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クリープハイプを好きになった


今、こうして文章を書いているのがなんだか恥ずかしい。みんなみたいな胸を打つ素敵なエピソードも無いし、あのとき私は特に悩んでも苦しんでもいない中でクリープハイプに出会ったから。


私には20年以上ずっと大好きなバンドがいて、そのファンとして繋がった友達がいる。住む場所はそれぞれ違うけれど、LINEグループを作って新曲のことやラジオのこと、ライブのことなどを日々楽しく語り合っていた。

ある日、その友人達が話題にしていたとあるアーティストを、私だけ知らなくてYou Tubeで検索した。そしてたまたま、FM802のキャンペーンソングである「栞」のMVにたどり着いた。

桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗

その歌詞はあまりにも文字通り綺麗で、見たことのない言葉の紡ぎ方だった。聴いても美しくて、読んでも美しい。衝撃だった。
MV中、何人ものアーティストが歌っている中で、なぜか無性に気になる人がいて、それがクリープハイプの尾崎世界観という人だった。この人が作詞作曲してるんだ、この歌詞を書いたんだ…。

それまで一曲も知らなかったクリープハイプ。

夢中になってMVを探しては、見た。何曲も何度も繰り返し見て、聴いて。そして、ハッとした。「自分はこの人たちが好きなんだ…」突然気付いた。

20年以上「このバンドだけを一生誰よりも愛しているに違いない」と思って追いかけていたバンドから、クリープハイプに、自分が心変わりをする瞬間を見てしまった。

それから、尾崎さんがラジオをやっていると知った。初めて聴いたとき、リスナーの方の「学校を辞めたい」という悩みに、尾崎さんは真摯に丁寧に答えていた。
回答がとても難しいであろうメールを敢えて選んで読んで、自分の言葉で答えることが凄いと思った。誠実な方なんだな、と感じた。
翌週はメンバー4人の回で、笑いの絶えない内容だった。この人たちの空気感が好きだなあ、と幸せな気持ちになった。

CDを片っ端から買って、聴き漁った。
雑誌を買った。古いものもネットで買って読んだ。
ファンクラブに入った。
ブログを遡って読んだ。

それから、ライブに行った。

これまでライブを観に行ったどのアーティストも、「来てくれてありがとう」「今日は来てくれた皆さんのおかげで…」などと言ってくれて、それをいつの間にか決まり事のように受け取っている自分がいた。半分は本心だろうけど半分はリップサービスなんじゃないか、なんて感じていたのは自分がひねくれていたからに違いない。

だけど、クリープハイプのライブは違った。何かをすごく好きでいることについて、時にはそれが外野からダサいとか恥ずかしいと揶揄されてしまう可能性があること。だからこそ、クリープハイプを好きでライブを観に来た私達に、好きでいてくれてありがとう、ということを、誰にも使い回されてない表現の仕方で、尾崎さんだけの言葉で伝えてくれた。
ダサくて恥ずかしい私は人目も憚らず泣いた。嬉しかった。尾崎さんの「ありがとう」の言葉は、半分どころかまるっと全部、本心だと思えた。クリープハイプを好きになって良かった…という気持ちが押し寄せてきた。


あれからずっと、クリープハイプは私にとって変わらず1番大好きな存在だ。クリープハイプに出会えたことに、とても感謝しています。

ちなみに、長年好きだった(今も好きだけど)あのバンドのファンである友人達とのLINEグループは今も健在で、みんな私がクリープハイプについて語るのを、うわ〜良かったね、ええっすごいね、素敵だね!と受け止めてくれる。彼女達との出会いにも、本当に感謝しなくては。



#だからそれはクリープハイプ
#だからそれは真実
#クリープハイプ

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