきます。引き続き応援のほど宜しくお願いいたします。


子どもに育んでほしい力

3歳になった娘には、小学校にあがるまでの間は読み書きや算数などの認知能力と呼ばれる目に見えやすい学力を受動的に身に着ける時間よりも、基本的な生活習慣を身につけ、そして自発的な遊びのなかから自分の好きなことを見つけたり、没頭したり、物事に疑問を持って探求したり伝えたりする経験を積むことを優先させてあげたい、と考えています。

その上で自分から運筆、数字や文字を始めとする学習に興味を持つことで意欲や自信を身に着けたり、創造性、協調性などの非認知能力と呼ばれる生きるちからを育み自分自身の可能性を広げて未来を切り拓く力をつけてほしいという気持ちで日々の子育てに向き合っています。

認知能力とは知的な力で、知識・技能、思考力等を含む。非認知能力は、意欲・ 意志、自覚し見渡す力、人と協力する力等を含む。 
  ー文部科学省HP 中央教育審議会 初等中等教育分科会参考資料より抜粋

https://www.mext.go.jp/content/20210901-mxt_youji-000017746_2.pdf


根底にあるのは、トップ企業での人事採用の現場でこれからの時代には特にそのような非認知能力が仕事上でも不可欠だと痛感したこと、それからそのような能力を育んできた人材の採用に苦戦してきた経験です。

2025年に開園するピッカス インターナショナルプリスクールでは、基本的な生活習慣を整え落ち着いた環境のなかで過ごすことを何よりも大切にした上で、受動的な学習よりも”遊びのなかから学ぶこと (Play based learning)”を優先します。

非認知能力を伸ばすことに力を入れ、モンテッソーリやイエナプランなどの教育哲学を始め、海外の保育で実践されている様々な興味深い手法を取り入れた自発的な学びを促す仕掛けをたくさんご用意しています。

ただ、遊びのなかで育まれる非認知能力は数値では測りにくく目に見えにくいものです。だからこそなんでも数値で測りたくなりがちな私達大人にとって、日常のなかで子どもが遊びのなかから学ぶ環境を優先する姿勢は実は簡単なことではなく、周囲からの視線に左右されない親の覚悟や心がけがものすごく試されるのだと自分自身が親になった今初めて気づき、深く実感しています。

子育てのなかで感じてしまう焦り

幼児教育の現場で実践を積み、子ども達一人ひとりに寄り添った保育への想いが強すぎて自分でプリスクールを開園してしまう私ですが、実は娘が成長するに従ってついつい娘をまわりのお友達の発達や能力と比べて焦りを感じてしまっている自分を先日自覚してしまい愕然としました。自分は子ども同士を比べることはないと思っていたのに!

娘ができていないこと、例えば同じクラスの子どもが時計を読めていると聞けば焦り、おしゃべりが上手だと焦り、キックバイクに乗れていれば焦り、お箸を使って器用に食べていれば焦り。なんでも美味しそうに食べられていると焦り、オムツが取れていれば焦り、一人でねんねができると聞けば焦りを感じていました。おもちゃを貸せない娘に焦り、人前で癇癪を起こすと焦ってソワソワしてしまう私・・・。

例を挙げだすとキリがありません。周りのお子さん達ができていたら、あらできるのねぇ、と微笑ましく感じてどんなことに取り組んでいるのかを知って参考にする、それだけで充分すぎるはずなのに。

幼児教育と保育を学んだ知識と実践から、子どもたちの成長や発達のペースはそれぞれ違っていて細かく比べる必要はないことはよく理解しています。それなのに我が子の話になると話は別なようで、こんなに「知識」やら「発達」で我が子を見比べて焦ったりするなんて!

"保育者としての私"と"親である私"

保育現場で働いていたときには個々の成長や発達を目指した関わりをしており、単純に子ども同士を比較することなどありませんでした。この違いはやっぱり我が子だからなのだろうか。本能的なもの?娘の成長に一喜一憂する自分自身を観察するなかで、保護者だからこそ子どもの「できる」と「できない」をどうしても気にしてしまうのには、大きくふたつの理由がありそうな気がすると思うようになっていきました。

ふたつの理由、ひとつめはシンプルに親として愛する我が子が愛おしくて「できる」を感じられた時がすごく嬉しいからこそ「できない」が気になってできるようにさせてあげたくなってしまう気持ち。(おせっかい。)

そしてもうひとつは子どもの成長によって自分の子育てがジャッジされてしまうのではないかという気持ちです。子どもの「できる」と「できない」というフィルターを通して自分たちが評価されているような不安。

『親の育て方が悪いからーーー。』
『まだできないのーーー。』
そんな目を向けられたくなくて、自分の子育てが間違っていない確信を持ちたくて、一生懸命きちんと毎日育児を頑張ろうとすればするほどチェックリストをコンプリートしたくなって、子どもの「できないところ」につい目がいきそうになっているのではないだろうか。

子どもの成長を気にしているようで、本当のところは時計の読み方を教えられていない私が、言葉を増やしてあげられていない私が、キックバイクを好きにさせてあげられていない私が、お箸を練習させられていない私が、癇癪を起こさせている私が、周囲からどう見られるか気になって焦ってしまったのかもしれない。

だから目に見えにくい協調性や好奇心、発想力、意欲などの将来的な可能性を広げることよりも、物差しで測りやすい「できること」を増やしたくなってつい躍起になってしまったことは一度もなかっただろうか。

時計の読み方を教えられていれば、言葉が増えていれば、運動が得意であれば、周りの子と同じくらい、若しくはもっとできていれば、それは“子育てをしっかりしている証”なように、世間の評価が上がるように、親としての義務を全うしているように思えて安心できるかもしれない。

でも、その物差しによって感じる親の安心感は子ども達それぞれの成長や学びのペースを尊重したものだっけ?

遊びのなかから学ぶ社会が広がるために

本当は今回『遊びのなかで育まれる非認知能力が大切な理由』というテーマにしてnoteを書こうと思ったのですが、綺麗事を書くより非認知能力を育む環境づくりで親として感じる複雑な気持ちに向き合って整理してみたくなりました。このnoteを書きあげるまでに年末年始をはさんでとても時間がかかってしまったけれど、少し自分に向き合えた気がしています。

非認知能力を育みましょう、ということは近年文部科学省からも求められていますし、多くの書籍やメディアで目にする機会も増えています。ですが私達保護者はそんな新しい価値観を求められながらもまだまだ目に見えやすい物差しで子ども達を測る世の中で、もがきながら頑張っているような気がしています。

焦ってしまったり不安を感じてしまったり比べてしまう保護者の気持ちはしょうがないものだと、否定せず自分を認めることも必要なんじゃないかと思いました。そして少しずつ社会全体が物差しでは測れない幼児期の学びについて理解を深めていけるように、ピッカスとしてできることから貢献していきたいと思います。

ピッカスができること

ピッカスでは『保護者に寄り添うこと』をとても大切にしています。それは保護者の育児負担を減らすことだけではなくて、目に見えにくい子ども達の学びや成長を感じられるように伝えることでもあるはずです。

子ども達それぞれの素晴らしいところ。遊びのなかからどんなことを学んだのかということ。どんなことを考えているのかということ。遊びに没頭した時間がどんなところで活きるのかということ。それぞれの子どもにとって今必要な支援は何かを伝えること。

保育者が保護者に対して専門的な知見を丁寧に伝えていくことも、三方よしを目指す上で欠かせない、大切な保育のひとつです。

見守り続ける難しさを理解する

これまでのところは娘に対してそんな親の複雑な気持ちをダイレクトにぶつけることなく心の中に留められてはいますが、これから子どもが歩んでいく長い長い競争社会のなかで、果たして私は子どもの成長を温かく見守り続けることはできるのでしょうか。そうありたいと思いながらもちょっと強い自信が持てません。このnoteを未来の私が何度も読み返しますように。親になるって、そんな焦りや不安との戦いでもありそうです。

『子ども達への教育に選択肢を。』という目標を掲げたプリスクール事業。ピッカスへの入園を決めてくださった皆様へ子ども一人ひとりの良さを伝え、遊びからの学びを共有できる質の高いプリスクールとして、こども、親、教職員に寄り添っていきたいと思います。

ナカガワ

マイクロソフト採用人事を経て2023年8月末に退職。2025年春、子どもたち自身だけでなく、家族、教職員がともに『心地よく』過ごし『学び』続ける英語環境のインターナショナルプリスクールを東京都港区に開園予定。

人事業務で感じたこれからの人材育成や、多様な一人ひとりの個性を大切にした選択肢としての幼児教育環境づくりに貢献していきたいと考えている。

園に関するお問い合わせはこちらからお気軽にお待ちしています!
info@pikkasinternational.com

いいなと思ったら応援しよう!

中川早智子| ピッカスインターナショナルプリスクール
最後まで読んでいただきどうも有難うございます。これからも応援よろしくお願いいたします! 記事はすべて無料で配信しています。サポートも嬉しいですが、スキはなにより励みになります☺

この記事が参加している募集