2022/01/03 しいたけキットを組み立てるだけでも
しいたけキットを組み立てに
新年結局のところ実家に帰ったのは一瞬、しかも夕方に、誰にも何も言わず家に帰った。目的は祖母のために「しいたけキットを組み立てること」だった。
しいたけキットは昨年より『クレモナ』内で流行っているしいたけ栽培で、菌床というのか、しいたけブロックからぽこぽことしいたけが簡単にたくさん出てくるというものである。室内で本当に簡単にたくさん採れて、その約2週間はしいたけ祭りができる。
そのしいたけキットを、うちの祖母はこの前の演奏会でお客さんのひとりに勧められたらしい。きっとうちのばあちゃんならしいたけに声をかけたりしてかわいがるんやろうな…と思いつつ、演奏会の直後にキットを手に入れたにもかかわらず、ばたばたとしていて結局年始になってしまった。
正直言って、行ってよかった。別にしいたけキットが大切なわけでも何でもないけれど(しいたけはビニールの中で大きく育ち、びっくりするほど生えてきていてはちきれそうではあった)、新年に一人で過ごしていた祖母を見て、ああ、行って良かったと心から思った。しいたけの袋を開けて、容器に水を入れ、キットにお箸を差す。もう既に大きくなりすぎたしいたけを切り、ビニール袋はないかと聞いて、ばあちゃんが出してきたビニールを被せる。それだけである。
年末のあいさつに持っていこうと思っていたこんぶのおやつを渡して、こんなん好きやろ、と言いながら(自分が好きなので)勝手に開封しひとつ、もうひとつと食べる。本当にそれだけだった。
年越しそばも、お雑煮も、数の子も、煮しめも、食べる時間がなく、「また近日来るわ」と言って、結局滞在時間は15分くらいだったのだが、それでも行ってよかった。
おばあちゃんに会う、手を握って、あいさつをする。それだけで十分なのだと思う。
わたしは本当は車の免許を取ってどこまでも連れて行ってやりたいんだけど、きっとそれは現実的でない。だからこそ、15分でも会いに行くだけでも、きちんとやりたいなと思った。今年の小さな目標としたいと思った。
坂本龍一さんに似せて
新しいヘアスタイルを褒められたときに、「坂本龍一っぽくしてくださいとオーダーした」と言うようにしている。
今日エスカレーターのわたしの後ろに乗ったサックスのみーこが、「あ、ぴかりん白髪生えてる」と言った。うそやん、まじかよ、後頭部はノーマークやわと絶望していたら「抜きましょうか?」とみーこが言う。
そのさらに後ろからフルートゆきが「先輩、坂本龍一にまた近づきましたネ」と非常に馬鹿馬鹿しい発言をしたが、それもありかもしれない、と思ってしまった。