オープン8マスターズ向け 戦略解説[Shadowverse EVOLVE 森羅鋼鉄]
オープン8マスターズを戦い終わったので、体験記を攻略記事風味で書いた。大局観をベースにそこから構築やプレイにも少し触れている。
筆者は取り立ててオープン8をたくさんプレイしているわけではないが少し練習をしたところ、森羅鋼鉄環境では大阪GPのサイドで3-0、神奈川予選で6-1(3位)とそこそこ勝てておりなんとなく一定の理解ができたと自認しているので書き記しておく。筆者に特に実績はない。アプリ版のRAGEマネフィぐらい、大阪GPは個人5-2チーム4-3だった。
無料部分に自分の理解すべてが書いてある。有料部分は実際にマスターズで配布されたカードプールとデッキ構築の思考過程、実際に使ってor使われて思わぬ活躍をしたカードが書いてある。やる気満々の方々は無料部分に満足したら購入してひとつの例として参考にしてほしい。
なお、やる気満々ボーイを読者に想定しているためカードの画像を貼る面倒な作業は省略させていただく。当然カードプールは頭に入っていることが期待されているので、そうでない諸兄は以下のリンクからリストを眺めたのち本編へと進んでいただきたい。
当サイトに使用しているカード画像は、Shadowverse EVOLVE公式サイト(https://shadowverse-evolve.com/)より、ガイドラインに従って転載しております。該当画像の再利用(転載・配布等)は禁止しております。© Cygames, Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.
代表的な試合展開とその要因
序盤(~4T):小物で面の取り合い
中盤(5T~):デカブツの押し付け合い
終盤(8T~):リソース勝負(中盤からのなだれ込み)
区分は参考まで。以下詳述する。
①序盤:小物で面の取り合い
だらだらと面の取り合いをすることになる。全フォロワーが突進できる以上、このフェイズではそれほど顔が削れず、先攻でも5~6点程度削るのが関の山である。
進化フォロワーが強いのはもちろんだが、ハルバードやワルツのように一方的に面に打点を飛ばせるカードが強い。実はムニャールもこの枠でかなり仕事をする(もちろん殴られた時に1点しか返せないため例えば2/3/2に突進されて一方的に取られる脆さもある)。また、そもそもスタッツを重視して採用すべきである。機械シナジーがあるからといって問答無用で進化できないメカゴブリンを入れるべきではない。
②中盤:デカブツの押し付け合い
5マナあたりから、スタンドして脅威となりうるフォロワーが登場し始める。ラピスやセタスはもちろん、進化があるギャル天使なんかも相当なプレッシャーになりうる。ライフやハンドの状況を見て、このあたりから攻めが成立しうる。ただし、当然相手の盤面に付き合う必要もあるから、それほどスタンドが通るわけではない。スタンドにスタンド返しをされた時に取りにくいという話もある。
デカブツの質はパックの運による。上述のものに加え、ベルフォメットや機械神などのスタンドは恐ろしい。最も恐ろしいのがバーサ―クデーモンの進化セットで、あらゆるボムレアを2面吹っ飛ばしてくれる。頼もしい。
ライフ状況はというと、序盤を生き残った小粒の継続的な打点に加え、デカいスタンドフォロワーを処理できるカードが限られることから、何発かいいパンチを食らうことがある。たまにミストリナが颯爽と殴りこんできてライフレースを壊していく。しかし、顔を殴ると相手にボード処理の主導権がわたってしまうからリーサルの算段を立ててからやりたいが、カードプールに疾走はわずかしかない(ムニャール、獣戦士、一応ミストリナとライリー)から、算段は立ちづらい。また、回復も多く、レア枠ではラピスとセタス(毎ターン4回復!)、そして最強のトレント先輩といぶし銀のリペアモードがあるから、リーサル計算はずれやすい。かくして、中盤も双方面の処理に頭を悩ませ、試合は終盤へともつれ込む……
③終盤:リソース勝負
そしてだいたい8Tあたりから、ハンドリソースが枯れ始める。主な要因は二つあり、ドローソースの不足と、カードプールに2コス以下が占める割合の高さである。大事なことなので詳述する。
プールを見るとわかるが、プレイすると手札を増やせるカードはない……と話を始める前に、「手札」「ハンドリソース」のこの記事での用法を軽く定義しておく。といっても大層なことではなく、「ナテラ」「リペア」「プロダクト」等のトークンは1枚と換算しない。これだけである。ここまで書いてきた通り、オープン8は面の取り合いであるから、リペアやプロダクトはほとんど誤差である(プロダクトの起動効果はリソースの消耗が激しく1枚としてカウントすると価値の評価を誤る)。ナテラも手札は増えない。「いらないカード」が変換されて実質+1枚です!という反論はありうるし、実際手札の入れ替えは強いのだが、結局ライフを詰めるうえで何枚フォロワーをスタンドでき、何枚除去を飛ばせるかが極めて大事になる。手札1枚の価値が極めて高いことをご理解いただきたい。
さて本題に戻ると、プールに手札を増やせるカードは少なく、ライリーと機械生命体、一応ファーザーのみである(たぶん)。いわゆるキャントリップ、1ドロー付きで手札が減らないカードもそれほど多くない(探してみてほしい)。その上、カードプールの半分以上が2マナ以下のカードであり、中盤以降は1ターンに2枚以上カードを使うこともざらである。結果としてこのフェイズになるとハンドが枯渇する。そうすると、相手のアクト状態のデカブツを上から踏めるフォロワーや除去の供給が途絶えて面処理が不完全になり、勝敗が決する。スタンドフォロワーを取れるカードが限られるため、大型フォロワーが大量にスタンドしてライフが無くなることもあるが、これもハンドリソースの枯渇に起因すると考えてよいように思う。こちらも大量にスタンドを立て続けられるなら、相手は立てたフォロワーで殴れない。
ちなみに筆者は自然寄りのデッキをプレイしたが、山はかなりの試合で残り2枚とかになった。
それを前提としたプレイと構築
<プレイ編>
①先後について、ハンドが1枚多いこと、進化権で面処理のイニシアチブを最初に握れることから基本的には後手が有利だと思っているが、引けたリソース補充カードとボムレア次第では先攻を取るべき場面が存在すると考える。
先攻のメリットは多少顔が詰めやすいことと特定のPPが先に来ることである。前者については例えば「ミストリナ+隠者進化回収ミストリナ」や「メイシア進化+一刀」のような大打点の飛び道具が引けている場合、後者は最強の蓋であるティラノサウルスがある場合などだろうか。特にティラノがある場合、面に立てて最も強いベルフォメットが7コストである都合上、先攻の恩恵は大きい気がする。
デメリットのリソース不足についても、機械生命体や加速兵などリソースがつながるカードが多く引けている場合緩和される。またこれらのフォロワーは面を作れないため(進化があれば別)、先攻の方が置きやすいという点も指摘できる。
②マリガンだが、キーカード全力のハードマリガンを推奨する。
先に述べた試合展開を想像してほしい。中盤の面の取り合いから終盤の蓋まで、ボムレアの枚数がかなり勝負に直結する。セタス・ラピス・機械神・ベルフォ・上下バーサ―クなどは一枚で複数枚分の働きをし、試合を大きく優位にする。これらのカードをドロー回しでボードアドバンテージを失わないままにたたきつけるためにも、マリガンでの実質4ドローが欠かせない。
また、後述するが、構築がカードプールの都合上どうしても低コストまみれになるため、ハードマリガンが裏目に出にくいことも指摘できる。全フォロワーに突進が付与できるため進化フォロワーをどうしてもキープしないといけないこともない。
③プレイ一般については、アプリ版の(ビショが暴れだす前の)2PickやMTGのドラフトのようにアドバンテージを念頭に置くプレイがよいのかな?飛び道具が少なく、圧倒的なボードアドバンテージの獲得以外の手段で殴り切りプランを完走するのはかなり難しいように感じられた。とにかく有利トレードに終始し、除去を大事にし、勝ってるならティラノ等をケアしてリソースをつぎ込みすぎず……
正直この点についてはこれ以上詳しく書けない。諸兄のエボルヴ力が試される!
<構築篇>
試合展開から、ハンドリソース=カード1枚のバリューを意識して組むことが大切。これにつきる。具体的な注意点を挙げていくと……
①構築で強い低コストに惑わされない
当然だが、カードを1対1で戦わせるとたいていコストが高いものが勝つ。そして、再三指摘する通りカードプールは2コスまみれであり、何も考えずに組んでも(考えて組んでも)どうせ半数以上は2コス以下になる。このことから、我々は努力してデッキに高マナ域を入れる必要があることがわかる。
ここで何を抜こうか考えた時に、我々を惑わせて来るのが「コア」「マナ」と「ワンコ」「ガンナー」の構築最強1コス軍団である……これらは本当に強いのか?
自然シナジーが多い場合、マナとワンコの採用は肯定されやすい。ナテラの大樹は先述の通りハンドリソースではないので、マナなんて1マナ1枚払って何も起こらないスペルなのだが、例えばハルバードやプテラノドンがこれをボードアドに変換してくれる。ミストリナやティラノなどは大食いなため、マナを1枚採用する程度なら許されるだろう(ブレイブ>ワイルドかなあと思っている)。ここで気を付けたいのは、マナより強い肉がいないか?ということだ。萌芽なんかはほぼ2/3/2バニラだが、肉がついてる分マナより強く、肉がデカい分ワンコより強い。確認しておくと試合を決めるのはハンドリソースに基づくボードアドバンテージである。ライフリソースは特に構築段階で気にする必要はない(からナチュラルマナの名は上がらない)。筆者は2枚目のマナよりも進化前しかないベイリオンの方が強いことに気づいた時一人で笑ってしまった。
さて、問題は機械デッキである。機械のボムレアとしてはファーザー、機械神、ベルフォあたりが挙げられるが、これらを探せるコアは強いのか?またEX参照カードが多いしそもそも機械タイプであるからメカニカルガンナーは確定採用なのか?
私の持論であるが、「コア・ガンナーは採用しない」。理由は単純で、ハンドリソースを損なうカードだからである。コアについては、当然機械がヒットするなら強いのだが、ヒットしなかった時のデメリットがメリットを上回ると考えている。ハンド1枚はそれほどまでに重い。
ちなみにセイント・ウィズダムはひねれるが、ひねったところで何もしない。ブラッドはひねるのが難しく、これまたひねって出たプロダクトはほとんど何もしない。3体生贄除去はあまりにもリソースを消費する。
ガンナーの不採用もリソースを損なうことが理由である。付け足すならば、ライフリソースの重要性がかなり低いことも理由である。1Tからフォロワーを展開して殴れる長所がガンナーにはあるが、それで削ったライフ3点にそれほどの価値はない。また、リオードやムニャールが存在する都合上、1/2+1/1より2/3の方が強い。(気がする。処理を要求しないし。)
おとなしく機械生命体や加速兵に媚びることをおすすめする。
②高コストの「発動しない効果」に惑わされない
昔このような言説を目にしたことがある。読者のみなさんに心あたりはあるだろうか。
「同じ2マナ2/3なのに、効果がないよりも無茶な効果(例えば【コンボ20】相手のリーダーに20点)がくっついているフォロワーの方が弱く見えることがある」
森羅鋼鉄のカードプールにもこの錯覚を発生させるカードが存在する。先述のベイリオンもその一つである。走らないラティカ、進化しないバーサ―クなどが採用圏外に見えたら、一度立ち止まって考えてほしい。ハンドリソース・カードバリューが重要なオープン8において、4/5/5はそれだけで強いし、4/6/6は一層強いのである。
おまけ:山は30枚?
このゲームはボムレアを引けないことが負けに直結するので、よほどのことがない限り30枚をおすすめするが、対戦相手に一人、ボムの質が低くトレント等でコンシードを狙う人がいた。それはたしかに賢いかも。
LOの足音はすぐ近くまで忍び寄ってくるが、「ラビッティアアドミニスター」1枚で解決できるのか?大阪でジャッジに質問した時は山札が1枚以下だと3枚目に置けないため起動効果を使えないとの回答を得たが、微妙に納得がいかないためブシロードのサポートにも聞いてみたところ、山0でも一番下に置けるそうだ。理由までは書いてくれなかったが、3枚を「可能な限り3枚に近づけるように」と解釈するのだろうか?メイシアが山札5枚未満なら全部焼いて走るのと同じようなギミック(山札の数え方/効果が一部でも発動するなら起動可能)が働いていそうだなあとおもいました。
おすすめの構築手順
全ての記述を踏まえ、筆者が実践していた構築手順を紹介する。8初挑戦の大阪サイドイベントでなんとなく考えたものだが、振り返ってもかなり有用なように思う。具体的には書かない。実践例は有料部分に1例ある。
①確定採用のボム・除去・進化ラインを並べる
②採用が確定でないと考えるカードを一度はじく(1コスや童話など)
③はずしたものから強いものを選ぶ
……もったいぶった割に普通だ!②の時点で体感25枚程度になるので、③で何を積むかにセンスが出る。
あとがき
以上が私の短い8ライフで得た知見である。これまで書いてきたことはあくまで私の一意見であり、議論の余地は大いにあると思う。Xなりnoteなりで違う意見を書いてくれる方がいれば教えていただきたい。読みたい。
このフォーマットは競技として極めるにはあまりにも運だが、身内で・カジュアル大会で盛り上がるにはかなり楽しいフォーマットだと感じた。埼玉その他でJCS権利をガチで狙いに行く人もそうでない人も、この記事で興味を持ったら一度遊んでみてほしい。後悔はしないだろう(高額カードを剥ければなおさら)。
以下の有料部分は私の8マス神奈川大会戦記である。プール、デッキ構築、プレイで覚えていること等を具体的に記してある。その他強かったムーブや面白かった小ネタなども、覚えている限りで書いている。ガチ勢諸君やこの記事が面白かったから貢ぎたいよという方々は購入していただけると私としてはとてもうれしい。小躍りしちゃう。
それでは皆様、これからも良いエボルヴライフを!
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