ねぇ、私で私の美醜の呪いを溶いて。

この話は
去年の美醜の呪いを溶くフォトセッションへのあげ妻さん作　プチ小説を絡め
11/18の美醜ファッションショーへの
ストーリー作成中に、脳で私の味噌を
かきまわした事でできた小説です。

あれから、1年が過ぎた。　
友人に教わった、Instagramのセミナーには
結局参加した。　

あの時、おはなさんにDMをしたら、
セミナーの前後に、その会場で無料撮影がある、と教えてくれたので撮ってもらった。

そして、その後の栃木県滞在の期間に、「美醜の呪いを溶くフォトセッション」を受けると

数日後、撮った時よりさらに綺麗にしてくれた写真が送られてきて、私は『なんかいつもと違う私』の写真を手にした。

それを見て、思った。

どうやら、私の『呪い』とやらは
そんな簡単に溶けるものではないようだ。

「あの子みたいに、笑えない。」

少し経って、おはなさんのInstagramをふと見ていたら、
「美醜ファッションショー開催のお知らせ　一般募集開始」という投稿があった。

どうやら、モデルが洋服をみせるファッションショーとは違って、
一般の方が「心にある美しさを見せ、または殻を破ってランウェイを歩く」とある。どうやら
モデルが出るような、イメージするファッションショーとは違うようだ。
一般の方が出るって、どんな風になるんだろう。

普段なら絶対に気にならないのに、どうしてだろう。
呪いが・・・・溶けていないからかな・・・。

そう、
夫と出会ったときは、眉ティントをして、ネイルに通って、アロマを塗りたくって、
綺麗に、かわいらしく、整えていた。

私は、普段、ファッションショーから遠いところにいる。
保育園に送り出し、走って送迎、お迎えの毎日。
気づいたら、好きだった緑色の服や、スカートが、
タンスの中に一枚もない。
でも、好きな服を買っていた時は、
自分の体のことが好きではなかった。
好きな人に、好きになってもらうために、ダイエットをしていた。それは、私のためでは、なかった。
若さや造形として「美しかった」時の中身は「醜かった」。

だから、これを書いている今も、涙がでそうなのを堪えていて、
思い出すのが、怖い。

ファッションショーにでれたら、何か変わるだろうか・・・。

その日の明け方。なぜか薄暗いうちに目が覚めてしまった。
何とか眠ろうとして、目をつぶろうとしたから、それは夢だったのか現実だったのか、わからない。

・・・・・
私は、暗いステージの中で、
一人ぽつんと舞台に立っている。
黒い服・・いや、ごみ袋みたいなものを頭からかぶって、とっても苦しい。
袋の中には、今まで買った、服..

買ったけど着ていない服、似合わなかった服、趣味じゃない服、擦り切れた服…いろいろな服が詰まっている。

着ても着ても
買っても買っても、苦かった。

満たされない…あの頃の気持ちを思い出す。

クローゼットも、心も体も、パンパン。

変わりたい、変われない、

満たされない、満たしたい。

かわいい？かわいくない。美しい？

綺麗？何が私なのか、わからない。

私はどんな服を着ても私になれない。

容姿が美しくても、心はぽっかり空いていて

あのときの私を、思い出す。

あぁ、嫌な夢。

誰かが来て、私のかぶるゴミ袋を、切り裂いていく。
辞めてほしい。見ないで。
もういいの、あの時にはもう戻れない。

今、あの服を着たって、
あのメイクをしたって、

もう戻れないんだから。

思い出させない様に、ゴミ袋の中に、思い出と一緒に、隠したのに。

その中から、次々と見つかっていく。
いや、見つけられていく。

この夢はあの、おはなさんのファッションショーなのだろうか？

何人もの人が、ステージに立つ。
男の人も女の人も、みんな、綺麗。かわいい。カッコイイ。素敵。

それは、服装だけじゃない。
私はそれを、離れたところから、見ている。
私も変わりたい。

あの時、着られなかったキラキラした服を着る人。
若い頃に、着たくても自信がなかった時の服を着ている人。
カッコイイって、一番自分に言いたかった人。
これを機に、自分を認めたい人。
誰に何を言われても、自分の美しさは、邪魔されないと笑う人。

呪い。美しいとか、醜いとか
そんな呪いなんて溶けていて、

あの時の嫌な気持ちも溶けていくようだった。

私も、ステージに立ちたい。
どうかそこへ、連れて行って。

・・・・

そう思っているところで、目が覚めた。
土曜の7:02。
思ったより寝れてなかったな。

子供はまだ、隣で寝ている。

目が覚めて、涙が出てることなんて、初めてだった。夢だったのか、考えていたのか、わからない。

でも、もう私はInstagramから、DMをしていた。

ー『お久しぶりです。私もファッションショーに出られますか！』

・・・
11月18日月曜日13:00~
秋葉原ハンドレッドスクエア倶楽部にて、
美醜ファッションショーを行います。
観覧募集中。

夢かうつつか、ノンフィクションか、フィクションか。確かめに来てください。