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たま神さま#2

たま神はそこから週に3〜4度、うちの店のピカスペースに来ていた
お得意のたまご焼きを毎回、お土産に持ってきてくれた
たま神は長い期間、日雇い労働をしていた
持ち前の素直さと陽気な部分を気に入られて、15年近く同じ雇い主の所で仕事をしていた。
一緒に仕事をした時があるが何もかもがゆっくりだった
膝を痛めて現場仕事に行きづらくなった
雇い主の社長はたま神を気に入っていた為、軽い仕事をたま神に工面していた
ところが、同じ飯場の連中がたま神の扱いを疎ましく思い、たま神に嫌がらせをする様になった。※飯場(はんば)とは、土木工事や建築現場での作業員用の給食および宿泊施設のこと。
たま神はその辺は繊細である為、飯場を飛び出して現場に行かず、会社の軽トラックを借りて、鉄屑や銅線などのスクラップ収集をして生活費を稼いだ
珍しい物や売れそうな物は、西成の泥棒市で捌いていた。
長年住んでいる西成にある旅館風のドヤを拠点に活動しだした
ここのドヤも長く滞在してる事と、たま神の人柄も大家さんに気に入られていた為、融通がきいていた。※ ドヤとは「宿(ヤド)」の逆さことばである。 日雇労働者の宿泊する簡易な宿
たま神は大家さんにかなりの金額の家賃を滞納していた
大家さんは理解のある人で、毎日これから2000円ずつ家賃として入れてくれたら良いとなった。
たま神は毎日、2000円は稼がなきゃ行けない
それ以外に食費がかかる
たま神は小柄なくせに大食漢だった
1日に20合近くの米を食うと言う
流石、令和のアパッチ族である

続く

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