共生
先日、RED LINEというフェスに参加してきた。
正直自分だけじゃ絶対に選ばないフェスだったけれど、
仲良くしているグループで行こうとなり
よく分からずに合わせてチケットをとったのだ。
そして当日。大寝坊。
ていうかグループの人たち誰一人として目標の時間に来なかった。
それが原因だろう、遅れた分を取り返そうとやる気に満ちていた。
そしてスタンディング自由チケットを買っていた私たちは
迷わず前方に乗り込んだ。
そして始まると同時に押し寄せた、人の波。
巻き起こる歓声と飛び込むダイバー達。
私たちは一瞬で引き剥がされ、ボコボコにされた。
人生で初めて人に殴られ、蹴られ、押し潰された。
人ってこんなに潰されても意外と生きているんだなあ、とか漠然と思っていた。
正直蹴られた時の記憶はない。でも顔に靴の跡のようなあざは残っているし、なんなら身体中青あざだらけだ。
日本でこんな暴力が巻き起こっているなんて。。。
後から一緒に揉まれた友達に、
「めっちゃ笑顔で蹴られてたよ、怖かった」
と言われた。
記憶はあんまりないけど、身体中痛かったけど、楽しかったのだ。
ランナーズハイになるような感覚に近いのだろう。
限界を超えた私はとにかく爆笑してた。
まあ私の中の気持ち悪い一面はさておき、
フェスが終わった後のTwitterでは、
コロナ前からモッシュダイブサークルを好んでいた人たちと
コロナ禍中にハマったなどで、コロナ前を知らない人たちが
バッチバチに揉めてた。
たとえば、
「Vaundy目当てで最前いたら前のバンドでモッシュに巻き込まれて、柵に顔をぶつけて大出血した。ありえない。」
「怪我が怖いなら前来るな、!」
「今回はモッシュダイブは禁止って言われてたのに!」
「コロナ禍前から禁止って言われているけど暗黙の了解で行われていた!」
「タオルをダイバーに盗られた」
「無くして嫌なものはフェスに持ってくるな」
などなど。
たぶん彼らは一生分かりあうことはないんだろうな、と素人目で見ていた。
モッシュダイブは危険行為だからといって排除するのか、
それとも今後のライブハウスにはモッシュダイブできない人たちは行けなくなるのか。
どちらに合わせたとしても、誰かの「楽しい」は損なわれてしまう。
SUPER BEAVERのボーカルが、この前のライブで
「あなたの楽しいを俺が守ります」と言っていた。
今回のREDLINEには出場していなかったのだが、
もし出ていても、もみくちゃで辛い思いをしている人を尻目に
同じことを言うのだろうか,と思った。
でもこんな世界じゃ全員の楽しいを守り切るなんて不可能だろう。
この争いの規模が大きくなったものが戦争であるならば
人間は共生は不可能だ。
相手の気持ちを汲み取って、理解しようとする。
幼稚園で習うようなことだが、意外と難しい。
私も未だにできていないような気がするし、余裕がなければ尚更だ。
ただ、これを放棄してしまえば、
どちらに傾くにせよ「楽しい」は守れない。
「あなたの楽しいを守ります」
その言葉を本当にすべく,陰ながら支えること。
みんなが少しでもその意識を持てばもう少しいい環境になるのではないだろうか。
知った上で、それでも嫌いだったら避ければいいし、知らないのに否定するのは違うと思うので、とりあえずなんでも挑戦しようとするんだけど、
そのうちダイバー側にもなってみたい。
まずは殴られても耐え抜く身体を作らなきゃなあ。
まあ、ボコボコにされる経験なんて中々ないし、総じて楽しかったです。
【後日談】
なんか歯が痛いなーって思って歯医者に行ったら
この日の衝撃が元で、歯の神経が死んでました。
飛び込んできたやつ絶対に許さん。戦争だ。
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