Latino/a って誰? #61
こんにちは!
アメリカのカリフォルニアに留学中のぴおりです。
カリフォルニアでの生活も、まもなく丸8ヶ月になります。人生で初めてのアメリカ西海岸でしたが、西海岸の爽やかな気候や、明るくチルい人々の雰囲気のおかげで、毎日とても穏やかに過ごせています。
そんな私は、10年以上前になりますがニューヨークのマンハッタンで生活した経験や、ハワイのホノルルに何度も旅行で行った経験があります。
そんな経験を今思い返していると、今私のいる南カリフォルニアは、東海岸や離島とは大きな違いがあると感じます。
それは、ラテン系の多さです。
ラテン系というのは、中南米地域に住む人々の総称で、「メキシコを中心とする国々から、北アメリカに移住してきた人たち」を指すことが多いです。
英語ではLatino(男)、Latina(女)、Latine/Latinx(性別なし) と称されますが、ややこしいので(あと名詞の性が大嫌いなので)、本文ではラテン系と一括りにして記します。
この地図を見ていただくとわかると思いますが、ロサンゼルス以南の南カリフォルニアは、メキシコのすぐそばに位置しています。サンディエゴなんて、ほぼメキシコです。
それゆえに、カリフォルニアには多くのメキシコ人移民がおり、ラテン系の人が大半を占める街もたくさんあるほどです。
これはアメリカ全土に共通する話ですが、ラテン系移民の多さから、中南米の食べ物も簡単に手に入り、メキシコ系ファストフード店もとても多いです。
例えば日本人も大好きTaco Bell、アメリカの若者が愛するChipotle、アメリカに点在するDell Taco、これらの店はすべて、南カリフォルニア生まれなんです。
なんならタコベルはアーバイン生まれです!みんなもっと食べて!
食べ物に限らず、カリフォルニアは、街全体にスペイン語が溢れかえっています。
看板表記には必ず英語の次にスペイン語が書かれ、バスや店内のアナウンスではもれなくスペイン語付きで、ショップ店員にスペイン語で話しかけるとすぐにスペイン語が返ってきて、大学の授業内でもスペイン語の単語がしょっちゅう出てきます。
英語話者の第一外国語が、基本的にスペイン語だというのは当然ありますが、カリフォルニアの人々は、我々日本人が話す英語より遥かに高度のスペイン語を使いこなしています。
それだけ身近にスペイン語話者が多く、触れる機会が多いのだと思います。
これだけスペイン語体制が整い、話者も限りなくいるため、ラテン系の人々をマイノリティだと思うカリフォルニアの人はほとんどいないと思います。
もちろんパーソナルな事情は計り知れず、アメリカ国籍を持たないことによる課題もあるかもしれませんが、同じ「マイノリティ」であるアジア人の私からすると、ラテン系の人々は言語で困ることは全くと言っていいほどなく、のびのびと生活する上で、カリフォルニアは最適の場所だと言えます。
日本人の私からすると、カリフォルニアで暮らしていて日本語が使える場所などまずなく、日本人のコミュニティを探そうと思っても難しそうです。美味しい和食に出会えないから中華やコリアンで妥協し、挙げ句の果てに、日本人だと言うと未だに "oh I love Sushi!" とか言われる始末です。
(まあでも今ふと思いましたが、日本人がメキシコ人に初めて出会ったら、"I like tacos!" とか言いそうですね…)
要は、ラテン系の人々は、カリフォルニアがものすごく住みやすいはずです。東の都市と距離は同じでも、移住するなら、気候も似ている西海岸が良いだろうし。
さて、いったい何の話なんだ、となってきましたが、ようやく私の書きたかった本題です!
日本人の知らないラテン系を分析してみよう!
日本に住んでいると、ラテン系の方と知り合う機会はなかなかなく、地球の反対側だからこそ、日本⇔中南米 の旅行もそう簡単にできません。
私もカリフォルニアに来るまでは、「ラテン系=陽気なサンバ踊る人たち」くらいの印象しかありませんでした。
まあその印象もあながち間違ってないのですが笑
しかしカリフォルニアでたっっっくさんのラテン系と知り合い、友達になり、盃を交わす中で、この人たちめちゃくちゃ愛くるしいぞ!!と思えてきたのです!
私は生まれ変わったらラティーナになりたい!
そんな彼らを、まだラテン系の魅力に気づけていない日本の皆さんに紹介したいと思います。
身近なところから紹介したいと思うので、有名なラテン系の皆さんを挙げてみます。
アバターのヒロインやGOTGのガモーラを演じたゾーイ・サルダナ、数々の名曲を生み出しているリン=マニュエル・ミランダ、パリピソングのキング ピットブルなどなどなど、芸能界にはラテン系が溢れているんです!私も大好きな人たちばかり!
身体的特徴として挙げられやすいのは、くっきりと目立つ目鼻立ち、濃い目の眉、浅黒い肌、などです。
南アジアや中東系と似ているようにも思えますが、ラテン系、特に中南米の人はまた違う特徴があることが多いと感じます。
彼らの最大の特徴は、その性格!
もちろんラテン系はこうだ、と一概に言うことはできませんが、私がこちらで出会うほとんどのラテン系が同じような素晴らしい性格をしていたので、それをお伝えしたいです。
まずラテン系の人たちは、もうとにかく明るい!!!
West Side Story や In the Heights など、ラテン系の人をメインに描いたミュージカル作品が大好きでよく観るのですが、彼らは素でこれをやってきます。すごい、、、
授業中のクラスに軽く踊りながら入ってきたり、歌いながら道を歩いていたり(ハミングじゃなくて熱唱)、店で流れる音楽に合わせて手拍子し出したり、この世のすべてが面白いかのように高速スペイン語を話しながら笑っていたり。
老若男女みんな元気です。マジで明るい。
授業中でも、「待ってそのペン可愛いんだけどー!」とか話しかけたり、些細なことでも真っ先に質問するのはラテン系の子です。
良い意味で、感情を押し殺すなんてアリエナイって感じ。
アジア人とは真逆ですねー。
バスの中で歌い出すラテン系には圧倒されることもありますが、惜しみなく明るさを振りまく彼らはとても素敵です!かつて「とにかく明るいぴおり」と言われた私も、もっと見習おうと思います!
そして彼らは失敗を恐れず感情を殺さない分、めちゃくちゃ世話焼きがち!
物を落とした他人には、どんなに遠くても「これ落としたよー!!!」と声を張り上げ、授業中に手元のスライドを見失った隣人には率先して場所を示し、困ってる人にはどんどん声を掛けます。
私も、ラテン系の人の世話焼きゆえの親切には何度も何度も触れてきました。
バスで、席があまり空いていなかったから私だけ立っていたら、後ろの方のオバちゃんが「セニョリータ!!!」ってブチ叫び、自分の重そうな荷物をどかして座らせてくれたり。(だいぶ恥ずかしかったけど嬉しかった!)
テスト前に鉛筆を探してたら、横のラティーナがスッと差し出してくれたり。
スーパーのレジ待ちで財布を出した直後に、「カバン開いてるから閉めなさい」と後ろのオジさんに注意されたり。
今思えば、コスタリカに一人旅をした時も、現地の人たちがたっくさん声をかけてくれました!!
ちょっとお節介焼きでもありますが、他人のことも自分事のように捉えてくれる優しさは、私はとても温かいと思います!
さらに、彼らは人間関係を人生の第一優先にしているようです。
授業に遅刻した理由は、「ママと話すことがあったから」(なんだそりゃ)。
一週間ぶりに会う友達には熱烈なハグ!一日の終わりにもハグ!パーティーで初めて会ったアナタにもハグ!友達の友達にだってハグ!
家族の誕生日の日には誰よりも早く帰る。
家族に含まれるのは、親、兄弟姉妹、親の兄弟、従兄弟、祖父母、その兄弟姉妹、、、、なんか血繋がってる人みーんな。
前に授業内で、「一番自分が幸せを感じる瞬間」について周りと話すことになり、私がディズニーにいるときかベッドに入るときかで迷っていると、一人のラティーナが「家族と話しているとき」と即答していました。ちょ、なんか自分が恥ずかしいよ、、、
そんな愛くるしいラテン系ですが、上で少し述べたマイノリティの話においては、アメリカにいてコンプレックスを感じる人もいるようです。
「英語が第二言語だから」
「白人ではないから」
「時間や人間関係などの感覚が違うから」
そんな理由で、ラテン系2世3世としてアメリカでの暮らしに悩みを抱える人も多いそうです。実際に、大学の授業でラテン系の題材を取り扱うことはものすごく多いし、そのたびに、当事者であるラテン系の生徒たちがそんなことを口にするのを聞きました。
明るく人のことを気にかけられる性格だからこそ、自分のルーツの国や地域から離れても、彼ららしく生きていけるといいよなあ、と最近よく思うようになりました。
私はラテン系の人たちがのびのび生きているのを見るのがとても好きです!
最近特にラテン推しです!
地球の反対側にいる人々たちと知り合う機会はあまりないかもしれませんが、この記事によって彼らに興味を持ってくれたら、1ラテン推しとして嬉しいです!
<追記>
この間、Santa Anaというラテン系移民の多い地域を一人で歩いていたら、その辺のアメリカ人男性に話しかけられ、「君はラティーナか?」と聞かれました。
サングラスをかけていたとはいえ、人生で初めてラテン系に間違えられました!!!20年間韓国人に間違えられてきた筆者、めちゃ嬉しい!!!
堂々と歩いている様がラテン系に見えたのなら、本当に光栄です!あと3年は自慢し続けます!
(どうか「一人で歌いながら歩いていたから」じゃありませんように!)
人生で最もラテンに触れた旅の記録