アナクシメネス
アナクシメネスの情報は少ない
ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』のみ?
アナクシマンドロスの弟子
アナクシマンドロス批判
アナクシマンドロス『万物の始原は無限定なもの(ト・アペイロン)』
↑大きな欠陥に気づく
無限定なものという概念は世界を超越したもの
その理論を検証することができない
存在ですらないものを万物の始原とするのは
何もわからないと言っているのと同じ
現実世界の中に始原を求めるならば
『規定されたもの(ホーリスメネー)』でなければならない
万物の始原が規定されたものならば、それを通して検証や観察ができる。
アナクシマンドロスのタレス批判
『相反するものは単一の性質を持ったものからは生まれない』
↓
万物の始原は規定されたものであり、尚且つ相反するものをどちらも生み出すことのできる
単一な性質を持っていないものである必要
アルケーとしての空気
『空気』
規定されたものの中で最も可変性が高く
量としても無限に思えるほどに膨大
アルケーたる空気がどのように変化し
物質を構成しているかについてまで説明
空気の密度が薄くなると火に
空気の密度が濃くなると水に
更に密度が濃くなると土や岩になる
空気の密度が変化することにより
様々な物質に形を変え、それらが複雑に絡み合うことにより
世界が構成されている
物質と空気の関係だけではなく、
空気と生命の関係も同様の理論で説明できるとする
人間の生命の根幹は呼吸、息(プネウマ)
空気は単に無機的な要素ではなく、内に生命力を持った
有機的な存在だと考える
『魂は空気だ』
宇宙も一つの生命体
その内部を空気が循環することでその生命が維持されている
宇宙の呼吸によって引き起こされるのが
火や水という世界の変化
我々の体内でも、現実世界で起きているような変化が
刻一刻と起きていて
それによって生命の秩序が保たれている
功績
①『アルケーを検証可能な次元に引き戻したこと』
②『アルケーの変化について合理的に説明したこと』
実際にどのように変化して我々の世界を形作っているかについて言及