人間椅子2022秋のワンマンツアー 〜闇に蠢く〜 2022年9月4日 青森Quarter
人間椅子2022秋のワンマンツアー 〜闇に蠢く〜
2022年9月4日 青森Quarter
18:35頃〜20:50頃まで
セットリスト
SE 新青年まえがき
1.鉄格子黙示録
2.侵略者
3.表徴の帝国
4.黄金の夜明け
5.胡蝶蘭
6.莫迦酔狂ひ
7.ED75
8.ダンウィッチの怪
9.黒い太陽
10.無情のスキャット
11.蜘蛛の糸
12.ねぷたのもんどりこ
13.幽霊列車
14.針の山
(アンコール)
15.猟奇が街にやって来る
16.地獄
(第2アンコール)
17.どっとはらい
計17曲
最高のレア曲名曲祭りでした。
個人的には、大好きで大好きで悶え転げまわるくらい聴きたくて仕方なかった「黄金の夜明け」が聴けて最高過ぎました。
イントロで「マジですかーーーーー!」となったもんね。
その他にもイントロが聴こえるたびに(声は出ないけど)驚嘆と興奮のどよめきが起こる、そんなレア曲天国でございましたー!!
以下、ライブの様子、曲ごとの感想など。
1.鉄格子黙示録
SEの「新青年まえがき」でお三方が登場し、さて1曲目は一体何が来るのか…?とお客がみんな固唾を飲む中で響いてきたあの重いベースのイントロ。
「これはもう大変なライブになる」と思いました。一発目が鉄格子黙示録フルバージョンですよ!!
2.侵略者
あまりに予期していなかったので、この曲のイントロに一瞬「知っている!これは知っている。でも何の曲だったっけ…?」となってしまいました。
うわー侵略者だ!!と気づくと同時に
「これはもういけない!!今日はもう祭りだ、レア曲祭りだ!!」
と心は狂喜。
しかしどうですかこの演奏の完璧な音源再現具合。
特に後半の凝りに凝った演奏、変わった感じのアウトロが全く記憶の音源の通りに演奏されて「凄いわ…この人たち凄いわ…」となりました。
途中で川端さんがステージ中央までテルミンを持参。
音源だと2:15あたりからの、あのスペーシーな間奏部分が和嶋さんによってテルミンで演奏されました。音ぴったりだね。
2曲目が終わったあと、いつもの挨拶とともに、鈴木さんより
「苦楽の曲はそろそろ飽きたでしょ?そこで、今日は古い曲、忘れられた曲、長い曲、のれない曲、難しくて今後もう二度とやらないだろう曲をやります!」
とのお言葉。
祭りだ祭りだーー!!(狂喜乱舞)
レア曲、古い曲、長い曲、それはご馳走。
というわけで期待にはちきれそうになりながら3曲目。
3.表徴の帝国
「難しい曲」との前ふりで来たのが何とこの曲!!
実を言うとこの曲、個人的には普段とばし気味な曲だったりします(告白)
まあ人には好みがあるので…
ところが今回のこの演奏。
ライブで聴くと俄然カッコよく楽しくなるね!この極めて特徴的なブレーキとか、久々なので猛練習したんではないでしょうか。
さて、ここまでもこれからもそうなのですが、今回特筆したいのは鈴木さんのベースが特に物凄かったこと。
いやいつも凄いんですが、地響きがするほど音がでかい上にゴリゴリの度合いが凄まじくて超最高でした!!
このいつにも増してベースが全面に出る感じ、今回の選曲も関係あるのかな?
表徴の帝国、これドラムも相当難しそうだね…
しかしほんとかっこいいな!!
4.黄金の夜明け
次の曲のイントロで
「マジですかーーーーーッ!!」
と叫びそうになりました。
自分が大好きでたまらなくてずっとライブで聴きたいと思っていた「黄金の夜明け」!!
どのくらい好きかといえば、もう何かことあるごとに「あっ…黄金の夜明け聴こ…」となり、毎回「くーっ!!このアウトロのギターソロ最高!たまらーん!」と悶え転げまわっているほどに好きなのですが、そんな曲がとうとうライブで演奏されることになったのだからもう大変!
「自分は今世界で一番の幸せ者ではないのか」くらいの勢いで、食い入るように聴き、和嶋さんの手元を見つめ、首を振っておりました。
途中の和嶋さんの裏返った声の語りや、間奏の長く静かな部分、そして超絶カッコいいあの間奏やアウトロのベースにギターソロ…
もう完璧再現です!
しかもライブは更に本当に凄い…!!
これから参戦する会場でもまたやってくれるかもしれませんが、とりあえず一期一会くらいの勢いで全身耳にして聴き入りました。
これだよこれ!!
正に「これを聴く事でしか摂取できない栄養がある」という…
本当に嬉しかったです。
ありがとうございます人間椅子さん!!
5.胡蝶蘭
雰囲気がガラッと変わり、和嶋さんが歌い上げるこのアコースティック風味の極めて美しい曲に。
この曲、ライブでは2019年9月の長野でのOUTRAGEとの対バンライブの時に、例の鈴木さんが尿管結石で欠席(ああ毎度ダジャレに)した関係でギターとパーカッションだけのバージョンを聴いたのですが、完全バージョンは初めてです。
鈴木さんのベースのうねる重低音が物凄くよく響く!(ベースがない長野はだいぶ工夫したんだなあ…)
間奏が複雑で恰も独立した1曲みたいなんですが、ギターとベースが交互に短いソロをとるところなど「おおお…」と唸るしかないカッコよさでした。
普段結構何気なく聴いてしまってるのですが、こうしてライブで聴くと実は凄い曲であることに改めて気づきますね。
6.莫迦酔狂ひ
MCでひとしきりお酒の話が出たので、おっとこれはもしかして?と思ったらやっぱり!の「莫迦酔狂ひ」
この曲は確か2020年の公式チャンネルでの配信ライブで演奏されましたね。
あの時も「おおお!」と思いましたが、とうとう現場で生で聴ける日が!
やっぱり生で聴くのはすごい!
あの特徴的すぎる音と演奏の完璧再現も凄いですが(ある意味ベースがリードし続ける曲で。鈴木さん本当に凄い!!)何といっても曲のテーマが隅々まで及んで時空が歪んだ感覚に陥る感じがしたのが凄かったです。
この曲はそういう仕掛けに満ちているということなんだろうなあ。
ステージからの音にそのまま身を委ねて揺れてみると、正に「ぐにゃぐにゃに酩酊する」という感じ。
何つう作曲の妙と演奏力!!
7.ED75
イントロを聴いて(その前に何か前置きを喋っていた気がするんですけどねえ…忘れてしまった)「えええこの曲まで演ってくれるの!!」とまたまた驚愕。
どうなってるんだ今日の選曲は…!!(歓喜)
そしてあの鈴木さんの歌が始まって、一気に何か昭和の時代の雰囲気に引き戻されるなど…
地元の人間でもないのにじわじわ身につまされて涙が出そうになりました。
青森ならではの選曲なのか、それとも他会場でもやるのかな?
そしてこのリズム、本当に列車のリズムなんですよね。
ライブだとほんとに体感できるんだな!!と実感しました。
和嶋さんのブルース的なギターのアウトロもやはり素晴らしく、最後は、へえこう終わるんだ!と思ったりしました(音源は今ひとつよくわからない終わり方なので…)
ED75の後は、中盤のところがねぷたの旋律なんですよ、という話から、ねぷたの話、鈴木さんが三浦呑龍さんが大好きで、天皇陛下のごとく思っているという話など。
(今回あまりに曲のことばかり頭が一杯で、MCを拾えていません。多分今ツアーはずっとそうなると思いますw)
8.ダンウィッチの怪
事前に適当ですが予想していた今ツアーのセットリストに入れていた「ダンウィッチの怪」をやってくれました。
この予想セトリからは青森ではこの他「針の山」(まあそりゃね…)も。
余談ですがこの後の札幌では「狂気山脈」「時間からの影」が演奏されたそうで、これは回を追うごとにじわじわと当たりが増えていく流れ!?
初めて生で聴くこの曲、やはり歌う鈴木さんの禍々しさが際立っていて最高でした。
加えて、静かな間奏部分でノブさんが色々なパーカッションを駆使するのも面白く、ライブ演奏だとこうなるんだね!と思いました。
最後のアウトロのギターソロ、なぜか記憶が飛んでしまっていてもう一度ちゃんと聴きたいのよな。
札幌でも演ったそうなので固定セトリかな?
また聴けるかしら。
9.黒い太陽
こここここの極めて不穏な音の導入部からのずっしり重い横揺れイントロはこれはもしかして?
ギャァァァァァ…!!
この曲までやってくれるとは!何てツアーだまったく!!
ということでダークでへビー極まりないこの名曲です。
今回何しろ鈴木さんのベースが特に凄いことになってるので、この曲などもう脳をゴリゴリに削られまくりです。
そして何度でも言うが再現度の完璧さ…
この曲、結構ドラムが特徴的だと思うんですが(素人の私見ですがアルバム「二十世紀葬送曲」はマスヒロさんのドラムのパターンがかなり変態的に凄いと思う…)バッチリ叩いているノブさん凄い!
個人練習のことを頻繁にツイートしてましたが、この曲始め久しぶりにやるということの他にそもそも曲自体が凄く難しいというのもあるんでしょうね(MCでも言及していた)
アニキは偉大!
10.無情のスキャット
オールレア曲というわけにもいかないので(?)ここで入るおなじみの曲。
もう何百回(そんなに?)聴いたことか。
でもそれだけの馴染みように負けず輝き続ける名曲であります。
11.蜘蛛の糸
アニキターーーーイム!!
アニキ曲、何が来るのか?とドキドキでしたがこの曲でしたね。
生で聴くのは初めてですが!、叩きながら歌うアニキの揺るぎなさはやっぱり凄いね。
そしてラストのスピードアップの中での怒涛の連打も最高でした!
12.ねぷたのもんどりこ
イントロが始まるや否や曲の終わりまでずっとジャンプしていたので何も覚えていません。
13.幽霊列車
13曲目のイントロでまた「うわぁ!!」となり。
あの名曲がとうとう生で聴ける!!
ライブで観て改めて認識したんですが、この曲で列車のガタゴトした揺れを絶え間なく表現し続けているのはベース演奏なんですよね。
鈴木さん大変!しかも完璧な演奏です。
しかし繰り返しになっちゃいますが何でこんなに音源を完璧に再現&何割増しにもカッコよく演奏できるのか?
ステージの上には演者は3人しかいない。
この3人、凄すぎるんよ…
脳内にMVの光景やら、のんびりした人気のないローカル線の車内の様子や車窓からの風景が浮かんでしまうような、そんな素晴らしい演奏でありました。
ラストの速度を増すところの演奏も音源のままで、これを目の前でやってくれているということが信じられない感じでした。
かっこえー。
14.針の山
アンコール前の曲も今回はレア曲が来るのでは?と思っていましたが通常通りでした。
15.猟奇が街にやって来る
アンコールで出てきた時の話で
「昔鈴木くんがこの曲の腕を上げるところで肩を脱臼した」
というので、いったい何の曲?と思ったらこの曲で。
「うわぁ!ダメ押しでこれが来ますか!」
という感じでした。
この曲、アルバムとしてはイカ天版「人間椅子」と「人間椅子傑作選」にしか収録されていないので、音源的にもレアな曲なんですよね。
あの狂気じみた歌詞(何かこう「若気の至り」という感じがあってフフッとなるんだよね)を30余年の時を超えて元気に歌う和嶋さんを見てたら実に楽しく嬉しくなってしまいましたよ。
途中で和嶋さんと鈴木さんが交互にあげる奇声もバッチリだ!!
そしてこの曲のアウトロの洒脱なギターが個人的に特に好きなソロの1つでして。
生で聴けて最高です。
本当にいいなあ…
なんとなしにこの曲に関する過去ツイートなど。
年齢を重ねれど、ステージで演奏する姿はあまり30余年前と変わってない感じでした。
和嶋さんもMCで「僕達まだ高校生のつもりなんで」と言ってましたが(すげえな)好きなことをやり続けている人は年をとらんね。
16.地獄
この曲は三十周年記念アルバムにも入ってツアーでも演っていたし、レア曲ではないですね。
しかし本当にいろいろな曲を持っているものです。
国内外問わず作品にこんなにバリエーションがあるロックバンドはいないのでは?
余談ですが自分は車運転していて煽ってくる奴とかがいると思わず「ケツの穴から槍刺」したくなったります。
人間椅子の薫陶(!?)が生きてますね。
17.どっとはらい
この曲も三十周年記念アルバムに入っていた曲です。
和嶋さんのギター、久々に冥王(PLUTO)が出てきておっ!と思いました。
この曲は鈴木さんのパフォーマンスがカッコいいんですよね。
中盤でのベースかき鳴らしながらの鬼ヘドバン、和嶋さんの後ろにやってきて出たり隠れたり、と今回もいろいろな鈴木さんが見られました。
演奏ももちろんカッコいいです。
全17曲、2時間15分。
この未だやや少ない曲数と時間だけ見ると、まだ演奏時間を短くする方針が残っているのかな?とも思いますが、単にレア曲だらけで曲数を増やすのはあまりに大変だからかも(笑)
最後の挨拶では鈴木さんが「いーでぃーななじゅうごぉ〜」と言いながら列車の動きをしたり(大変かわいい)和嶋さんが鈴木さんに「幽霊列車の車掌さん、和嶋慎治!」と紹介されたりと、今日ならではでした。
いやーもう最高だなあ「闇に蠢く」ツアー!!
実は今これを書いている時点(2022年9月9日。本日は仙台ライブ!!)で、この後やった札幌ライブではこの青森のセットリストから11曲も別の曲になったという驚異の情報が入ってきています。
いや〜途轍もない…
これからもさらに驚愕のレア曲が姿を現すことになるのか!?
そして完璧な演奏と圧倒的なカッコよさにまた脳内で「ギャァァァァァァー!!」と絶叫しまくることになるのか!?
楽しみですねえ!
(終わり)