![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159796814/rectangle_large_type_2_74059138ecddd6afa614678e00d07aa2.jpeg?width=1200)
人間椅子2024年秋のワンマンツアー『バンド生活三十五年 怪奇と幻想』 10月29日 大阪 umeda TRAD
人間椅子2024年秋のワンマンツアー『バンド生活三十五年 怪奇と幻想』
10月29日 大阪 umeda TRAD
19:15〜21:30
セットリスト
SE 新青年まえがき
1.鉄格子黙示録
2.人生万歳
3.愛の言葉を数えよう
4.埋葬蟲の唄
5.夢女(高校の時作った曲で音源未収録曲)
6.芋虫
7.恐怖の大王
8.悪魔一族
9.水没都市
10.神々の行進
11.無情のスキャット
12.赤と黒
13.天国に結ぶ恋
14.針の山
アンコール:
(MCの流れでマンドラゴラの花を途中まで)
15.神経症I LOVE YOU
16.地獄風景
17.どっとはらい
いやすごかったw
赤と黒の時なんかもう会場が完全に沸騰していたよw
人間椅子最高ッス!!
無情のスキャットが終わったところで和嶋さんの例のギブソンのおニューのエクスプローラーがババーンと登場!!
そのまま最後まで弾いてました。
めちゃくちゃいい音出してました。
良かったねえ和嶋さん。
「夢女」は鉄格子黙示録同様、高校のときに作った曲で、未発表曲とのことです。
今度の怪奇と幻想DVDについてくる過去のレアライブ映像集にもバッチリ入ってるとのことで、曲としては何とも表現し難いが、青春の愁いという感じでありました。
次の会場以降もやってくれそうな気配なのでご期待を!!
※そういえばこの曲のときだけ鈴木さんがSGのベースを弾いていたですよ。
後のMCで「そういえば(和嶋さんのエクスプローラーの大々的な紹介に比べて)SGベースを全然紹介しなかったね⁉」という話をしてましたが。
和嶋さんのSGと相似形のベースが並んで弾かれている様子はとてもカッコよかったですよ。
他の曲でも今後どんどん使われるといいなあ。
ここからは曲ごとに雑感を少々。
1.鉄格子黙示録
この曲は割と最近ライブで聴いたよね?と思ったら2022年秋の闇に蠢くツアーの、やはり1曲目でしたね。
1曲目にこれが来るとは、今日のセトリは一体どういう方向で攻めてくるんだろうな?と思い、もしかして次に針の山がきて人間失格完全再現ですかね?(ないないw)などと訳のわからない予想をしたりしました。
それにしても1音目から重くガツンとくるこの音の感じ、これはおなじみでありつつも毎回「ヒィ…凄い…!」と唸ってしまうものがあります。
ずっと口あんぐりして聴いちゃうもんね。
これぞ人間椅子。
2.人生万歳
あまり全アルバムを熱心に聴いてるわけでもないので何か色々うろ覚えの曲もあるわけですが、2曲目はイントロから途中まで曲名を思い出せないこの曲が来ました。
とはいえイントロ時点で「これはそうだ、確か鈴木さんの人生応援歌的な曲の1つだ!」とは思いましたw
音源では割と何の気なしに聴いていた曲ですが、ライブの迫力すげぇ…
特に「歩け 道ある限り」以降の畳み掛けのところ、鈴木さんの力強い歌に和嶋さんノブさんのコーラスというこの圧倒的説得力たるや。
粘りあるギターリフもこんなカッコいいとは。
ここで最初のMCがあり、今回のツアーは往年のヒット曲()に、長いことやってない曲(つまりレア曲)を取り混ぜた布陣でいくとのことです。ウヒヒ…
3.愛の言葉を数えよう
この曲はライブ映像を持ってるので(渋公の25周年のだったかな?)そこまでレア感ないのですが、やはり目の前でライブで見るとお三方の躍動感と生き生きした音の感じは格別でありました。
「パン・パン・パパパ・パパパパ」のとこの手拍子、前方のお客さんたちが見事に高く手を上げてやっていて壮観でした(自分もやったよ)
こういういかにもロックンロール!といった感じの曲の時の和嶋さんはじけっぷりはほんと凄いねえ。
ノリノリで元気いっぱい、ギターソロも絶好調。
人間椅子聴き始めた人が初めてライブに来たら、普段のアー写その他で見る文豪然とした渋さと落ち着きの人からの跳ねまくりギター少年という落差にびっくりするんでねえか。
イメージや外見とのびっくりするようなギャップは人間椅子ライブの大きな魅力の一つやね。
4.埋葬蟲の唄
長いことやってない曲を…ということでタイトルコールされたときに「ギャーーー!!」と叫んだのは私です(みんな叫んだろ…?)
後で和嶋さんが「あまりにも久しぶりなんでずっと指板見ながら弾いていた」と言ってたくらいのこのレア曲、ライブで聴きたい聴きたいと思っていた大好きな曲なので狂喜乱舞でありました。
何つってもあのプログレ的な間奏のカッコよさ。
ことに鈴木さんのベースがむちゃくちゃカッコいいんですが、それをとうとう生で聴くことができて最高でした。ぐぉぉぉカッコいい…なんてカッコいいんだ…!!
同じ若い頃の曲をやるったって、大御所人気バンドが昔の定番ヒット曲を演奏するのとは全然わけが違うからねえ。
めったにやらなくなった初期の曲(難しい)を、ライブに来るファンのために掘り出して練習して練習して演ってくれるわけですよ。
そしてその古い曲も最新の曲も、同じ熱量で演奏されファンも同じように大いに盛り上がるのが人間椅子の凄いところ。
まあともかくも、埋葬蟲の唄は想像以上に最高でありました。
ほんと貴重な演奏だし聴きたい人多いと思うので、できればセトリ固定だといいな。
5.夢女(高校の時作った曲で音源未収録曲)
11/13に出る怪奇と幻想DVDについてくる過去のライブ映像、ほんとどれを入れるか選ぶのが大変だったんですが…という鈴木さんのMCからの流れで、鉄格子黙示録と同様高校時代に作って演奏していた曲でしかも音源化されてない曲をここで演奏します!ということで「夢女」とタイトルコール。
ここで先述の通り、鈴木さんはギブソンSGのベースで演奏。
曲自体は、あの時代にこういう曲を書く高校生がいたのか…やっぱり人間椅子は独自だわ…という感じですが、何とも若さが横溢していて良いものです。
早くDVDで当時のライブ映像を観てみたいものです。
6.芋虫
三十周年ツアーの時に演り、その後映画でも観たしDVDも買って観たので案外久しぶり感はないのですが、ツアーで演るの自体は5年ぶりなんですよね。
もちろん大好きな曲です。
スタジオ音源に比べて今のライブでの鈴木さんの歌詞の発音は結構不明瞭だなと思うのですが、それこそが芋虫らしいとも言え。
時代とともにライブ演奏もいい感じに経年変化していくのだなあ。
三十周年の時は永遠かと思うほど長かったラストのギターソロですが、今回はそれほど長くなく(普通のバンドの標準からはだいぶ長い)
やはり名曲であります。
7.恐怖の大王
この曲も結構最近のツアーで演った記憶があるのですが、いつだっけ?
それはともかくやはり中盤の加速するギターソロがめちゃくちゃカッコいいです。
8.悪魔一族
アルバム「色即是空」からはこちら。
この曲も「気をつけろ 奴はどこにもいる」以降のダンサブルなリフからそのまま間奏ギターソロへなだれ込むところがたまらなく楽しい。
というか、和嶋さんの「くるぞ くるぞ」という合いの手とか、本当にもう大人げがないというか稚気あふれるというか、還暦を迎えようという重鎮ベテランバンドがこれw
こういうところが人間椅子の面白さなんだよなあ。
皆でエロイムエッサイムを楽しく唱和して終了。
9.水没都市
自分が人間椅子のライブを観るようになってから、3rdアルバム「黄金の夜明け」からは狂気山脈・幸福のねじ・黄金の夜明け・審判の日…と少しずつ超名曲が(初イントロのたびに自分の狂喜の絶叫を伴いつつ)演奏されてきたわけですが(こう見てくると色々な古い曲をしっかりやってくれてるなあ。ほんとありがたい)そろそろあの大曲、一部では人間椅子の最高傑作という声もあるあの曲がくるのでは…と思っていたところでした。来たね(歓喜)
和嶋さんの「歴史は繰り返しているのではないかと…」「街が水に沈むのではないかという幻想を抱くことが」(以上うろ覚えです)という前振りMCに会場が「おっ?おお…?(まさか?)」とざわざわする中(みんな勘が鋭いw)タイトルコール。
ドヒャーーーー!
ウッキウキに浮かれて聴いたので細部をあまり覚えていないんですが(だめではw)ライブで演奏されるこの壮大な叙事詩、ドラマティックで美しく、正に「音源が立ち上がってくる」という感じでした。
よかった…(感動)
埋葬蟲の唄、芋虫、水没都市…ときたので、今回のツアーもまたプログレ祭りかしら?とちょっと思いましたが、最後まで聴いてみるとそうでもなかったようです。
プログレありロックンロールありハードロックありスラッシュメタル風あり、1回のライブでこれだけ多種多様な曲が聴ける人間椅子の振り幅の広さは凄いね。
10.神々の行進
「前アルバム『苦楽』から」とのことで、何が来るかなと思ったらこの曲でした。
宇宙海賊と神々の決戦(これは色即是空)と頭の中でしばし切り分けて、無事「えいえいおう!」と唱和し腕を突き上げることができました(しかし何とも昭和だなあw)
この曲は特に感想の中盤でノブさんが銅鑼→ドラムと叩くところが個人的に無茶苦茶カッコよくて好きなんですが、今回もしっかり堪能することができました。
11.無情のスキャット
この曲は発表以降ワンマンツアーではずっとセトリ入りしてると思うのですが、タイトルコールのたびに歓声が上がるのでまさにこれこそ人間椅子のヒット曲というべきか。
この後にFCのブログ「黒百合日記」で紹介されていた和嶋さんのギブソン・エクプローラーが登場。
現物ピカピカでカッコいい!
ひとしきり弾いてくれましたが、自分ギターのことはよくわからないが太い良い音でありました。
この後の演奏はずっとこれでした。鈴木さんが「こっそり弦を抜いて(?)ベースに変えちゃおうかな…」と言ってましたw
おニューはいいものですね。
12.赤と黒
この曲を演るしばらく前にお客さんから「アニキもう脱いでるの?」(だったかな?)という呼びかけがあり、それに対してノブさんが「もう脱いでるよ」と返事したんですが、その声がやけに色気があるというか(声が良いしねえ)悩ましげな艶とセクシー感があって「ああっ!?」と思ったわけですよ。
後から思えばこれがこの曲への導火線だったんだなあ…(そうなの?w)
初日なのでいつも以上に盛り上がったアニキコール&レスポンスの後、「赤と黒ー!!」のタイトルコールでもう会場が絶叫!
何しろアニキが歌うストレートなロックンロールの、そのまたストレートなラブソングの中でも随一の名曲であり人気曲だからね!(個人的意見。自分も大好き!)
聴きたがっていた人が無茶苦茶多かったと思うのだ。ホントにありがたい…
そして叩きながら始まったアニキの歌の上手さ!美声!お客の異常な熱気と最高潮の盛り上がり!!
人間椅子の歴史書「椅子の中から」によると、この曲の高音部のボーカルの声を出すためノブさんが油を飲んでいたというエピソードがありますが、今回は油飲んでないと思うけど余裕で圧倒的に伸びやかな声が出てましたよ。
アニキ元々歌が上手いですが、リリースより15年を経て、さらに歌が上手くなったのだなあ…(もちろんドラムも!)
和嶋さんの文学的な歌詞と激しく情熱的な曲に乗って上半身裸で汗を飛ばしつつドラム叩きながら完璧に歌うノブさんはもうあらゆる「カッコいい」を凝縮したような姿で、ほんともう「このアニキに惚れない人なんているの!?」と思いました(女も男もだ!)ぬぉぉ最高!!
これも自分が大好きな間奏の和嶋さんのギュイーンなギターソロが、ライブだとほんとドライブ感があって最高でした。
ほんとに色でいうと「赤と黒」という感じの濃厚で奔放な感じに溢れてるんだよね。
ということで、みんな大興奮の最高の赤と黒でありました!
ぜひ全アニキ推しの皆さんにもれなく聴いてほしい、そしてノックアウトされてほしい…!
13.天国に結ぶ恋
この曲は2022年秋の闇に蠢くツアーで聴いたので、2年ぶりですね。
今回もリズムが無茶苦茶ノりづらい(なかなかついていけない)曲でありました(感想!?)
14.針の山
そして針の山。
ハッスルマンな自分ですが、この日は日中色々歩き回りすぎて足が疲れたんでジャンプ省略しました。
周りの皆が一斉にジャンプするのを見て「元気だねえ…」と思ったりしました。加齢…
アンコールの後、出てきたお三方は和嶋さんがツアーT、ノブさんがロンT、鈴木さんいつもの白装束。
MCで「昔(デビュー当時)はレパートリーが少ないので同じ曲ばかりやっていたねえ。人間失格に陰獣、人面瘡、この曲、マンドラゴラの花…」
という流れで、マンドラゴラの花をイントロだけ(だけっつっても何しろイントロが長いんだw)しばし演奏。
15.神経症I LOVE YOU
そしてこればかり演っていたというこの曲。
よく考えたら自分はライブで聴くの初めてかも。
こういう最初期の曲を演る和嶋さんと鈴木さんは、ビジュアルは当時から相当変わっているにも関わらず、なぜか当時のままの感じに見えるのよね。
若い2人がそのまま蘇ってきているかのようです。
心を流れている音楽への情熱というものが今も変わらないからだろうかな。
16.地獄風景
東京オリンピックの音楽に人間椅子が起用されたらこの曲をやるといいのではと思っていた私です(アカン)
でも色々(談合とかそういう方面で)ケチがついた大会だったので出なくてよかったよ(何様)
17.どっとはらい
「umeda TRADも今回でお別れということで」との言葉でラストはこの曲。
ライブでは割とよく演ってくれる曲ですが、奇妙で何とも分類し難い雰囲気とシュールな歌詞は、人間椅子のまた別の局面を見せてくれる曲であるなあといつも思います。
あとこの曲の中盤以降、鈴木さんがベース弾きつつ見事なヘドバンを見せてくれるのでそれがいつも楽しみです。今回も凄かったなヘドバン。
てなわけで。
今回はツアー初日でありつつもumeda TRADでの最終ライブということで、MCの端々にもその話題が上りちょっとしみじみさせられたりもしました。
長く演ってきたお馴染の良いライブハウスが閉店してしまうというのは、バンドにとって相当な喪失感だろうね。
この文章を書いている時点でツアー2箇所目の博多のセットリストの情報も入ってきたのですが、大阪から実に10曲も入れ替えてました。
ほんと人間椅子はとんでもないな。
自分が人間椅子のライブに来始めてから5年になりますが、全く衰えることのないむしろ高まり続けるライブのクォリティと熱量には感激させられっぱなしであります。
そんな人間椅子のツアーが今回また始まりました。
(終わり)